入門者向け時代伝奇小説百選

 約十年前に公開した「入門向け時代伝奇小説五十選」を増補改訂し、倍の「百選」として公開いたします。間口が広いようでいて、どこから手をつけて良いのかなかなかわかりにくい時代伝奇小説について、サブジャンルを道標におすすめの百作品を紹介いたします。

 百作品選定の基準は、
(1)入門者の方でも楽しめる作品であること
(2)絶版となっていないこと、あるいは電子書籍で入手可能なこと
(3)「原則として」シリーズの巻数が十冊以内であること
(4)同じ作家の作品は最大3作まで
(5)何よりも読んで楽しい作品であること の5つであります

 百作品は以下のサブジャンルに分けていますが、これらはあくまでも目安であり、当然ながら複数のサブジャンルに該当する場合がほとんどです(また、「五十選」の際のサブジャンルから変更した作品もあります)。
 そのため、関連のあるサブジャンルについては、以下のリストからリンクしている個々の作品の紹介に追記いたします。

【古典】 10作品
1.『神州纐纈城』(国枝史郎)
2.『鳴門秘帖』(吉川英治)
3.『青蛙堂鬼談』(岡本綺堂)
4.『丹下左膳』(林不忘)
5.『砂絵呪縛』(土師清二)
6.『ごろつき船』(大佛次郎)
7.『美男狩』(野村胡堂)
8.『髑髏銭』(角田喜久雄)
9.『髑髏検校』(横溝正史)
10.『眠狂四郎無頼控』(柴田錬三郎)

【剣豪】 5作品
11.『柳生非情剣』(隆慶一郎)
12.『駿河城御前試合』(南條範夫)
13.『魔界転生』(山田風太郎)
14.『幽剣抄』(菊地秀行)
15.『織江緋之介見参 悲恋の太刀』(上田秀人)

【忍者】 10作品
16.『甲賀忍法帖』(山田風太郎)
17.『赤い影法師』(柴田錬三郎)
18.『風神の門』(司馬遼太郎)
19.『真田十勇士』(笹沢佐保)
20.『妻は、くノ一』シリーズ(風野真知雄)
21.『風魔』(宮本昌孝)
22.『忍びの森』(武内涼)
23.『塞の巫女 甲州忍び秘伝』(乾緑郎)
24.『悪忍 加藤段蔵無頼伝』(海道 龍一朗)
25.『嶽神』(長谷川卓)

【怪奇・妖怪】 10作品
26.『おそろし』(宮部みゆき)
27.『しゃばけ』(畠中恵)
28.『巷説百物語』(京極夏彦)
29.『一鬼夜行』(小松エメル)
30.『のっぺら』(霜島ケイ)
31.『素浪人半四郎百鬼夜行』シリーズ(芝村涼也)
32.『妖草師』シリーズ(武内涼)
33.『古道具屋皆塵堂』シリーズ(輪渡颯介)
34.『人魚ノ肉』(木下昌輝)
35.『柳うら屋奇々怪々譚』(篠原景)

【SF】 5作品
36.『寛永無明剣』(光瀬龍)
37.『産霊山秘録』(半村良)
38.『TERA小屋探偵団 未来S高校航時部レポート』(辻真先)
39.『大帝の剣』(夢枕獏)
40.『押川春浪回想譚』(横田順彌)

【ミステリ】 5作品
41.『千年の黙 異本源氏物語』(森谷明子)
42.『義元謀殺』(鈴木英治)
43.『柳生十兵衛秘剣考』(高井忍)
44.『ギヤマン壺の謎』『徳利長屋の怪』(はやみねかおる)
45.『股旅探偵 上州呪い村』(幡大介)

【古代-平安】 10作品
46.『諸葛孔明対卑弥呼』(町井登志夫)
47.『いまはむかし』(安澄加奈)
48.『玉藻の前』(岡本綺堂)
49.『夢源氏剣祭文』(小池一夫)
50.『陰陽師 生成り姫』(夢枕獏)
51.『安倍晴明あやかし鬼譚』(六道慧)
52.『かがやく月の宮』(宇月原晴明)
53.『ばけもの好む中将』シリーズ(瀬川貴次)
54.『風神秘抄』(荻原規子)
55.『花月秘拳行』(火坂雅志)

【鎌倉-室町】 5作品
56.『幻の神器 藤原定家謎合秘帖』(篠綾子)
57.『彷徨える帝』(安部龍太郎)
58.『南都あやかし帖 君よ知るや、ファールスの地』(仲町六絵)
59.『妖怪』(司馬遼太郎)
60.『ぬばたま一休』(朝松健)

【戦国】 10作品
61.『魔海風雲録』(都筑道夫)
62.『剣豪将軍義輝』(宮本昌孝)
63.『信長の棺』(加藤廣)
64.『黎明に叛くもの』(宇月原晴明)
65.『太閤暗殺』(岡田秀文)
66.『桃山ビート・トライブ』(天野純希)
67.『秀吉の暗号 太閤の復活祭』(中見利男)
68.『覇王の贄』(矢野隆)
69.『三人孫市』(谷津矢車)
70.『真田十勇士』シリーズ(松尾清貴)

【江戸】 10作品
71.『螢丸伝奇』(えとう乱星)
72.『吉原御免状』(隆慶一郎)
73.『かげろう絵図』(松本清張)
74.『竜門の衛 将軍家見聞役元八郎』(上田秀人)
75.『魔岩伝説』(荒山徹)
76.『退屈姫君伝』(米村圭伍)
77.『未来記の番人』(築山桂)
78.『燦』シリーズ(あさのあつこ)
79.『荒神』(宮部みゆき)
80.『鬼船の城塞』(鳴神響一)

【幕末-明治】 10作品
81.『でんでら国』(平谷美樹)
82.『ヤマユリワラシ 遠野供養絵異聞』(澤見彰)
83.『慶応水滸伝』(柳蒼二郎)
84.『完四郎広目手控』(高橋克彦)
85.『カムイの剣』(矢野徹)
86.『箱館売ります 土方歳三蝦夷血風録』(富樫倫太郎)
87.『旋風伝 レラ=シウ』(朝松健)
88.『警視庁草紙』(山田風太郎)
89.『西郷盗撮 剣豪写真師・志村悠之介』(風野真知雄)
90.『明治剣狼伝 西郷暗殺指令』(新美健)

【児童文学】 5作品
91.『天狗童子』(佐藤さとる)
92.『白狐魔記』シリーズ(斉藤洋)
93.『鬼の橋』(伊藤遊)
94.『忍剣花百姫伝』(越水利江子)
95.『送り人の娘』(廣嶋玲子)

【中国もの】 5作品
96.『僕僕先生』(仁木英之)
97.『双子幻綺行 洛陽城推理譚』(森福都)
98.『琅邪の鬼』(丸山天寿)
99.『もろこし銀侠伝』(秋梨惟喬)
100.『文学少年と書を喰う少女』(渡辺仙州)



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2020.02.23

霜月りつ『神様の用心棒 うさぎは闇を駆け抜ける』 甦った町を守る甦った男


 箱館戦争で倒れ、函館山の宇佐伎神社の境内で目覚めた青年・兎月。その前に現れた月読之命と名乗る少年は、彼が十年前に戦死し、神使として甦ったと告げる。かくて神社の用心棒となり、氏子の願いを叶えるため奔走する兎月だが、過去の記憶が甦るにつれ、ある疑念が浮かび上がって……

 毎月かなりの数が刊行されているライト文芸/キャラクターノベルですが、その中にも時代ものはいくつも含まれています。本作もその一つですが、登場するキャラクターといい設定といい、そして何よりもストーリーといい、なかなかに魅力的な作品であります。

 本作の主人公は「兎月」――実はこれは号であり、海藤一条之介という歴とした名前があるのですが、しかし彼の心に心に残っていた名前であります――と名乗る青年武士。
 面白いのは(といってよいかはわかりませんが)この兎月、十年前に行われた箱館戦争の最中に戦死していることで――死ぬ前に兎を助け、うっかり「生まれ変わったら兎になりたい」と思ってしまったために、それを聞き届けた月読之命の力によって、再びこの世に戻ってきたのです。

 この月読之命、言うまでもなくあの三貴子の一柱のツクヨミなのですが――しかしここ函館にいるのは本土から勧請されてきた分霊・ツクヨミ。そのためまだ力は弱く、子供の姿でしか行動できないため、兎月は彼を助けて神社を切り盛りすることになる――というのが本作の基本設定であります。
 何しろ生まれたての神様に、甦ったばかりで大部分の記憶を失っている男と危なっかしいことこの上ないのですが、そんな凸凹コンビが、氏子たちを、函館に住む人々を助けるために奔走することになります。

 そんな本作は全四話構成。やくざ者に嫌がらせを受ける菓子屋の未亡人を助けたり、質の悪い男に騙された女性の金を取り返したり、捨てられていた赤ん坊の親代わりを探して奔走したり――一つ一つの事件自体のスケールはご覧の通り大きくないように見えますが、しかしどれも見た目のままに終わらず、一ひねり加えられているのが楽しいところであります。

 そしてそこに関わってくるキャラクターたちも、最初は悪役だったけれども気の良いやくざの親分、ドルイドの血を引く異国の商会の頭取、ツクヨミとは神同士顔見知りの豊川稲荷と、こちらもなかなか楽しい面々です。
 特に豊川稲荷は、社の数が多いために分霊も数多く存在している――その姿がまた、稲荷ごとに(変化の度合いに応じて)異なっているのも、実にらしくて良い――という設定が面白く、後半のエピソードで思わぬ形で兎月たちを助けるのにも感心させられます。


 このように神様や妖の絡んだ人情ものとして楽しめる本作ですが――しかし最終話において、また異なる顔をみせることになります。

 月のない晩にばかり、函館の人々を無差別に襲う辻斬り。その辻斬りが兼定の刀を手にしていたことから、兎月の顔つきが変わることになります。実は兼定は彼にとっては因縁浅からぬ刀。少しずつ蘇ってきた彼の生前の記憶の中で、兼定は彼にとって忘れられないある男が手にしていた刀だったのですから。
 そんな兼定が悪事に使われているのを見過ごすわけにはいかないと、周囲の助けも借りつつ辻斬りを追いつめた兎月なのですが……

 というわけで、箱館戦争といえば、どうしても連想してしまうあの超有名人の存在がついにクローズアップされるこのエピソード。果たして兎月との関係は、あるいは兼定を振るっているのは本人なのでは、と大いに気になるばかりなのですが、終盤には、こちらの予想を超えるような展開が待ち受けています。
 詳しくは言えないのがもどかしいのですが、なるほどここでこう来るか――と、そのドラマチックな捻りに感心させられたのはもちろんのこと(あの人がズルいくらいに格好良いのも泣かせる)、ここで本作が函館を舞台とする必然性が見えてくるのが心憎いのです。

 その揺籃期から、戦争のみならず幾度もの大火によって傷ついてきた函館の町。しかしそれでも人々はその度に立ち上がっては町を再建し、その生を繋いできました。いわば時代を越えて甦ってきた町であり――そしてその姿は、やはり戦争で命を落とし、そして平和な時代に甦った兎月の姿に重なりあいます。
 そう考えれば、兎月が今この時に甦り、そして函館のいわば守護者となったことにも合点がいくというものではないでしょうか。


 あやかし人情もののスタイルを取りつつ、一つの町の姿を通じて、同様に一人の男の再生――単に死から甦っただけでなく、人間として新たな生に一歩踏み出す姿――を描く。そんな本作の構図に感心させられました。
 本作の時点で綺麗に完結しているのですが――続編があればもちろん読みたい物語であります。


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2020.02.22

三好昌子『狂花一輪 京に消えた絵師』 黒白の濃淡が描く色鮮やかな人と世界


 生まれつき色の認識ができない青年武士・木島龍吾は、ある日先代藩主から、赤子の自分を置いて出奔した父が自分同様の目を持っていたこと、京で絵師となっていたことを聞かされる。贋作事件を起こして行方不明となったという父を探すように命じられた龍吾は、京に向かい、父の弟子たちと会うが……

 デビュー以来、京を舞台としたミステリアスな物語、特に絵画にまつわる物語を多く描いてきた作者が描く本作は、やはり京と絵師(特に後者)を中心に据えた作品です。
 作者の作品においてはもう一つ、人の情の絡み合う様が色濃く描かれているのですが、本作は父と子の情が中心に、人と人と間に生まれる様々な情が描かれる点が特徴と言えるでしょう。

 そんな本作の主人公・龍吾は、福知山藩で右筆を務める青年武士であります。周囲からは寡黙で付き合い難い人間と思われている彼も、想い合って結ばれた妻と仲睦まじく暮らしていたのですが――しかしその妻はいまや気鬱となり、離縁も目前の状況。そしてそんな彼の性格も妻のことも、彼が抱えた秘密に因るものだったのです。
 実は生まれつき色が識別できない――濃淡のみがある白黒の世界で暮らしてきた龍吾。自分を生んだ時に母が身罷り、父・兵庫も姿を消したため叔父夫婦に育てられてきた彼は、その目のことを隠して生きるように教えられてきたのであります。

 そんなある日、先代藩主に呼び出された龍吾は、その目のことを先代が知っていることを知ることになります。そして何よりも父が藩を出奔した後のことも。
 藩を出た後、絵師「浮島狂花」として一時は京で評判になったという兵庫。しかし贋作事件を引き起こし、京を追放された彼の名は人々から忘れられ、その消息も不明だと言うのです。

 絵を通じて兵庫と強く結びついていた先代は、自分の隠居所の襖に極楽浄土の絵を描くと約束していた彼を探し出すように、龍吾に命じるのでした。
 かくて京に向かうことになった龍吾ですが、父は自分にとっては顔も知らない――そればかり赤子の頃に捨てられたも同然の存在。屈託を抱えながら父の跡を辿る彼は、浮島狂花に五人の弟子と、一人の養女がいたことを知ることになります。彼らを訪ねる龍吾ですが、当然ながら皆その口は重く……


 ファンタジー的な要素の多い作者の作品には珍しく、ある要素を除いては、地に足のついた物語が淡々と描かれる本作。しかしそれはもちろん、本作が地味とか退屈ということを意味するものでは全くありません。

 京で龍吾が出会う人々――父の元弟子たちと養女をはじめとする人々は、龍吾同様、それぞれに屈託を抱えた人々であり、そしてそれでもなお、それを胸に抱えて己の人生を生きる人々であります。

 自らの秘密がきっかけで妻との絆を失いかけていた龍吾にとって、彼らとの出会いが、交流がもたらすもの――それはもちろん、姿を消した父の人となりであり、生き様であることは間違いありません。
 龍吾にとっては、そしてもちろん読者にとっても謎の存在である「浮島狂花」。その姿がやがてはっきりと浮かび上がっていく様は、静かではありながら、非常にエキサイティングに感じられます。

 贋作事件の真実も含め、この辺りの展開は一種ミステリめいた面白さがあり、それだこれけでも十分に魅力的なのですが、しかし本作はそれだけに留まりません。
 龍吾の、そして弟子たちの前から突然、何も告げずに姿を消した浮島狂花が、木島兵庫が真に何を考えていたのかが明らかになる時――そこに現れるのは、彼の人となりであると同時に、彼が周囲の人々に向けた眼差しであります。そしてそれが龍吾の、残された人々を変えていくのが、実に胸に迫るのであります。

 さらにそんな兵庫の眼差しが、彼らだけに向けられていただけではないことが分かるとき――そしてそこで龍吾と父の見てきたものが思わぬ形で重なることが明らかになるとき、物語は一気に豊かな色彩を帯びて我々に迫ることになります。
 人間とは、世界とは何なのか――いささか大げさに聞こえるかもしれませんが、それまでも包み込み、描いてみせる本作の深みと広がりには脱帽するほかありません。


 黒白の濃淡だけで表される水墨画が、決して極彩色の絵に劣ることなく、克明に世界を描くように、静かな中に深く、そして暖かさを感じさせる物語を描いてみせた本作。
 人の情と絵画を以て豊かな世界を作り上げる――作者でなければ描けない佳品であります。


『狂花一輪 京に消えた絵師』(三好昌子 宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ) Amazon
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2020.02.21

川原正敏『龍帥の翼 史記・留侯世家異伝』第14巻 龍の両翼の戦い始まる


 項羽と劉邦の争い――楚漢戦争も開戦前夜となった『龍帥の翼 史記・留侯世家異伝』。遂に仕えるべき相手を見つけた韓信と、仕えるべき相手を失った張良――龍の両翼が、いよいよその力を見せることになります。

 鴻門の会の窮地を辛うじて逃れ、漢中に引きこもることで項羽の疑いの目を避けることとなった劉邦。その彼に韓信という特大の贈り物を残して去っていった張良ですが――彼をを危険視する范增の策が元で、主君たる韓王成が、項羽の手によって命を落とすという悲劇に見舞われることになります。

 かくて今初めて項羽の敵に回ることとなった張良ですが(と、ここで楚の将・龍且が窮奇に互するほどの戦闘力を持つ強敵として登場するのが楽しい)その一方、漢中では張良が大将軍に任じられることになります。
 といっても、いくら本作では蕭何だけでなく、張良の取りなしがあったとはいえ、やはり今まで一兵卒だった人間をいきなり大将軍に任じてしまうというのは、いかに器の大きい劉邦といっても、さすがに無茶に感じるのですが……

 しかし本作では、その一兵卒だったという!点を踏まえ、張良を兵の心がわかる将――いや、兵の心として彼らを手足の如く操ってみせる将として描くのが、実に見事なアレンジといえるでしょう。今まで全く活躍がなく、さすがに過大評価では――と思っていたのが、終わってみれば、こちらも劉邦軍の他の将のような眼差しになってしまう、そんな見事な初陣の描写に脱帽であります。

 そしてここに范增の心理の裏の裏をかいた奇策を見せる張良が加われば、向かうところ敵なし。かつて項羽相手に善戦した章邯も手玉に取られた末、全く良いところなしに敗れるのは、もはや気の毒としか言いようがありません。
 これまで何となく冴えない風貌だった韓信が、いきなり格好良く見えてしまう(いやまあそのように描いているのですが)のも、我ながら調子の良い話ですが、しかしこの活躍を見れば無理もないことでしょう。張良と並び、まさに龍の両翼というべき英雄の誕生であります。


 さて、史実ではこの辺りは韓信がその国士無双ぶりを発揮した、まさに韓信無双というべき活躍を見せていたわけですが――しかしその隙間を巧みに埋めてみせるのが、本作の本作たる所以であります。そして隙間を埋めるのが誰か、というのは言うまでもないことでしょう。
 韓信を戦闘に劉邦が快進撃を続ける一方で、一端本隊を離れる張良たち。姫信らわずか千名を率いて彼が向かう先は、韓――そう、韓王成から奪い取られ、彼亡き後には項羽配下の将が治めるこの地を再び奪還すべく、張良は動いたのであります。

 如何に奇策をよくする彼であっても、寡兵でもって一国を、それも短期間に奪取するのは難しいのでは――とは、本作の読者であれば決して思わないでしょう。何故ならこの戦いは、韓王成への手向けの戦なのですから。
 冒頭に触れたとおり、張良を羽ばたかせるために、その身を擲った韓王成。その姿は、幾多の勇将豪傑が登場する本作の中でも屈指の散り際であったというほかありませんが――ちなみにこの巻の冒頭、張良の前で号泣する劉邦の姿に思わずもらい涙――それを受けた張良が、生半可な覚悟で動くはずはないのであります。

 そしてその通りに見事な勝利を収める張良ですが――泣かせるのはその勝利をもたらしたのが張良の力だけではないことが示されることでしょう。もちろんそれをまとめた張良の手腕であったとしても、その根底にあるのは故地への想い――どんな平凡な人間の中にもあるその思いであったことが、胸を熱くさせるのです。
 そしてそれをかき立てるきっかけとなったのが、成の存在であったことも。


 この巻のあとがきでも語られているように、ここで韓を再奪還したのが張良なのか姫信(後の韓王信)なのか、史実では若干わかりにくいのですが――その隙間を巧みに埋める、いやその隙間を巧みに活かして胸を熱くさせるドラマを描いてみせる様は、これまで同様、本作の魅力と言うべきでしょう。
 我々が歴史(史実)だけでなく歴史ドラマを愛する理由がここにある――というのは少々大げさに聞こえるかもしれませんが、偽らざる心境であります。

 そしてその両翼と愚の龍が、この先何を見せてくれるのか――史実を知っていても、いやそれだからこそ楽しめる歴史ドラマです。


『龍帥の翼 史記・留侯世家異伝』第14巻(川原正敏 講談社月刊少年マガジンコミックス) Amazon
龍帥の翼 史記・留侯世家異伝(14) (講談社コミックス月刊マガジン)


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2020.02.20

久保田香里『きつねの橋』 少年武士が渡った向こう側


 元服して都で源頼光の郎党となった平貞通。橋で女性に化けて人をからかう狐・葉月を、一度は捕らえたものの放してやった貞通は、葉月とお互いに何事かあった時は助けると約束することになる。やがて都を荒らし回る盗賊・袴垂に、仲間たちとともに挑むことになった貞通だが……

 これまで古代・奈良・平安といった時代を舞台とした児童文学を発表してきた作者の作品は、いずれも個性的で内容豊かなものが並びますが、少年武士と、白狐の不思議な交流理由を描く本作も例外ではありません。

 本作の主人公・貞通は、その名と源頼光の郎党という設定、相模国碓氷出身という出自を見れば、頼光四天王として知られる碓井貞光の前身なのでしょう。
 とはいえ、他の四天王に比べると、比較的逸話の少ない貞通。しかしそれだけに歴史の空白が多い人物であり――こうした人物を主人公に据える時点で、本作の着眼点の巧みさがうかがえます(ちなみに貞通と親友になる季武は卜部季武、そしてもう一人の親友・公友は坂田金時(のモデルの父)でしょうか)。

 さて、そんな貞道ですが、本作での姿は、元服してすぐに都に出て、源頼光の郎党となったという設定。父や兄たちに立派な姿を見せるためにも、何かと血気に逸りがちな、そしてちょっとお堅い性格の少年です。
 そんな彼が出会ったのが、狐の葉月ですが――女性に化けて道行く人を化かすといういかにも化け狐らしい行動の一方で、母と離れて暮らす幼い斎宮を妹のように慈しみ、女官として仕えるというユニークな存在であります。

 そんな生まれも育ちも種族も全く異なりつつも、忠誠心と義理堅さ、そして細やかな情という点では似た者同士の二人が、お互いの欠けた部分――貞通は腕っ節はともかく経験と思慮が足りず、葉月は神通力は持つもののやはり何かと不自由な狐の身――を補いあう姿が、何とも愉快に感じられます。
(愉快といえば、相手が留守の所に勝手に上がり込んで勝手に煮炊きする貞通と季武と公友の三人の姿が、いかにもこれくらいの年齢の若い衆らしくて良いのです)

 そしてそんな二人と仲間たちが、幼い日の藤原道長とともに妖が出るというえんの松原を探検したり、大盗賊・袴垂と丁々発止の対決を繰り広げたりと、様々な冒険が展開されるのも楽しい。作者らしい史実の使い方、ディテールの巧みさもあって、胸躍る活劇として大いにワクワクさせていただきました。


 しかし本作において真に印象に残るのは、終盤で貞通が見せる姿、彼の選択ではないでしょうか。

 物語の終盤、葵祭で賑わう京で、大胆にも斎宮を狙う袴垂を捕らえるべく、腕を撫す頼光の郎党たち。その一方で斎宮は、祭りどころではない切実な事情を抱えることとなります。(さらに葉月自身の身にも危機が……)
 物語を通じて何度も煮え湯を飲まされてきた袴垂は、貞通にとっては憎き宿敵。そして斎宮はすでに述べたように、葉月にとっては主以上の存在であります。お互いを助け合うと約束した二人ではあるものの、ここで二人の望みがすれ違う形になるのですが……

 先に述べたとおり、貞通は相模国から都に上ってきた少年。一族の期待を背負い、武士として立身出世するために、都にやってきたのであり――そもそも彼が葉月と出会うきっかけになったのも、武士としての意気地のためでもありました。
 そんな彼が、武士として振る舞うことを何よりも重んじていた彼が終盤に見せた行動は、彼が武士としてだけではなく人間として生きる道を見いだした――新たな世界へと橋を渡ってみせたということでしょう。

 人間ならざる身ながら、誰よりも人間らしい白い狐と触れ合うことによって。


 もちろんそれは、あくまでも貞通がまだまだ少年であるからこその選択なのでしょう(さらに言ってしまえば、彼がもっと年齢を重ねていれば、葉月との関係性にもまた別の色彩が混じったかもしれません)。
 しかし――少年だからこそ選べる道があります。少年だからこそたどり着ける真実があります。

 本作は個性的なキャラクターと、この時代ならではのユニークな物語を描きつつ、その陰でそんな少年の姿を、成長を描いていると――そう感じます。
 少なくとも本作ラスト――もの悲しさから一転、何とも爽快な行動を見せてくれる貞通の姿が、そんな本作の掉尾を飾るに相応しいものであるのは、これは間違いないことなのですから……


『きつねの橋』(久保田香里 偕成社) Amazon
きつねの橋


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2020.02.19

サックス・ローマー『怪人フー・マンチュー』 その時代が生み出した「敵」の姿


 ビルマから帰国した親友・スミスに促され、突然の冒険に巻き込まれた開業医ピートリー。邪悪な企みを巡らす怪人フー・マンチューの野望を阻むべく奔走する二人だが、敵の奸智の前に次々と苦境に陥る。二人の行く先々に現れる謎の美少女・カラマニは敵か味方か!? そして怪人との対決の行方は……

 1913年に刊行され一世を風靡した(そして現在少なくとも我が国ではほぼ忘れ去られた感もある)冒険サスペンス――欧米で黄禍論が唱えられた時代に、そのある意味具現化とも言うべき怪人を描いた物語であります。

 本作のタイトルロールであるフー・マンチューは、中国からある政治的目的――主人公であるネイランド・スミス曰く白人文明の壊滅――を持ってイギリスに潜入してきた人物。
 長身痩躯でいかり肩、猫を思わせる緑色の瞳と切れ長の目が印象的な(後世にフー・マンチュー髭と呼ばれるどじょう髭は原作には登場しないのが面白い)姿を持ち、その頭脳はまさしく悪魔的――古今の科学知識に通じ、無数の配下と莫大な財力を持つ怪人であります。

 本作はそんなフー・マンチューの野望を阻むため、ビルマ帰りの英国政府高等弁務官(まあ諜報機関員と考えてよいのでしょう)スミスと、その親友で語り手のピートリーが、中国の真意を知る人々――政治家や宗教家、中国通の学者等々――を抹殺せんとする怪人と攻防戦を繰り広げるというスタイルで展開していくこととなります。
 しかしこれが冒頭から終盤まで
スミスがフー・マンチューの狙いを察知するorカラマニに教えられる→ギリギリで犯行を阻むor失敗する→自分たちも危機に陥る→カラマニの助けで難を逃れる
の繰り返しなのには驚かされますが、それでもフー・マンチューの繰り出す様々な暗殺手段の面白さやスピーディーな展開で、それなりに読ませる作品ではあります。

 ちなみにカラマニとは、スミスとピートリー(特に後者)の行く先々に現れる謎の美少女。はっきり言ってしまえばフー・マンチューの配下(本人曰く奴隷)なのですが、何故か冒頭からピートリーにベタ惚れで、ことあるごとに助けてくれる――というより彼女がいなかったら二人は何回死んでいるかわからない状態であります。
 そして彼女もまた東洋人(の血を引いているキャラ)であるのですが、髪はブロンドで肌は白というのが、まあ何というか……


 何はともあれ、色々な意味で通俗的なエンターテインメントである本作ですが、それが一世を風靡したのは、フー・マンチューの存在によるものであることは間違いありません。
 直接的な暴力を用いず、奇怪な科学技術(特に生物・化学兵器に類するものを使うのが彼の特徴であります)を用いて「スマート」に悪事を行う神出鬼没の怪人――という造形の面白さはもちろんですが、しかしやはり彼が東洋、それも中国からやって来たというその点が、そのキャラクター性を決定づけているのですから。

 冒頭に軽く触れましたが、本作の発表当時は、黄禍論が欧米で叫ばれた――言い換えれば、それが社会に受け容れられる土壌があった時代。そんな中で現れたフー・マンチューは、空想上の存在ではない、現実に存在する(と一部の人々が信じてしまうような)「新たな敵」の姿を提示してみせた、いや提示してしまった点にこそあるのでしょう。

 もちろんそこには作者の達者な筆(数少ない邦訳作品である『骨董屋探偵の事件簿』『魔女王の血脈』は、いずれもオリエンタリズムを巧みに取り込みつつ、素直に楽しめる作品でありました)があるのですが、やはり本作の10年ほど前に起きた義和団事件が大きいと言えます。
 中国の、それも一種の民間信仰が欧米諸国に対して牙を剥いたこの事件が、当時与えた衝撃は想像に難くありませんが――それが本作の遠景になっていることは間違いないのですから(その証拠にと言うべきか、作中でフー・マンチューに狙われる人物の一人として、北京籠城の生き残りも登場します)。その意味からすれば、その時代ならではの視点を踏まえた、その視点に縛られた本作も、一種の「時代もの」であった――そう感じます。

 その設定のみならず、今読んでみれば眉をひそめざるを得ないような差別的な表現(これも今の目で見れば、ちょっと気をつければ容易に避けられるようなものなのですが)もも多く、好事家以外には敢えて薦め難い作品ではありますが……


 ちなみにフー・マンチュー、現在では本人が表に出てくることはありませんが、今でもアメコミで活躍している大物東洋人ヴィランの多くに影響を与えていることは間違いところで、やはりその存在の大きさが窺われるところです――というのは蛇足であります。


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2020.02.18

『無限の住人-IMMORTAL-』 十九幕「鏖 みなごろし」

 常陸に向かい江戸を離れた逸刀流一門。天津からそれを聞かされた凜は彼らを追って万次とともに江戸を離れ、さらに六鬼団、偽一と百琳も続く。しかしその隙に天津と凶たちはわずか四人で江戸城大手門に現れ、正面から城内に突入、警備の侍たちを斬って斬って斬りまくる。果たしてその目的とは……

 最終章も2話目に入り、いよいよ本来の物語が動き始めたというべきか――前半に各勢力の道中双六のスタートが、そして後半に天津たちの江戸城突入が描かれ、一気に盛り上がる今回
 冒頭、町で偶然天津と出会った凜が、あの風体でその辺を歩き回ってる六鬼団(鬼面の雑兵はもちろんのこと、中国感溢れる弩馬心兵のビジュアルも相当のもの)から彼を匿う――という、物語的にも作画的にも相当雑な展開から始まるのには不安になりましたが、しかし各勢力がそれぞれの思惑を秘めて動き出す姿には、やはり胸躍るものがあります。

 まず、以前一緒に加賀に行ってから「逸刀流のことが一番わかっているのは私」と言わんばかりのノリの凜は、天津から逸刀流のこの先を見届けてほしいと言われてすっかりその気になり、万次とともに出発するわけですが――今のところ戦う相手もおらず、万次はダラケまくり。
 一方その逸刀流はといえば、阿葉山と果心居士の老人コンビが、それと正反対の逸刀流新規参入組の若いのたちを引率して一足先に常陸へ。見るからにすぐ死にそうなイキった発言の若侍たちに憤りを隠せない阿葉山ですが、しかしそれも逸刀流のため、それを受け継ぐ若い芽のため――という隠しきれないツンデレぶりに、若い衆も感涙であります。

 そして六鬼団の方は、本隊ではなくまずは忍びの目黒とたんぽぽが、潜入先の宗理先生に泣く泣く別れを告げて先行――と、ここでの目黒の思いこみの強さといい、隠密では先輩である宗理に完璧に正体バレていたことといい、最終章では数少ないコミカルな展開が楽しい。(初代万次とは思えぬ)宗理役の関智一の力を抜いた演技も愉快であります。
 さらにあんなの(吐鉤群)でも恩人と考える義理堅い偽一は、ただ一人助っ人として後を追おうとして、百琳には生活費を置いて残していこうとするという相変わらずの思いこみの強さを発揮。当然百琳にはハゲ呼ばわりで怒られ、彼女も同行することになります。

 そんなわけで揃い踏みの各勢力ですが、今回はそれぞれの旅立ちがメインで、目黒とたんぽぽが英の配下の女忍衆「懸巣」に襲われて傷を負ったところを、これまた偶然通りかかった凜と万次が助けるという展開はあるものの、本格的なバトルはなし。むしろここでは、前非を悔いて旅立った歩蘭人が二話ぶりに(早いな!)登場してたんぽぽの治療に当たるのが、最終章らしいオールスター感を感じさせます。
 しかし歩蘭人、万次の不死には意思が感じられる! と説得力があるようなないようなことを言っていますが、人間がカワウソに見えるような奴の言うことだからなあ……


 しかし後半ではうって変わって剣戟の連続――逸刀流は全て江戸から離れたと見せかけて、こともあろうに江戸城に突入した天津・凶・馬絽祐実・怖畔がたった四人で大暴れ。太平の世に腑抜けた侍たちをバッサバッサと斬りまくり、まさしく屍山血河というしかない状態を作り出すことになります。
 冷静に考えると人斬りシーンが少なかった天津も楽しそうにその鈍器みたいな刀で相手をぶっ倒し、凶と馬絽も特異な得物で大暴れ。弓矢には怖畔が射手のところに飛び込んできた目にも留まらぬ早業(ずるい)で叩き斬って――大番組頭と小姓組頭も出オチ状態で一刀両断(にしても大番組頭の雲霧仁左衛門、やっぱりそのままの名前で出てくるのだなあ……)、新番組頭の英を捕らえて、衆目の前で辱めを与えるのですが……

 しかしこの大暴れの理由というのが、幕府のための牙となるつもりが、裏切られたので幕府にとっての毒になります。一度毒に犯されたら次はきっと強くなるよ――という勝手かつはた迷惑な理屈だったのは、それはそれで天津らしいと言うべきでしょうか。もちろん先に手を出してきたのは幕府の方ですが、何はともあれここまでやってのければ、それはそれで痛快と言うべきかもしれません。

 とはいえ、英を人質にして城外まで逃れたものの、幕府がこれをただで済ませるはずはありませんが――いよいよ次回から各勢力の激突が開始されるのでしょう。素直に楽しみであります。


 しかし怖畔のアクション、これで終わりか――ロイハーロイハーは見れなかった。


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