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2004.01.12

諸葛孔明対卑弥呼

 赤壁の戦いにおける大敗という屈辱を味あわせた張本人が諸葛孔明であることを知った魏の曹操は、孔明に匹敵する奇門遁甲の遣い手を捜していた。それに対し、司馬懿が挙げた名こそ、東の果ての蛮族の国・邪馬台国の女王卑弥呼。中国人、韓国人、土着民にその混血――混沌とした倭国において勢力を増しつつある邪馬台国を率いる卑弥呼の素顔とは。そして卑弥呼と孔明が対決する日は、その決着は?

 本日読了。以前にどこかのサイトで紹介されているのを拝見して、以来、そのあまりのネタ臭い内容にクラクラしつつも楽しみにしていた作品をようやく発見(というか、結構あちこちで売っていました)。

 しかし、実際に読んでみれば、確かにネタ臭い部分もあるものの、一歩間違えればキワモノ的題材を、じっくりと、しっかりと書き上げて可能な限り嘘っぽさを無くした作品で非常に好感が持てました。
 何故、孔明と卑弥呼が戦わなければならないのか、どこでどうやって対決させるのか、そして決着をどうつけるのか…
 一部の架空戦記のように、史実も何も無視でやってしまえば簡単なのかもしれませんが、そこで手を抜かずに一つ一つのエピソードを積み上げていく形で説得力を持たせるやり方には素直に感心します。

 何よりもこの作品で一番魅力的なのは、作中で描かれる倭国の姿。
 大陸・半島から食い詰めて流れてきた中国人、韓国人がそれぞれ原始的都市国家とでも言うべき国を作り、そこに土着の縄文人も存在し、混血していくことにより生まれる、文化も、言語も混沌とした世界。それでいて中国や韓国の血脈をあくまでも貴ぼうとする王族と変わっていく社会の矛盾。

 そしてその申し子とも言うべき中国人王族と倭人の混血・難升米の目から語られるそうした社会の姿と、その中で異彩を放つ二人の超人・卑弥呼と孔明の姿。この時代を舞台とした作品はほとんど読んだことはないのですが、こうした視点から描いた作品はほとんどないのではないでしょうか。

 …と、あくまでも真面目なようでいて、クライマックスで孔明がエレキギター弾きながら登場したりするんで(しかもそれに理論的な説明が付いてくる)、最後まで全く油断できない作品でありました。


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