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2004.02.25

曼陀羅華

 末法の世が到来した永承七年。右大臣藤原冬忠の妻・蒼井の上が懐妊したことにより、冬忠の住まう東三条殿の空気が、次第に狂ったものと化していく。蒼井の上のもとで執り行われる奇怪な儀式、妻と子を憎むが如き冬忠の言動…冬忠の娘・桂姫の強い胸騒ぎが現実化していくかのようにその後も奇怪な事件は続き、ついには怪奇な植物の出現により、屋敷に死と汚穢が撒き散らされていく。頼る者を失った桂姫は、魔を打ち祓う力を持つ天文博士・土御門典明の門を叩くが――。

 「夢魔の森」「闇の大納言」に続く土御門年代記の第三弾…というより番外編。桂姫を主人公に、奇怪にしておぞましく、かつ美しくも哀しい怪事の数々が語られていきます。形而上的な側面にまで踏み込んで綴られた前二作(特に「夢魔の森」)に比べると、今作ではそういった側面がかなり少なく、正直なところそこが少々物足りなくも思うのですが、桂姫がまだ十二歳であることを思えばそれもまた自然であり、また作中の哀しく残酷な人と人の世のありようは、無垢な少女の目を通して描かれるだけに一層響くものがあるとも言えましょう。
 いずれにせよ、今作では思索的な側面が薄まった分、エンタテイメント性は非常に強く、物語が半分過ぎたところでようやく登場し、怪事に立ち向かう典明の姿は、まさしく怪奇探偵(ゴーストハンター)で、その手の作品も大好きな私にとっては楽しめました。そして何よりも、登場する植物の怪の「活躍」たるや――! 頭の悪い感想を言えば、植物怪獣ファン(特にスフランとかグリーンモンスとか、非人間型のが好きな人。…俺だけ?)にはたまらない作品と言えるかもしれません。

 ちなみにこの作品、第1回ホラー小説大賞の候補作だったんですなあ…


「曼陀羅華」(小沢章友 講談社)

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2004.02.23

「源平天照絵巻 痣丸」第1巻

 時は1191年、頼朝打倒を図る巴は、ある元平家の武将を訪ねる。自ら顔を焼いた痣を隠すため仮面をつけたその男――悪兵衛は、巴の願いをにべもなく断るが、巴が異形の怪人に襲われた時、痣丸なる剣と共に立ち上がる。名を捨て、顔を捨てた仮面の復讐鬼、悪兵衛またの名を平景清。彼が立ち向かうは、黄泉返った源氏の魔人団・八十面党。呪いと怨みを込めた痣丸と共に、悪兵衛の戦いが始まる。

 本日購入。連載時から、比較的珍しい鎌倉初期を扱った伝奇ものということで気になっていたのですが、単行本になってからまとめて読もうと思い、今日まで我慢してきたのですが――いや、面白い! 内容的には、草薙剣を手にした平景清が魔人と化した源氏一門に立ち向かうという「あれ、どこかで聞いたことあるぞ?」的ストーリーなのですが(とりあえず作者はバイク事故には気を付けて欲しい)、とにかく主人公の悪兵衛=景清のキャラクターが秀逸。
 姿を隠すために自らの顔を焼き、その痣が残る醜い素顔を愛刀・痣丸にのみ晒す、一種屈折した復讐鬼という人物造形は、その仮面の下の秘密もあいまって、実に印象的で格好良い。景清が復讐鬼というのは、よくある定番の設定ではありますが、そこに狂気すら感じさせるクールな個性を与えたのはなかなかに見事と思います。
 敵となる源氏方も、普段は巨大な烏の羽根を持つ美青年・義経が、まだ出番はさほど多くないものの面白い個性を見せており、また、ラストには源氏のもう一人の猛将というべきあの人物までが登場、この先の展開がいよいよ楽しみです。
 ただ一つ、巴のキャラが非常に現代っ子しすぎていて、その描き方ともども違和感を覚えたのですが、これはどうも作者の計算の上のことのようですね。

 作者と言えば、作者のサイトのここを見てひっくり返りました。別の連載が始まるのかと思いましたよ…


「源平天照絵巻 痣丸」第1巻(玉置一平 MFコミックス)


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太平記とか日本書紀、あと今昔

 この数日、「太平記」やら「日本書紀」を読み返しています。何だかこの辺の本が並ぶと、戦前の人間みたいですが、大年表更新のため、何かネタになりそうな怪奇な事件はないかな、ということで、むしろ戦前の方や皇室萌えの方からはブン殴られそうな気がします。それに加えて「今昔物語集」も見ているので、なんかもう、頭ン中は相当ワヤな状況に。このワヤっぷりをかえって楽しんでる自分も色々問題あると思いますが。

 にしても、前にも書いたかもしれませんが、「太平記」の大森彦七のエピソードは私的燃え所をつきまくり。何ですか、天下をくつがえす三本の魔剣って。楠木正成・後醍醐帝をはじめとする七人の魔人って。最高です。
 このネタを使った伝奇時代劇がない(少なくとも私の乏しい知識の上では)のが不思議でなりません。

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2004.02.22

再び「サムライガン月光」

 先日書いた「サムライガン月光」の感想についての自己レス。

 連載時の最終回を読んだ時も思ったのですが、やはりクリス・Dを救えなかった月光が、今度は絹を救うことが出来た。そして絹は自分の身をすり減らしつつも、何年かかっても月光に再び会おうとしている。それが「月光は一体何のために生まれてきたのか」の一つの答えなのでしょう。
 キツい言い方をすれば「利用」されるためだけに生まれてきた月光が、初めて(最後に、とは言いたくない)自分を利用するためでなく、愛するために求めてくれた人を得ることができた。それは月光にとって(本人がそれを認識できるかはわかりませんが…)救いであり、幸せと呼んでもいいのかもしれません。そして絹にとっても、月光を追い求めることは、これから先の人生を生き抜いていく最大にして最高の原動力・生きる目的なのでしょう。ラストシーンで絹の傍らに立つ市松の生きる目的も、ある人物を追い求めることではありますが、同じように見えてそれと何と大きな違いがあることか。
 ヴォルゴの中に消えていくのも、一つの幸せ、安らぎの極致なのかもしれない。しかし、それに(結果的にかもしれませんが)背を向けて、汚濁の中を這いずりながら、けれども小さな小さな希望に瞳を輝かせて生きていく。それは素晴らしいことだと思うし、程度の差こそあれ、似たような生き方をしている世の人から見れば、大いに共感できるものです。
 もしかしたら絹は、無印・月光合わせたサムライガンの登場人物の中で、最も幸せなキャラクターなのかもしれません。


 牽強付会というか良かった探しというか、な感もありますが、読み返してみると、決して悲惨な、暗いだけの終わり方じゃなかったんじゃないかな、と思うのですよ、私ゃ。人生そうそう悪いことばかりじゃないですよ?

 少なくともイデオンのラストより遙かに納得できるな、と余計なことを書いてみる。


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2004.02.21

無双廃人

 春も近いことを予感させる爽やかに晴れた一日。そんな素敵な一日を棒に振って、ずっと「戦国無双」してました。…いや、こんな中毒性の強いゲームを作ったスタッフを恨む。逆恨みですが。
 そんな怨念のこもったプレイをした結果、上杉謙信の章と前田慶次の章をクリア(ただし慶次の章は真のエンディングを見れず)。謙信の章の岐阜城では信長と慶次のW攻撃に屍の山を築きましたが、もう一度城外からやり直してみたら慶次が仲間になってくれたので、楽勝でクリアできました。北条を、織田を滅ぼし武田を壊滅状態まで追いつめながら、信玄と二人きりで酒を酌み交わし、「天下には興味がない」と後を強敵(とも)信玄に託して去っていく謙信サマが素敵…っていうかやっぱり狂ってる。
 このゲーム、武将に付ける技能やアイテムでかなり能力をカスタマイズできるのですが、私は何故か移動力を強化するのが好きです。馬より早く走る戦国武将…ちと怖いですが。

 そんな廃人生活を送りながらも、サイト更新準備は続けています。大年表更新のためのネタもだいぶ集まってきて、あと少しで平安時代を追加したいと思います。
しかし許せないのが「妖怪世界遺産」の年表。素直にHTMLで作りゃいいものを、flashで作った挙げ句、何故か年代と出来事を別々のファイルで制御してるもんだからずれるずれる。色々参考にしようと思っていたんですが、どの年代にどの出来事が対応しているのか一から調べ直すという本末転倒になってしまいました。やっぱHTMLにテキストベタうちが一番だって。高等技術使えないから言うんですが。

 あと、「抜忍伝説」の攻略は早く書かないと…と思っているところであります。少なくとも攻略フローとマップぐらいは早く載せたい。

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闇の大納言

 「夢魔の森」の事件から5年後。都では、美女たちが惨殺され、その体の一部が切り取られるという事件が相次いでいた。土御門家を継いだ若き陰陽師・狼明は探索に乗り出すが、その前に現れたのは、美しい容姿と裏腹の呪われた生を持つ魔人・闇の大納言だった。大納言の最後の標的となった倫子姫を護る狼明は、姫と運命的な恋に落ちるが、大納言の妖術は執拗に二人を狙う。大納言の目的とは、そして狼明の封じられた過去とは。

 先日紹介した「夢魔の森」の続編。前作の主人公・土御門典明は脇に下がって、今作では若く野性的な青年・狼明が主人公。主人公が若返って行動的(というか無鉄砲)になったせいか、敵が最初から明確となっているせいか、物語的な深みは、正直前作に一歩譲る感がありますが、一人の女性を間に挟んで、対照的な「生」を送る狼明と闇の大納言の姿が非常に印象的でした。また、怪奇性も実に濃厚で、物語冒頭、典明と狼明のもとに怪事が語られるシーンでは、末法の世が到来した平安京の闇の底で引き起こされる怪事を、おぞましくも妖しく描いていて、非常に印象的でした。そして何よりも闇の大納言のキャラクターは、あの怪奇小説史上有名な怪物のオマージュということは明白ではあるのですが、それでもなお非常に哀しく魅力的な、この作品ならではの存在として出色だと思います。

 前作が「夢」や「記憶」といった視点から、人とは何か、人の生とは何かを描いたものだとすれば、今作は「肉体」の側から同じテーマを追ったものと言えるでしょうか。生き続ける死と、死の中から生まれる生。哀しくもどこか暖かい、不思議な味わいの小説でした。


「闇の大納言」(小沢章友 集英社文庫) Amazon bk1


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2004.02.20

極私的つぶやき

自分が好きなように、好き勝手をやってるサイトではありますが、それでも(それだけに?)自分の力不足を痛感したり、本当にこんなので大丈夫なのかな、と生意気に思うことも多々あったり。

それでも誰かは見てくれるのだし、こんなサイトでも少しはお役に立っているのであれば、こんなに嬉しいことはない。これでまた頑張れる。というより頑張らねばならぬ――そんなことを思った朝であることです。

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2004.02.19

栞と紙魚子 何かが街にやって来る

 ちょっとお休みしていた(今もお休みなのかな?)「栞と紙魚子」シリーズの久方ぶりの単行本。ホラーファンならば一度は住んでみたいと思っているに違いない(私だけ?)胃の頭町ですが、今回は町に住む昔ながらのもののけ連中が登場。可笑しくも何だか懐かしい風貌の彼らが見所の一つで、巻頭に収められた胃の頭七不思議巡りのエピソードは、なんともすっ惚けた味わいで、ホラーファンというよりむしろ怪談ファン向きかな。また、どんな恐ろしい事件が起きてもコミカルなムードが漂うこのシリーズには珍しい味わいのマジカルでガチンコなホラー「魔術」もオススメ。

 ちょっと今回は栞と紙魚子は狂言回しに回っている観があるように思いますし、これまでのレギュラーキャラの出番がちょっと少ないのですが(個性的な連中が次々と出てきますからね)、やっぱり胃の頭町は胃の頭町。稗田礼二郎のフィールドノートと同様、ライフワークとして末永く続けていただきたいと思います。


「栞と紙魚子 何かが街にやって来る」

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「サムライガン月光」第4巻

 本日購入。五稜郭でのヴォルゴエネルギー暴走から色んな意味で衝撃の最終回まで収録の「サムライガン月光」最終巻です。雑誌での連載終了時には「???」な部分が多かったのですが、熊谷先生が単行本描き足しの鬼と化したおかげで、物語の背景やキャラクターたちのその後等、かなりの部分がクリアとなっています。無印「サムライガン」に一話だけ登場して単なる雰囲気作りのガジェットの一つと思っていたアレがここに来てクローズアップされると予想していた人はいなかったのではないでしょうか。

 そして描き足しによって全くイメージが変わったのがラスト近くの展開。あまりに醜すぎる人間のエゴの姿は、正直言って見るのが辛いほどで、一層月光の孤独さと、絹との絆が引き立つ結果となったと思います。それだけにラストは(雑誌連載終了時とは別の意味で)何とも空しい味が残ります。月光は一体何のために生まれてきたのか…と。

 それにしても描き足し部分、市松ファンは大喜びと思いますが、捨吉ファンは真剣に怒り出すと思います。捨吉ファンは覚悟しておくように。

 あと、雑誌連載最終回のタイトルは「コスモスに君と」で、単行本最終回のタイトルは「発動」。最後の最後にチラッと姿を見せた○○○の名といい、熊谷先生は相当なトミーノファンなのやもしれず。


「サムライガン月光」第4巻(熊谷カズヒロ ヤングジャンプコミックス)


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2004.02.17

江戸あやかし舟

 黒船が来航して世情騒然としつつあった江戸。大川での船遊びに侍っていた柳橋芸者の音丸と幇間の藤八の乗る屋形船を、海坊主とも人魚ともつかぬ怪物が襲った。腐肉のような臭いを放ち、美女の顔と手を持つ藻の固まりともいうべきそれをかろうじて撃退した藤八らだが、その後も海坊主は出没、ついには犠牲者が出てしまう。一連の事件に興味を持った音丸は、一人調べを始めるが、彼女にも魔の手は迫っていた。

 本日読了。竹河聖先生の長編時代小説第一作、しかも伝奇時代小説ということで期待していたのですが、それに違わぬ良作でした。主人公の音丸は武術の心得があるわけでも超能力を持っているわけでもない、ごく普通の女性で、作品として派手さは欠けますが、ホラー描写はさすがにお手のもの。水の街・江戸の水路を跳梁する水魔とも言うべき謎の怪物の描写は、決して露骨ではないものの、じわじわと迫り来る恐ろしさで印象に残りました。「伝奇時代小説」と謳われているものの、内容的にはむしろ「時代ホラー(サスペンス)」と言うべきでしょうか(もちろん、そんなケチなジャンル分けなどはこちらの勝手な区別に過ぎないのですが)
 何はともあれ、竹河先生はこれからもホラー色のある時代小説を書いて行くとのこと、今作もいくらでも続けられそうな内容ですし(人によっては「えっここで終わり!?」と思うかも知れません)、まずは続編をお願いしたいところです。いずれにせよ、このサイト的に注目すべき作家がまた一人増えました。


「江戸あやかし舟」(竹河聖 双葉文庫)


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「SAMURAI DEEPER KYO」第25巻

 本日購入。クビラの幻術による狂vsアキラからクビラ戦ラストを経て、梵天丸vsハイラでハイラが変身するところまで収録。感想については既にこちらで色々書いていますが、やはりクビラ戦は作中でも屈指の名エピソードだと再確認。そして続くハイラ戦は作中でも屈指のバカエピソードだと。それまでの展開とは裏腹のクロマティ高校みたいな勝負には唖然としたなあ…しかしこのハイラ戦ではKYO史上に残る珍台詞「『しりとりゲーム』をエンジョイしながらユーをキルしてやるぜミート君・・・・!!」があるのであなどれません。

 というか「そのかわり私が覚えていよう(中略)愛する娘の倖せのために自らの命を燃やし尽くした烈火のサムライがいたことを――・・」という泣かせる台詞があった次の週であんな台詞を繰り出してくるんだから上条女史はある意味神。


 その他、同じ本屋で探しても探しても見つからなかった「闇の大納言」(小沢章友 集英社文庫)を発見、購入。嬉しいことです。


「SAMURAI DEEPER KYO」第25巻(上条明峰 週刊少年マガジンKC)


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東京創元社は神

 伝奇時代劇とはまったく関係ないですが(何を今さら)どうしても個人的に見逃せないニュースが。

 「SFが読みたい! 2004年版」を立ち読みしていたら(すでにSFを読まなくなって久しいもので…)、今後の新刊情報のページで我が目を疑うような記事が。慌てて検索してみたら本当でした。
 この夏、キャプテン・フューチャーが創元SF文庫で復活
 しかも長編全作品だけでなく、短編も全作一つにまとめて文庫化。ハンドルネームを江渡主水にしようかと迷ったこともあるハミルトンファン、スペオペファンとしては、創元社に足を向けて寝られません。神と崇めたいと思います(ここまで来たら「風前の灯! 冥王星ドーム都市」も復活させちゃえ! …というのはさすがに無茶ですか)

 Edmond Moore Hamilton Bibliographyによれば、ハミルトンの命日に復刊正式決定という粋な計らいで、ますます東京創元社は神認定。

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検索してきた人ごめんなさい

 ネタにすると検索でひっかかりまくって、来た方が「何じゃこのロクでもない内容は」と嘆かれたり怒ったりするのではないかと怖くて仕方ない「戦国無双」ですが、現在細々と上杉謙信の章をプレイ中。
 上杉謙信は、その勝ちポーズの尋常でない気合いの入りッぷりが楽しいのですが、戦場マップをクリアして安心すると城内戦が始まるシナリオばかりで非常につらいですね。岐阜城ラストに同時に登場する信長と前田慶次に殺されてばかりです。だいたい、敵の城に単身特攻かます武将ってどうなんでしょう。

 しかしこのゲーム、ゲームの見た目などが何かに似ている似ていると思っていたのですが、ようやく思いだしました。PS屈指の燃えバカゲー「RISING ZAN ~THE SAMURAI GUNMAN~」です。もちろん、グラフィックやシステム、操作性といった点では無双の方が上回っているわけですが、キャラ・演出の狂いっぷりと、けれん味・格好良さでは「RIZING ZAN」の方が遙かに上だったように思います。悔しかったら無双でもボス倒した後に影山ヒロノブ歌う主題歌のサビをバックにボスをみじん切りにした挙げ句「セイ~バイ」くらい言って下さい。無理です。

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2004.02.16

外法師 鵺の夜

 火事で父を亡くしたショックから、10歳の姿で成長が停まってしまった玉穂は、嵯峨野の山中で聖なる井戸の水守として暮らしつつ、優れた術の腕を持つ外法師でもあった。その彼女のもとを訪れたのは、口先ばかりで術はからっきしの陰陽師・賀茂道平。懐妊中の中宮妍子が何者に呪詛されているという道平は、玉穂に助っ人を求めるのだが。

 宮廷陰陽師に非ざる術者=外法師を主人公とした平安幻想シリーズの第1巻。中身は25歳の女性ながら外見は10歳の少女、それも普段は男装という、非常に難儀なキャラクターを主人公としていますが、内容的にも文章的にも真面目な作品。派手な術合戦を期待する方には向いていませんが、人の心の歪みやきしみが生み出す怪異と悲劇の世界がしっかりと描かれていました(個人的には、あまりにきっちりとしすぎて、それが堅苦しいという印象も受けはしたのですが…)。
 その一方で、玉穂を真剣に(?)口説く渡辺綱や、気持ちは玉穂以上に若い彼女の母など、シリーズキャラとしても面白そうな面々が脇を固めており、続巻も読んでみたいと思います。


「外法師 鵺の夜」(毛利志生子 コバルト文庫)


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抜忍伝説 翼をもった男達

 天正10年、百地三太夫支配する伊賀忍軍から、3人の男が抜忍となった。愛する女性を追う邪鬼丸。親友の仇を討とうとする小源太。伝説の秘術を求める幻妖斎。それぞれ目的は違え、忍軍を抜けた者への死の掟をも恐れず自由への道を選んだ3人の忍者の旅は、時に別れ時に絡み合いながら続いていく。心に翼をもった男達の冒険の果てに待つものは。

 ここ数週間、私の生活を壊しまくってくれたゲームがようやく3章とも終了。相当昔のゲームであるためか、今の目で見ると戦闘のバランスがかなり崩れていたり、妙に自由度が高くてかえってゲームに詰まったりと色々で、クソゲーとくさす人も多いのにも納得しますが、シナリオの点においてはさすがは飯島健男作品、一ひねりも二ひねりもあるストーリー展開で楽しめましたし、登場する忍者も、小説などでお馴染みのオールスター勢揃いで(これに匹敵するのは、同じ飯島作品の「藤丸地獄変」くらいでしょうなあ)時代伝奇オタとしては大いに楽しめました。
 でもいまこうして振り返ってみると、一番印象に残ってるのは飢え死にしかけてそこらの畑で一生懸命麦拾っている場面なんだなあ。これはこれで白土三平的悲惨な抜忍チックでなかなか得難い経験…かどうかは知りませんが。

 ただ、BURAIファンとしては、邪鬼丸の嫁さんや幻妖斎の恋人とはどうやって知り合ったんだろうとか、そもそも一介の抜忍がどうして神サマになったんだろうとか、疑問に思っていたことが解決するに違いない! と思っていたんですが、後付設定にそんなこと期待した私がバカでしたな(どうも抜忍が神サマになったんじゃなく、神サマが抜忍に落とされてたみたいですが)。


 前にも書いたと思いますが、このゲーム、ネット上にほとんど全く攻略情報がない(と思ったらクリアした直後に発見。鬱)上、自分としてもえらい手間暇かけてマップ等書いたので、攻略ページを作ろうと思います。それと、異形列伝にも書かねば。

 あと、飯島氏には「刺殺忍暗夜行」なる小説があったことを今更知りましたが、タイトルからして時代物であろうし、なんとかしてチェックせんといけないなあ<すでに義務感

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「コミック特盛増刊 コミック時代活劇」第1号

 最近はとみに時代劇画雑誌が増えてきたように感じますが、この「コミック時代活劇」もその一つ。売りは「三匹の侍」(甲良幹二朗)の漫画化と、漫画でありながら正統必殺シリーズの「必殺仕置長屋」(木村知夫&山田誠二)。私もこの二本(特に後者)目当てに手に取ったのですが…
 どうも勢いに欠けるなあ、というのが第一印象。コミック特盛ということは、おそらく収録作のほとんどが再録ものだと思うのですが、正直、今ひとつパッとしないように思えます。収録作は比較的ページ数が多いのですが、もう少し短くても作品の数を揃えた方がいいのではないかな、と個人的には思います。
 集英社の「漫画時代劇ファン」に比べるとその差は歴然で、この辺りに集英社とホーム社の差がもろに出ているなあ…と失礼極まりないことすら思いました。

 「必殺仕置長屋」の方も、ページ数の多さが仇となったか、少々もっさりした印象。悲劇性を和らげるためか、被害者と依頼者が別人なのですが、その辺りで物語の勢いを削いでいるようにも感じられます。また一番気になるのが、主人公たちが表稼業として曲芸師を、裏稼業として賞金稼ぎを、そしてそのまた裏稼業として仕置人を営んでいる点。賞金稼ぎと仕置人の違いというのが微妙なためか(もちろん、前者はお上が認定した犯罪者を、後者は法で裁けぬ悪人を相手にするという違いはありますが)これは設定を複雑にしているだけではないのかな、と感じてしまいました。
 とはいえ、クライマックスの仕置シーンの爽快感はさすがの一言で、主役たちを喰いかねない活躍を見せる元締めのキャラも良く、必殺ファンとしての渇を癒すことができました。
 
 とはいえ、この作品のためだけに買うのは…ちょっと…高いなあ


「コミック特盛増刊 コミック時代活劇」第1号(ホーム社)

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THE 合戦 関ヶ原

 「安かろう、○かろう」を地でいくような作品を次々と送り出すSIMPLE2000シリーズ、さりげに時代ネタもちょこちょことあるのですが、それとてもやっぱり…なデキで色々と泣けてくるのですが、その新作。何というか、つい最近も似たような内容のゲームを紹介したような気がするんですが、どうなのかなあ。もうちょっと間置いて発売すれば良いのに…とメーカ内外の事情を無視した素人発言をしたくなります。

 これが伝説の「THE 地球防衛軍」みたいな内容だったら大逆転サヨナラ満塁ホームランもあり得るのでしょうが、開発元はTAMSOFT。あー、まあ、超がんがれ。

「THE 合戦 関ヶ原」

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2004.02.15

「曾根崎心中」と「仮名手本忠臣蔵」

 先週に引き続き、昨日は国立劇場小劇場で文楽の「曾根崎心中」と「仮名手本忠臣蔵」を見てきました。一緒に行く予定だった人が直前になってダウンして、代わりの人を捜すのに苦労しましたが(日にちが日にちだからねえ)、結局先週文楽に行った相手と今週も。

 以前から文楽は世話物の方が合ってるんじゃないかと思っていましたが、「曾根崎心中」は、その考えが間違いではないと確認させてくれました。演じられたのは「生玉社前の段」「天満屋の段」「天神森の段」で、主人に睨まれ友人に裏切られ、浮世に身の置き所のなくなった主人公・徳兵衛が恋人・お初とともに心中するまさにクライマックス。
 時代劇オタのくせして、時代劇の登場人物の言動にうなづけないものを感じることも多い私ですが(どーも現代人としての目ってものが抜けなくていけない)、この作品は、細かいシチュエーションはともかく、大筋としては今の人間の目で見ても大いに共感できるもので、素直に若い二人の悲劇に感情移入して感動することができました。時代物でありながら、現代に通じるものを描き、現代人を感動させられるのはすごいな、と思いましたが、よく考えたらこの作品は「当時の現代物」だったんだなあ。
 しかし私、恥ずかしながら演劇史的なものはほとんど全く知らなかったのですが、時代物が主流だった文楽において、この「曾根崎心中」が世話物を根付かせた嚆矢だったとのこと。人形浄瑠璃という非現実の世界で、非現実(現代ではないという意味も含めて)の時代物を演じるのももちろん一つの手法ですが、文楽で世話物を演じるというのは、媒体が生身の人間でない、人形であるだけにかえって現実というものがクローズアップされて描かれるわけで、人形浄瑠璃という非現実を通して現実を描くという手法に目を付けた近松はやはり凄かったのだな、と感心しました。
 ちなみに作中、お初の座る遊女屋の縁の下に隠れた徳兵衛が、人との会話にかこつけて心中の覚悟を問うお初に対し、彼女の足首を自分の首に押し当てて、無言で答え、お初もそれに足の動きで同意するシーンがあるのですが、「この演出はエロい!」と私と連れの間で意見が一致しました。男女の情を描きながらもセクシュアルなものを抑えたなかで、このシーンはさりげない中にそうしたものが濃厚に感じられて名シーンだったと思います。

 そして「仮名手本忠臣蔵」の方は、高師直に斬りつけた塩谷判官を抱き止めてしまった加古川本蔵の娘と大星力弥が許嫁であったことから生じる悲劇を描いた「道行旅路の嫁入」「雪転しの段」「山科閑居の段」(まあ、最初のは山科に向かう本蔵の娘がひたすらはしゃぎまくるという舞囃子に近い愉快なシーンなんですが)。こちらも本蔵の妻と由良助の妻の演技合戦としかいいようのないぶつかり合いは良かったんですが、終盤で冷めた…。パターンと言いますか王道と言いますか、本蔵が力弥の刃をわざと受けるのですが、そこでスパッと終わっていれば良かったのにその後も延々と物語が続くので正直つらいものがありました。もちろん、個人の勝手な印象であり、またその続く部分は、大長編「仮名手本忠臣蔵」としては必要なシーンと思うので、通しで見ればまた印象は違うのかもしれませんが、ちと残念。


 それにしても今日も人形のふとした所作から伝わってくる感情の動きは怖いくらいで、怪談ファンとしては文楽で怪談ものをやったら洒落にならなくなるだろうな、と勝手な想像を。

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2004.02.14

「戦国無双」廃人

 一応時代劇ファン(というか真田幸村のキャッチの「敵を貫く、鋼の信念」に異常反応するSAMURAI)としてはとしてはやっておかざるを得まい…と、先日から「戦国無双」(コーエー プレイステーション2用ソフト)をプレイしているのですが完璧にハマりました。この無双シリーズは初めてなのですが(水滸伝マニアとしては、ナンデサンゴクシバカリユウグウサレルンダヨ…という逆恨み状態で三国無双はスルーしていました)、プレイヤーキャラの数も結構あるし(プレイしているうちに使用可能キャラが増えていくのがニクイ)、アイテムや技の数も多くてパワーアップさせていく楽しみもあり、ステージ分岐やクリア後評価などやり込み要素も多くて、なるほどこれはシリーズ通してヒットするわけだわいと感心しました。

 まあ、真田幸村(1567年生まれ)が川中島の合戦(1553年)に参陣していたりと、ナニな部分は色々とあるのですが、伊達政宗が川中島に乱入して謙信信玄をヌッ殺す(しかも必殺技は政宗ビーム)のを見ると、真面目に考えるのが無粋、というか馬鹿馬鹿しくなってくるので、むしろこれは史実をGENNKAITOPPAしてしまったということで見て見ぬふりをしようと思います。
 これまで幸村と明智光秀でクリアしましたが、光秀編では森蘭丸が美濃時代からの光秀の朋輩という設定で、本能寺で信長を倒した後、最終面では蘭丸が光秀に最後の戦いを挑むという設定で、なかなか面白いアレンジだったと思います。全体的に「衆道一直線」というムードが漂っていましたが。

 しかしあまりにハマってしまったおかげで普段の仕事などにも影響が出そうなので、当分封印することに決定。などと言いつつ「真・女神転生III-NOCTURNE マニアクス」なども買ってしまったのでどうしましょう。本を積むことはできても、さすがにゲームを積むのは罪悪感が漂います。


 忘れるところでした、今回の伝奇時代コミックに「SAMURAI DEEPER KYO」と「オヅヌ」の感想を追加。「オヅヌ」はいまいち背景時代について不勉強なので、登場キャラの史実での姿について簡単にまとめてみました


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2004.02.13

発売スケジュール3月

 発売スケジュールに3月分のデータ(及び2月分の追加分)を追加しました。
 3月の新刊は…う~ん、いまいち小粒な作品が多いように思いますが、「しゃばけ」が文庫化されるのは嬉しいですね。あとはまだ情報が入ってこないノベルス関係に期待。

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2004.02.12

鉄人28号

http://www.starchild.co.jp/kawara/040210.html

 以前からあちこちで囁かれていたアニメ版「鉄人28号」がついにはっきりとした形で情報がオープンに。監督は同じ横山作品原作の「ジャイアントロボ the Animation」で大暴れした今川泰宏氏ということで、昔っから今川ファンの僕としては非常に楽しみなのですが(角川文庫の「通の道一本勝負」、サイン入りで持ってますヨ)、キャラクターデザインは想像していた以上に原作に近い絵柄で――まさかきっちりと初期横山漫画チックなラインにしてくるとは思いませんでした――さすがにこの絵柄でオヤジが回転しながら大暴れしたりはしないかな、と思ったり思わなかったり。しかし村雨健児どころか村雨兄(初期横山漫画の常連)まで登場するようなので、おかしなことは考えずにひたすら期待して待ちたいと思います。深夜アニメってのが残念ですけれども(あの、将来的に見ると「収穫はGBA版ゲームだけだった」と言われかねないアトムが結構良い時間帯なのに比べると…)

 ちなみに一足先に「マガジンZ」誌で連載開始された長谷川裕一氏による漫画版(このアニメ版と内容的に同一かはわかりませんが)は、鉄人ファンが感涙にむせぶこと必至の(というよりむしろ卑怯とすら言える)オールスターキャストの痛快冒険漫画となっていて、鉄人ファンとしては非常に幸せな年かもしれません。

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2004.02.09

アソビットシティ及びその他の店

 アキバ系グッズの総合デパートとでも言うべきアソビットシティが4月で閉店(店舗移転のため、ということですが)ということでセールをやっているのでちょこちょこ行っています。

 このアソビットシティ、大きな割に品揃えは薄いは物が入るのは遅いは――たまたま私の興味の対象が、というだけかもしれませんが――で、あまり好きではなかったのですが(個人的にはアキバデパートの3階が改装した方がよっぽどショック。だいぶ前の話ですが)、ここのラノベ売り場はそこそこの品揃えで、しかもラオックスのメンバーズカードでポイントが付くので結構重宝していました。
 この閉店セールでは本を買うと5%ポイントが付くというので、買おうか買うまいか迷っていた本、ちょっと恥ずかしくて手が出なかった本、そして今まで全然チェックしてなかったけど何か時代ものだから買っておこうかな本、色々合わせて6冊購入。

 「神州天魔鏡」第2,3巻(舞阪洸 富士見ファンタジア文庫)
 「Kishin-姫神-」第1巻(定金伸治 集英社スーパーダッシュ文庫)
 「木の国の媛」(ひかわ玲子 徳間デュアル文庫)
 「外法師 鵺の夜」(毛利志生子 コバルト文庫)
 「斎姫異聞」(宮乃崎桜子 講談社X文庫)

 この年になってコバルト文庫のコーナーをうろつくハメになるとは、ちょっとした拷問でした。
 …古典芸能からゲームまで、オヤジ向け時代劇画からティーンズの女の子向け文庫まで、我ながら狂ったような振れ幅です。

 それはさておき、どうも秋葉原では閉店が相次いでいるようで、別に普段行かない店でもやはりあまり気分のよくないものですね。これも小泉の政策のせい…かどうかは知りませんが、アキバがラムタラだらけになってもちょっと…なので、アキバのお店には頑張って欲しいもんです。

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国姓爺合戦(文楽)

 昨日、国立劇場で見てきました。上演されたのは、和藤内(=鄭成功)が猛虎と韃靼兵を敵に回して大暴れする「千里が竹虎狩りの段」。和藤内の異母姉・錦祥女と、和藤内の父の再会を描いた「楼門の段」、そして錦祥女と彼女の夫で敵側の将軍・甘輝、そして和藤内の母の織りなす複雑で哀しい人間模様「甘輝館の段」「紅流しより獅子が城の段」。席が前から中央前から3列目という非常に良いポジションだったおかげで、人形の表情の変化から指先の動きまで、じっくりと見ることが出来ました。

 和藤内と虎の暴れっぷりが楽しい虎狩りの段も良いのですが、やはり圧巻はラスト2段で、肉親への情から和藤内に付くよう夫を説得する錦祥女、味方を決心するも女のために裏切ったと思われるは恥辱と妻を殺そうとする甘輝、そして血の繋がらぬ娘とはいえ娘が殺されるのは見過ごしにできぬとかばう和藤内の母の想いの交錯…というよりぶつかり合いは、派手な荒事よりもダイナミック(でも途中寝ちゃったりしたんですが(爆))。
 そして夫を起たせるために自決した錦祥女が、苦しい息で語りかけるシーンは、文字通り入魂としかいいようのない凄まじさで、もはや見ているこちらには後ろの人形遣いの方々の存在は目に入らず、舞台の上にいるのは人形ではなく一人の血の通った女性にしか思えないという状態。まさしく入魂とはこのことなのでしょう。

 それにしてもこの舞台では女性陣の動きが見事で、決して派手な動きをするわけでないにもかかわらず、ちょっとした所作で女性らしさや心の動きを表現する様には感心しました。ストーリー上の位置といい演技(あえてこう言わせていただきます)といい、もう主役は女性陣二人で、和藤内たりは完全に脇のように思えてきました。正直、男のために女性が自らを犠牲にするという展開は現代人の目から見るとちょっと…と思うこともしばしばですが、昨日はこの素晴らしい演技のためか、素直に感動することができました(でも、錦祥女が死にかかって苦しんでる時に、正装に着替えてくる男二人はさすがにどうかと思う)。
 今週末は 「曾根崎心中」と「仮名手本忠臣蔵」を見る予定。


 と、ここで頭の悪い感想を。虎狩りの段では、当然虎が登場するわけで、果たして文楽の世界で虎をどのように表現するのだろう、やっぱり四足歩行の人形なのか!? と密かに期待していたんですが、そこに登場したのは…虎の着ぐるみでした。そりゃねえだろ、と思いつつ、妙に可愛いビジュアルと動きは萌えでした(メタルゲラスやオートバジンに感じるそれと同種の)

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2004.02.02

伊賀者

 いま司馬遼太郎先生の忍者ネタの作品を集めた「伊賀の四鬼」(講談社ロマンブックス)という本を読んでいるのですが、途中まで読んだ中で一番面白かったのがこの作品。上忍が奇怪な死を遂げ、自らも危うく殺されかけた腕利きの伊賀忍者が、仇を追い求めるうちに意外な真相に辿り着くという筋ですが、面白いのがその中で使われているネタ。それがなんと真言立川流なんですね。修行の一つで高野山に登った忍者の一人が、そこで立川流に出会い、伊賀に持ち帰ってみればそれが大流行。神も仏もないはずの忍びの世界が立川流のために腐っていく…とまあこれは話の本筋ではないのですが、コロンブスの卵ともいうべき組み合わせに大いに感心しました。この組み合わせ、Yesだね! これだけで長編一本かけそうです。
 タイトルは何のひねりもないですし、オチもいまいちですが、やっぱり司馬遼太郎先生の作品も読んでおかないといかんなあ、と。

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「キーワードは“サムライ”」

http://www.jp.playstation.com/psworld/game/features/040130/index.html

 そうでしたか、ゲームの世界でも時代劇(というかサムライ)は人気ですか。
 ちなみに「風雲新撰組」はかなりのヒットを飛ばしているようです。「ブシドーブレード」の頃から「この人たち大丈夫かな?」というくらい頑なに剣戟にこだわってきた元気の方々の苦労が報われたようで私も非常に嬉しいです。この儲けで「ブシドーブレード参」を!<無理です
 あと、「SEVEN SAMURAI」は早くも値引きが開始されているようで心配。値引きっていえば「機動新撰組 萌えよ剣」の値引きっぷりは壮絶だったなあ。

 ちなみにサムライゲームでなく、SAMURAIゲームだったら該当するのはこのゲームだけ。だってKYOだから。

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剣豪全史

 本日読了。私が今最も期待している時代小説家の一人にして剣術ライターの牧秀彦氏による日本剣豪史…というよりも、日本史における剣豪の占める位置、歴史と剣豪がいかに接してきたかを描いた力作。

 もう少し詳しく説明すれば本書は剣豪本によくある列伝形式での剣豪紹介ではなく――実際、牧氏は同じレーベルから「剣豪 その流派と名刀」という列伝形式の本を書いています――歴史の流れの中で、剣豪という存在がどのように生き、どのように変質(適合)していったかという点をじっくりと描き出したもの。いわばこれまでの列伝が歴史の中の剣豪を個々に切り出した、横軸から描いたものであるとすれば、本書は縦軸から歴史と剣豪の関わり合いを描いたものと言えるでしょう(まだまだ不勉強なのであまり大きなことは言えませんが、このような観点から描かれた本は初めて…とは言わないまでもかなり珍しいのではないでしょうか)。
 剣豪が、歴史の流れといかに向かい合ってきたか、その時代時代の社会の枠組みと組み合ってきたか、そうした視点から描かれる世界のなんとダイナミックで、魅力的なことか。また剣豪という、現代の我々からすると一種超人のように思われる人々が、我々と同じく日々の時間の中で生き抜いてきたということを理解させてくれるという点も大きいでしょう。剣豪小説ファンとしてだけでなく、歴史ファンとして、非常に楽しく読むことが出来ました。


「剣豪全史」(牧秀彦 光文社新書)


この記事に関連した本など

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穴九右衛門

 「抜忍伝説」は邪鬼丸編をクリア。このゲーム、慣れると次の行き先とマップさえわかっていれば数時間でクリアできてしまうようです。エンディングが結構あっさりしていたので、隠しエンディングとかあるんじゃないかと戦々恐々しているところです。

 それにしても「藤丸地獄変」の昔からわからないのが穴九右衛門(「藤丸~」には宗像空右衛門の名で登場)。登場忍者のほとんどすべてが実在? の忍者であるだけに、この九右衛門にも元ネタがあるはずなのですが、どうにもわからない。まだまだ精進が足りません。

 と、必死にググっていたら、どうやら学研の「忍術・手品のひみつ」に謎を解く鍵が隠されている様子。なんでまたそんなところに…

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2004.02.01

「抜忍伝説」地獄

 この一週間ばかり、ヒマさえあれば先日手に入れた「抜忍伝説」をプレイしています。
 ただでさえ手間ヒマかかるゲームだのに、今どき攻略サイトも存在しないようなので、こうなったら俺ぁ一から攻略しちゃるけんね、とちまちまマップを書きながらプレイしているので時間がかかることかかること。

 しかし内容的には懐かしの忍者オールスター勢揃い、というノリで、また「BURAI」や「藤丸地獄変」をプレイしている身には懐かしい印象すらあります。ある意味、忍者RPGの最高峰やもしれません。少なくとも、私の中では文字通り「伝説」のソフトでした。
 システム的には、昔のパソゲーによくある「自由を追求しすぎて不自由に」の典型なんですが、畑に忍び込んで麦を拾いまくって飢えを癒すというのはなかなか雰囲気でてていいんじゃないかなあ、と。一歩間違えるとギャグですが。
 しかし、ここまで時間をかけて攻略しているものを、ゲームをクリアしてはい終わり、というのもシャクなので、クリアした暁には攻略ページを作って公開したいと思います。

 などと言いつつ、土日は猛烈な眩暈に襲われ、またもダウン。何だか一、二ヶ月に一度は眩暈でダウンしているような気がしてきた…やだやだ。

 また、今回の伝奇時代コミックに今月の「無限の住人」「幻蔵人形鬼話」と今週の「KYO」の感想をアップしました。

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