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2004.07.29

忍者の夏服

伊賀忍者が夏服採用

 絶対市長が趣味でやってるとしか思えない伊賀上野市からのゆかいニュース。
 背中に人生を見せる写真左側の人が素敵。っていうか忍者なんだから忍びなさい(と言いつつ、こないだヒーローショーやってる友人が、暑さで着ぐるみの中で脱水症になりかかったと言っていたので体には気を付けて)

 しかし「好評なら観光施設「伊賀流忍者博物館」の「くノ一」にも導入するという。 」ってどう考えても導入の順番間違えてますがな。夏服のくノ一…(*´д`*)

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PS2版 サムライスピリッツ零

 先日の家庭用サムライスピリッツ零SPECIAL問題以来、「い、芋屋の野郎~」と思ってPS2版のサムライスピリッツ零は購入見送りと思ってたんですが、ネットでフラゲした人の感想を見ると、それほど出来は悪くなさそうなので自分もフラゲ。

 とりあえずPS2版追加キャラの夢路でクリアしてみましたが、何も考えずに家でプレイする分には十分楽しめるのではないかと思います。とりあえず血の色は赤かった。キーコンフィグもちゃんとあるし(怒り爆発ボタンが設定されているおかげで、文字通り誤爆することがよくあるのでこの機能はありがたい)、BGMもオリジナルとアレンジが選択可能。プレイ中にポーズ(何故かセレクトボタン)すればコマンドリストも見れるし、練習モードも色々と設定可能でありました。

 肝心の夢路のストーリー自体はかなり破綻していましたが、エンディングはなかなか味わいがありました。とりあえず夢路の変身能力は幻覚によるもので、家を追放された理由はやっぱり肉体的にアレってことなのかなあ。そう思ってみると夢路と我旺の関係ってフクザツ。
 おまけでつまらん話ですが、同キャラ対戦時の2P側夢路のアップ顔はガングロで、妙ないやらしさがあったことです。

 次は大嫌いな三九六でクリアしてみようかな。


サムライスピリッツ零(SNKプレイモア プレイステーション2用ソフト

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バジリスクTVアニメ化

バジリスクTVアニメ化

 ゲーッ、てっきり唐沢なをき氏の勘違いかと思ってたら本当にアニメ化。
 色々とマズイキャラとかシーンがあると思いますが、規制でグダグダ骨抜きの萌えアニメになってたらどうしよう…も、猛烈に見てえ。

 しかしファンド化ってのはどうなんだろう。ときメモファンドを思い出しますなあ…(下手なこと書くとコンマイから抗議が来るのでやめとく)

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中島らも死去

 ただただ大ショック。
 実はらもさん(あえてこう呼ばせて下さい)の小説は読んだことはないのですが、エッセイの大ファンでした(初めてらもさんの名前を覚えたのは「ぴあ」のカネテツデリカフーズの広告シリーズだったかなあ)。
 特に、「明るい悩み相談室」シリーズは、当意即妙な回答ぶりが実に素晴らしく、本当に頭のいい人ってのはこういう人を言うんだなあと感心した記憶があります。

 心からご冥福をお祈りします。

 ちなみにこのニュースを聞いたうちの母は「チチ(松村)さんはどうなっちゃうのかしら!? 相方がいなくなっちゃったら…」と心配してました。いや、気持ちはよく分かるけど音楽の相方はご存命ですから。
(らもさんとチチさんは牛しゃべり仲間として絶妙のトークを繰り広げられてました。本も出しています。こちらこちら

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2004.07.26

勝小吉事件帖

 本所界隈に悪名を轟かせる無頼御家人、勝小吉は、暴れすぎが祟って座敷牢に閉じこめられてしまう。可愛い息子・麟太郎が生まれたばかりというのに座敷牢に入れられっぱなしの小吉は、暇を持て余すうちに子分の又四郎が聞き込んできた町の怪事件の謎を、(欲得ずくで)次々と解き明かしていく。

 風野真知雄先生の新刊は、なんと歴史上一、二を争うダメ親父として名前を轟かす快男児・勝小吉(言わずと知れた勝海舟の父)を主役にした連作捕物帳。しかも人を食ったことに、小吉は座敷牢の中で、いわゆるアームチェア・ディテクティブという趣向。勝小吉が一時期座敷牢に閉じこめられていたのは史実ですが、それを活かしてこのような捕物帳を作り上げてしまうとは、いやはや脱帽です。

 推理ものとしては、正直水準レベルではありますが、しかし、小吉が解き明かす事件や謎の数々は、この小吉の置かれた状況をうまく活かしたものばかりで、一見奇抜に見える事件も、何とはなしに説得力を持って見えてくるのが面白いところ。そして何よりも言うことなすこととにかく無茶苦茶なバイタリティの固まりで、それでいて麟太郎に対しては親バカの極みな小吉のキャラクターが非常に面白く、実に楽しく読むことが出来ました。

 個人的ベストは、さらわれた子供が、頬にダルマ髭を描かれて返されるという不可思議な幼児誘拐事件を扱った「ダルマ髭の子供たち」。小吉の親バカぶり・単なるバカぶりと、事件の背後の哀しい親の心をうまく織り込んでいて印象に残りました。続編が読みたい作品であります。


「喧嘩御家人 勝小吉事件帖」(風野真知雄 祥伝社文庫) Amazon

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2004.07.24

一休魔仏行

 一休シリーズ長編第4弾。長編シリーズの方は今のところ毎回ロードノベルとなっていますが、今回も京から駿河へ、趣向を凝らした物語となっています(マヌケな感想で恐縮ですが、よくぞまあ、毎回毎回異なりつつも魅力的な「敵」と「目的」を設定できるものだと感心します)。
 読み終わってから冷静に考えると、キャラ数は抑えめで、ストーリー自体もさほど複雑というわけではないのですが、きっちりと、そして執拗に書き込まれた世界観と異界観(?)の描写の巧みさ、面白さで普通の作品の1.5倍はあろうかという分量でもダレることなく、一気に読むことができました(特に作中の異界描写には、作者の初期の代表作・逆宇宙シリーズのそれを感じ取り思わずニンマリ)。

 何よりも面白いのは、一休が今回追い求めることとなる天の瓊矛の設定と、物語の背景世界を支える中世神話、なかんづくその日本誕生秘史でしょう。天の瓊矛については作品のネタバレになりかねないので伏せますが、中世神話の世界観は、そこらの伝奇小説やファンタジーなど及ばないような不可思議かつ魅惑的なもの。そしてホラーファンであれば、神により世界から追放されながらも復権を虎視眈々と狙う異神、という設定には、あのクトゥルー神話のそれと重なるものを感じ取るのは容易いことだと思います。

 そうした背景設定を受けてか、今回の一休の冒険行は、これまでのそれと聊か趣を異ならせているようにも感じられます。うまくはいえないのですが、物語全体に不思議な紗がかかっているというか…作中で一休が陥る混沌の世界に、こちらも取り込まれているような、というのは言い過ぎかもしれませんが、おそらくはこれまでの長編シリーズ中、最も幻想色の強い作品でしょう。
 伝奇時代小説ファンのみならず、ホラーファン、ファンタジーファンにも読んでもらいたい作品だと感じます。

 個人的にはもう少し天の瓊矛と、「魔仏」という魅力的な存在の在り方をねっちりと絡めて書いてもよかったかな、という印象はありますが、中世神話を背景とした「魔仏」と一休の対峙はこれがむしろ序章。中世神話の世界で一休がいかなる冒険を見せてくれることか、これから先も大いに期待できそうです。


追記:
 これはもちろん私の勝手な想像ですが、中世神話の日本誕生秘史の存在を知って誰よりも狂喜したのは、ほかならぬ作者自身だったのではないでしょうか。
 作者が昔から追い続けてきたクトゥルー神話の世界が、今最も得意とする中世日本の歴史世界に、向こうから飛び込んできたようなものなのですから――

 クトゥルー神話の本質と魅力は、その特異な神々や魔道書の名称・存在といった一種の固有名詞にあるのではなく、「正統」な神々や宗教に対峙・対比して描かれる世界観そのものにあると私は考えています。
 このような視点から眺めてみると、この作品が、日本を舞台として描かれたクトゥルー神話を描くこと――そしてそれは簡単なようで実は非常に難しいことであることが過去の様々な作品が証明しているように思うのですが――の、一つの優れた答えとして私には感じられました(それはもちろん、作中に登場するある土地が、クトゥルー神話中で有名なあの土地を明らかに意識して描写されている、という表面的な点を考えに入れずとも、です)。

 もしかすると、本当の意味で日本発のクトゥルー神話が誕生しつつあるのかもしれません…というのはファンの誉めすぎかもしれませんが、そんな印象すら受けるのです。


「一休魔仏行」(朝松健 カッパ・ノベルス) Amazon bk1


この記事に関連した本など

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2004.07.22

ジェノサイド

 陥落を目前とした大坂城。狂乱した淀君は、千姫を磔にし、まさにその命を奪わんとしていた。と、そこに巨大な犬に乗った美青年が出現、彼は犬塚信乃と名乗り、淀君そして豊臣秀頼を惨殺し、さらに真田幸村をも斃して千姫と共に大坂城を後にするのだった。一方、幸村の影武者として家康の首を狙っていた猿飛佐助だが、千姫を連れた信乃と遭遇、一度は千姫を奪還するも、信乃の奇怪な術の前に膝を屈し、再び千姫を奪われてしまうのだった。今ここに、真田十勇士と150年の眠りから甦った里見八犬士の死闘が始まろうとしていた…


 「漫画アクション」最新号から連載スタートの伝奇時代アクション漫画。「真田十勇士vs里見八犬士」と聞いた時は、パロディものか、現代などを舞台とした作品か何かだと思い、掲載誌にも興味が持てなかった(拉致問題とかコンクリート詰め殺人とかの漫画を載せてる雑誌だし、ねえ…)スルーしようと思いましたが、原作者が中島かずき氏と知り、態度を180度改めて読んでみました。

 …読んで良かった。パロディでも何でもなく、あくまでも真っ正面から本気で十勇士vs八犬士を描こうとする作品のようです、これは。これはもう、さすがは劇団☆新感線のいのうえ歌舞伎の狂言作者・中島かずきと言うべきでしょう。キャラクター的にも、まだまだ描写は少ないものの、「まつろわぬもの」の王国を打ち立てようとする信乃、人を食ったような不敵な豪傑・佐助など、思わずニヤリとしそうな連中の登場で、この先登場するであろう残りの勇士・犬士にも期待が高まります。
 恥ずかしながら絵を担当している小林氏の絵は初見ですが、物語世界を受け止めるだけの力はありそうに思えました。

 先が楽しみな伝奇時代作品がまた一つ増えたというのは、実に嬉しいことです。


 …ちなみに中島かずきで検索していたらこんな記事を発見。JAXAは次のロケット打上げに中島かずきを招待しる! …まあ、次がいつか知りませんが。


「ジェノサイド」(小林拓己&中島かずき 「漫画アクション」連載)

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2004.07.21

LOVERS

 時は唐代。反政府結社「飛刀門」の台頭に脅威を感じた朝廷は、飛刀門撲滅に全力を注いでいた。妓楼の盲目の踊り子・小妹(チャン・ツィイー)が飛刀門の重要人物との情報を得た捕吏の金(金城武)と劉(アンディ・ラウ)は彼女を捕らえるが、二人は飛刀門の本拠を突き止めるため、一計を案じ、金は味方を装って小妹を逃がすと、彼女と行動を共にするのだった。朝廷からの追っ手に苦しめられつつも旅を続ける二人は、やがて互いに惹かれ合うようになるが…


 試写会の券が当たったので、昨日(20日)行ってきました。スタッフは日本でもヒットした大作「HERO」とほぼ同一、キャストも一流揃いと、クオリティは鉄板、これでハズしたらまずいだろう(そのまずいことが往々にしてあるのが映画界ではありますが)と思っていましたが、大丈夫、立派に面白い作品でした。

 ストーリー的には潜入捜査官ものの一種、密命を帯びて敵に接近した捜査官が…というアレですが、話の組立は、終盤のどんでん返しを除けば実はかなりシンプル。それでも全くだれることなく2時間楽しむことが出来たのは、監督の手腕もさることながら、主役3人の熱演があってこそ。
 享楽的で、飄々としつつも熱いものを秘めた金、不敵ですらある鋭さを見せながらも、どこか寂しげな表情を見せる劉と、男性陣2人はまさにはまり役を演じているのですが、何と言っても見事なのはヒロインのチャン・ツィイー。盲目で、踊り子で、武術の達人で、反政府結社の重要人物で、さらに実は…という、文字で書いただけでややこしい役柄を見事に、そして美しく(艶やかな踊り子姿であっても、旅の誇りにまみれた男装であってもそれぞれに美しい!)演じきるその姿には感服しました。いやはや、大した役者です。

 正直、「HERO」のような歴史アクションを期待すると、アレ? という印象を受けるかもしれませんし、個人的にはクライマックスにもう一山二山欲しかった気もしますが、アクションで味付けしたラブストーリーとしてみれば十分すぎるほどのクオリティ。映像的に美しいシーンも多く(というよりほとんど)、一本の映画として大いに楽しめました。
 …まあ、ラストステージの様変わりっぷりは見ていてちょっと突っ込みいれたくなるかもしれませんが、あれはあれで非常に印象的なのでOK。

 あんまりこういう薦め方はしたくないですが、アクション好きな野郎が恋愛もの好きなオナゴを誘って見に行くには絶好の作品だと思いますよ?

 ちなみにこの作品、ヒロインが盲目という設定のせいか、音響にも結構力を入れているように感じました。見に行く際は、音響の良い映画館で見ることを強くお薦めします(その点、昨日の試写会場だった有楽町の丸の内プラゼールは異様に音響が良くてばっちりでした)


「LOVERS」(監督:チャン・イーモウ 配給:ワーナー・ブラザース映画) 公式サイト

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吉田直先生逝去

 角川スニーカー文庫で活躍されていたライトノベル作家の吉田直氏が亡くなられたとのこと。  このサイト的には、ある存在の手により死の世界から明治の世に甦った沖田総司と土方歳三が死闘を繰り広げる名作「FIGHTER」(角川スニーカー文庫)が強く印象に残っているところです。  まだ34歳の若さだったとのこと。心からご冥福をお祈りいたします。

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サムライスピリッツ零SPECIAL問題

 7月15日に発売された家庭用NEOGEO-ROMソフト版のサムライスピリッツ零SPECIALで色々と問題が生じている様子。  私も以前から話自体は耳にしていましたが、まとまった情報はこちらの署名運動サイトで知りました。 「仕様変更」の対象が対象なので、議論がいささかややこしく――というか(何故か)揚げ足取りに熱心な人の格好の材料になっている――面はありますが、この件の最大の問題点は、やはり公式サイトでもいの一番に紹介している(≒最大のウリである)絶命奥義の演出を、事前告知全くなしに削除してしまったことにあるわけで、削除自体に理屈はつけられても、事前告知なしには正当な理屈はつけられないでしょう。

 と、上で言っていることと少し矛盾するようにも見えますが、個人的な感想を。個人的にはゲームの残虐表現には興味はなく、むしろ残虐のための残虐には大反対な立場なのですが、この件に限らず、人を斬って赤い血のでない作品にはむしろ常々不健全さと危険性を――つまり、人を斬ったら赤い血が出るという事実から目を逸らされてきた人間は、むしろ平気で他人様に刃を向けるようになるんじゃないかと――感じている者としては、この一件はなんとも気持ちの悪いものと受け止めました。

 ちなみに、問題の絶命奥義については某所で全キャラのムービーを見ましたが、ちょっとやりすぎ(婆娑羅とか炎邪とか)のものを除けば、確かに真っ二つの半身がゴロッと転がっているのは気分が悪いものの、キャラクターのバックグラウンドなどが窺えるものもあって、全く無くすのは聊か勿体ないという印象でした。

 …しかし、specialと無印の違いはあるものの、会社側がこんな姿勢では、29日に発売のプレイステーション2版「サムライスピリッツ零」は様子見た方がいいかなあ…

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2004.07.20

テストがてら

 
めでたいと思いつつも、半月延期しただけで本当に大丈夫なのか不安感に苛まれるのが魔人ファンの持病。
 
ちなみにこの記事、ubicast Bloggerで書き込んでみました。ちょっと立ち上げるのが重いかな。

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コミック乱ツインズ 8月号

 毎月買っていて楽しんでいるのにほとんど紹介できてなかった「コミック乱ツインズ」。今月号の掲載作品からお気に入りの感想を。

「真田十勇士」(岡村賢二&笹沢左保)
 主君である片桐且元をわざと怒らせて主家から追い出された望月六郎が最後の一人として仲間入りし、ついに十勇士が勢揃い。わざと怒らせるのはいいんですが、佐助のだめ押しはむしろ片桐且元を追いつめまくっていて、これって豊臣家的にはどうなんだろうなあ、と思ってしまいました。
 しかし十勇士勢揃いはやはり壮観で、一人一人が実に「いい顔」をしていてこれだけでもコミカライズの甲斐があったものと感じます。

「慈恩 -幕末秘剣-」(森田信吾)
 前2回は男谷先生がベテラン剣士の凄みを見せまくって主役を喰ってましたが、今回はアクションの方は小休止。今回は男谷先生のそのまた先生の奇傑・平山子龍の有名なエピソードが描かれましたが、字で読むのと絵で見るとではやはり迫力が違います。
 そして新キャラクターとして伊庭八郎が登場。後世には隻腕の美剣士として知られる伊庭八郎、今回はまだ全くの顔見せ段階で、物語にどう絡んでくるかは全くわかりませんが、(三橋さんのように)カマセではなく、実在剣士の凄みを見せていただきたいものです。

「黒田・三十六計」(平田弘史)
 まだまだ続く秀吉の毛利攻め。新興勢力の織田と名家・別所との間で板挟みの黒田官兵衛の浮かぬ顔を見ているとこっちまで何となく胃が痛くなってきます。果たして今エピソードのお題「欲擒姑縦」を如何に実現してみせるのか、この先の展開に期待。
 そしてこの作品の魅力の一つ「いい顔したオヤジ」、今回登場したのは別所側の野口城城主・長井政重。敗軍の将となりながらも、主家のために敢えて恥を忍んで生き延び、主君に対して諫言するも受け入れられず、いさぎよく身を引いて武士を捨てるその生き様は、いわゆる一般に言われる武士らしい生き様とは違うのかもしれませんが、それ以上の凄みと覚悟を感じさせられます。


 あと面白かったのは「仕掛人・藤枝梅安」(さいとう・たかを&池波正太郎)と「たまゆら童子」(佐野絵里子)かなあ…正直、ここで名前を挙げた作品のために買っているようなものです。


 公式サイト

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BEHIND MASTER 第1巻

 天狗のような体術を見せる少年忍者・佐助と青年僧・清海の冒険行を描いた(今のところ)コミック。掲載誌が掲載誌だけに絵柄的には可愛いというか漫画チックですが、なかなかに達者な描写で楽しむことができました。

 なによりも、登場人物が皆脳天気なようでいて、心中にそれぞれ秘密や鬱屈したものを抱えているのが物語に奥行きを与えていて良いところ(もっとも、清海など普段の言動とのギャップが激しすぎてむしろ単なる二重人格に見えたりしますが)。まだ1巻の時点では物語がどこに向かっていくかはわかりませんが、この先も読んでみようという気になりました。

 あ、次巻予告の破壊力は反則級だと思います。


「BEHIND MASTER」第1巻(ガンガンWINGコミックス) Amazon bk1


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咲いて孫市 第1~2巻

 その槍術から「槍の孫市」の異名を持つ夏目孫市郎。しかしかれは旗本の部屋住み三男として、鬱屈した暮らしを送っていた。が、ふとしたことから少年時代に自分を火事場から救い出してくれた町火消し・欣蔵と再会した孫市は、自らの運命を変え、苦しむ人々を救うため、武士の身分を捨てて町火消しの世界に飛び込む。後に江戸城に初めて突入した町火消し、夏目孫市の闘いが始まる。


 「コミックバンチ」で連載中の時代人情アクション火消しコミックがようやく単行本化。前作「眠狂四郎」では「決してつまらくはないんだけどそりゃ狂四郎じゃないだろう」という人情話路線で、う~んという感じだった柳川氏ですが、オリジナル作品である今作では、その人情話テイストが物語に非常に良くマッチして、元々しっかりした画力であることもあり、実に読ませる作品となっています。
 まあ、はずれ者が昔命を救われた人物と出会って消防救命を志す…というのは、どこかで聞いたようなお話ではあるのですが、しかし主人公を武士を捨てた男と設定したのがドラマとしても時代ものとしても、この作品のうまいところ。江戸時代中期の不自由な社会制度・身分制度のジレンマにぶつかりつつも、如何に孫市が人々を、そして自分自身を救い出すか、先が楽しみな作品であります。


「咲いて孫市」第1~2巻(柳川喜弘 バンチコミックス) Amazon bk1

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シグルイ 第2巻

 最近読んだ本の感想をちゃんと書いていなかったのでまずは漫画からまとめて書くことにします。まず一冊目。

 南條範夫の名作「駿河城御前試合」をコミカライズ…というにはあまりにもブッ飛んだ独自のアレンジでさらに先鋭化させて見せた「シグルイ」の待望の続刊。この巻では、雑誌掲載時からファンを騒然とさせた「ぬふう」から、伊良子の母との別れまで、どのエピソードを取ってみても、情念というよりは妄念と、血臭というよりは臓物臭の漂ってきそうな壮絶な描写が続きます。が、それが決して悪趣味でなく、むしろ人間の生の一つの極限の姿としてある種の荘厳さすら感じさせるのは、作者が自身の物語から逃げず、真っ正面から――つまり、何のてらいもなく、どんなシーンも本気で――描ききろうという姿勢が作品から伝わってくるからではないか、と感じさせられます

 それにしても山口氏の巻末の言葉から読みとれるのは、タイトルとなっている「死狂い」という言葉が、単なる狂気などではなく、絶望的な状況に立ち向かうために常道を外れた意識の有り様であるということ。
 このキ○ガイばかりの作品の中でも、最も狂気・妄念を濃厚に漂わせているのは主人公二人の師である岩本虎眼であることは間違いありませんが、上記から考えれば、「死狂い」の境地は、虎眼の在るそれとは明確に異なるはず。物語の進む先で、主人公二人が如何に虎眼の狂気と決別し、「死狂い」の境地に達するのか、恐れつつも楽しみに先を待ちたいと思います。


「シグルイ」第2巻(山口貴由&南條範夫 チャンピオンREDコミックス) Amazon bk1


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2004.07.16

ちょっと夏っぽい話

 時代ものと全く関係ないけど(何をいまさら)ちょっと夏っぽい話。

 今日は仕事も一段落ついたし、体調ガタガタなので(苦笑)お休みをもらって家でゴロゴロしてました。
 で、お昼に昼飯の買い出しを兼ねて、近所をぐるっと散歩してきたんですが、散歩コースの途中にお寺山があって、元気のある時は(笑)石段登ってお参りするんですが、今日も行ってきました。

 さすがに平日のちょうど正午あたりで人はほとんどおらず、山門をくぐって直ぐにお花とか持ってお墓参りかな? という人を一人二人見かけたくらい。
 こんな時に珍しいな、と自分のことを棚に上げてお参りしてたんですが…
 お賽銭入れて、手を合わせて目をつぶって拝んでると、何だか近くに結構人がいて、こっち見てるような感じがする。
 何て言うか、よく通りに面した喫茶店で、壁がガラス張りの所ってありますわな。そういう店の中に自分がいて、外で人がこっち見てる感じ? 
 ああ、平日のこんな時間に僕みたいなのがお寺参りしていると目立つわなあ…
「平日のこんな時間にお寺参りしてるなんて、ちょっと普通じゃないわね。もしかしてアレなのかしら」
とか近所の人に言われてるんじゃあるまいな…と被害妄想バリバリで目を開けてみると、誰もいない。

 あれ、気のせいかな、やっぱり自意識過剰だったかしら、と思って家に帰って、母に言われて気付きました。
 
 今日、7月盆の送り火の日でした。

 うちは8月盆なのですっかり忘れてましたが、そうか、ちゃんと山門をくぐって直ぐに伏線(って何よ)があったのか…と変なところで感心しました。
 こういう話が大大好きな割にまったく鈍感で、実体験は全くない僕ですが、いやなかなか貴重な体験をすることができました。出来すぎという気もしますが、本当の話。


でも、帰っていく方たちにまで
「平日のこんな時間にお寺参りしてるなんて、ちょっと普通じゃないわね。もしかしてアレなのかしら」
とか言われてたらどうしよう…orz

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2004.07.09

隠密剣士 第1巻

 懐かしの(どれくらい懐かしいかというと私が観てないくらい)アクション時代劇がコミカライズ! ということで大いに期待して雑誌連載時から読んでいた作品の単行本化。

 ストーリーは謀反の連判状を江戸から尾張に届けるため、謎の青年剣士・秋草新太郎が、霧の遁兵衛ら伊賀者たちと共に、甲賀五忍衆を相手に活躍するというもの。つまり、旅の途中に襲ってくる敵を撃退しつつコマを進めていく道中双六、ある意味エンターテイメントの基本の一つであり、単純明快ではあるのですが、これが実に面白い。
 隠密旅に出るとは言え、主人公の新太郎はあくまでも剣士。その剣が、次々襲い来る怪忍者の忍法を如何に迎え撃つか、如何に凌ぐか、というのが興味を惹くところ。そのある意味作品の主題であるアクションシーンが迫力と説得力ある描写で描かれていて(ストーリーがシンプルな分思い切りよくアクションシーンにページが割かれているのも相まって)、シンプルイズベストを地でいくような作品となっています。
 (これは以前も書きましたが)正直、キャラクターに今ひとつ表情が乏しいという点はあるのですが、それが読み進めるうちにさほど気にならなくなるほどの快作。雑誌連載の方では甲賀五忍衆編が大団円を迎え(これがまた実に読み応えある剣法vs忍法描写で大満足)、今後の展開も期待されるところです。おすすめ。


「隠密剣士」第1巻(かわのいちろう&村上もとか ジャンプコミックスデラックス)

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2004.07.08

ゲーム2題

その1。
 ゲームボーイアドバンスで往年のファミコンソフトが楽しめるというファミコンミニの第3弾のラインナップが発表されましたが、その中に伝奇時代ゲーの古株「謎の村雨城」が。

 この「謎の村雨城」、名作「ゼルダの伝説」に続くディスクシステム第2弾で、ゼルダの出来に感動して、こちらも…と期待に胸膨らませて手に取ってみたら、うわぁ…だったという思い出を持っている人も多いのではないでしょうか。しかしあの脳天気な和風BGMは一度は聴いておくべきではないかと思います。私は買います。
 あと、あちこちの記事にこの作品の舞台は戦国時代と書かれてますが、江戸時代じゃなかったかなあ。主人公は将軍家指南役だったような記憶が(室町将軍家かもしれんですが)

 ちなみに今回のラインナップは皆ディスクシステム作品。その中には横溝的テイスト横溢の稀代の探偵ゲー「ファミコン探偵倶楽部」2作が含まれているのが注目どころ。レトロゲーマーの間でもトラウマとして未だに語り草になっているオドロ怪奇な演出と音楽は探偵小説ファンなら必見。これも買う。
 そして個人的に一番うれしいのは「悪魔城ドラキュラ」の発売。シリーズファンとしては絶対買いますよ。ディスク版もROM版も持ってますが。これでときメモのプロデューサーが量産している最近のシリーズ作より売れたら爆笑ですネ。超期待。

 しかしファミコンミニのシリーズはこれで終了とのこと。工エエェェ(;´Д` )ェェエエ工 「ドラキュラII」は?


その2。
 こんな叫びが出てしまいましたが「東京魔人學園外法帖血風録」やっぱり発売延期

 「これだよ! これでこそ魔人だよ!」とか思ってしまう自分は人としてどうかと思いつつ、まあファンにとっちゃあ当然織り込み済みなわけですが

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2004.07.07

こうさぎ

 右のサイドバーに、Blog Petのこうさぎを設置しました(ご覧になれない方はこちらから最新版のMacromedia Flash Playerをダウンロードしてみて下さい…あ、今はメンテ中のようですが)。

 名前は「玉兎」。なんか由来由縁のありそうな名前がよかろう、ということで月の兎を指すこの名にしました(金烏玉兎集というのもありますし)。

 このこうさぎ、設置されたblogから言葉を覚えて記事を投稿してくれるのですが、いきなりブチかましてくれました。コメントにも書きましたが、こんな僻地に荒らしが来襲してきたのかと驚きました。バカウサギ…
 こうさぎが書き込んだ時はタイトルの脇に(こうさぎ)と付きます。


 ちなみにココログでの設定に際してはおとぼけ.comさんの記事を大いに参考にさせていただきました。どうもありがとうございます。

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妖鬼の剣

 直心影流の達人・毬谷直二郎が江戸を騒がす夜盗団「鷹の爪」と凶剣を振るう辻斬りを追うという「三鬼の剣」「隠猿の剣」に続くシリーズ第三弾。というわけで楽しみにしていたのですが…フツーの剣豪小説になっちゃったなあ、というところ。

 というのも前二作は剣豪ものにミステリの味をプラスしていたのが特徴で、、特に「三鬼の剣」はミステリとしても成立しうる内容を持っていたのですが、今作ではその要素がほとんど全くなし(単なる犯人追跡だけじゃミステリとは言わんでしょう)。
 前作のヒロインを降ろしてまでわざわざ登場させた新ヒロインも、単なる賑やかし以上の存在ではなくて、正直、どうにも残念な気分です。


「妖鬼の剣」(鳥羽亮 講談社文庫)


この記事に関連した本など

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AreaEditor

AreaEditor

 Internet Explorer(とそれをベースにしたブラウザ)のテキスト編集エリアから外部エディタを起動、外部エディタで書き込んで保存した内容をテキスト編集エリアに反映させるツール。
 blogのように長文を書かなければいけない場合、直接テキスト編集エリアに書き込むのは機能的に(タグ打ちとか)ちょいと不便、かといって先にエディタを開いて、書き込んで、コピペしてテキスト編集エリアに貼り付けて…というのは面倒な話で、そんな時に役に立ちそうなツールです。
 きょうびのエディタは私も愛用しているNoEditorのようにフリーでも普通にhtml編集モードを持っているものもあるので、こうしたエディタと関連づけておくとかなり威力を発揮するんではないでしょうか。
 
 ちなみに私は普段、IdeaTreeで書いた文章を、UKblogに流し込んでこのblogに投稿しているんですが、これはある意味AreaEditorのやり方とは反対のやり方で、両方使い分けていくといいのかな、と思います。

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著作権切れの文学作品

網迫「質より量」(新館)

 こないだ「大蔵十兵衛」で検索していたら発見した、著作権切れの文学作品のテキストデータ公開サイト。紹介しちゃってもいいものかな、と思いつつ、「もってけもってけ」ということなので紹介。OCRして未校正とのことなので、そのまま読むには苦しい部分も色々ありますが、この分量は驚異的。
 時代ものとしては林不忘の「釘抜藤吉捕物覚書」、綺堂の「近代異妖篇」、直木三十五の「南国太平記」、三上於菟吉の「雪之丞変化」といった作品が収録されているほか、潮山長三や江見水蔭といった今では春陽文庫の「怪奇・伝奇時代小説選集」でないとお目にかかれないような作家の作品も収録されています。

 時間があったらこういう活動もやってみたいなあ、と思っています。

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2004.07.06

7月の新刊スケジュール

 またその月に入ってからになってしまいましたが、7月の新刊スケジュールを更新しました。

 ご覧の通り、7月は相当に豊作の様子で、小説では「丹下左膳」が全3巻完結する一方で、「一休魔仏行」「妖藩記 鬼剣衆」「逢魔ヶ源内」と伝奇時代劇の今を担う作者の注目作が目白押し(「一休」と「妖藩記」は同日発売。どちらを先に読めと)。
 また個人的には、我が心の殿堂入りの名作「剣聖一心斎」の続編「暗闇一心斎」が楽しみなところであります。戸部先生の滅茶苦茶キャッチーなタイトル「忍法 新選組」も気になります(火坂先生の「新選組魔道剣」の前例があるので油断できねえ)。

 漫画の方も「神州纐纈城」の第2巻、、「黒田・三十六計」の第4巻など(あ、「バガボンド」
もありましたか)続刊ものも楽しみですが、「咲いて孫市」の1,2巻同時発売が嬉しいところです。文庫でも「無頼」続巻と「黒鉄」第1巻が登場。
 時代ものではないですが、車田ファンの最後の希望とも言うべき「風魔の小次郎 柳生暗殺帖」も待ちに待った第1巻が発売。聖剣戦争で一番納得いかない最期を遂げたあの人もやっぱり生きていて一安心。

 そしてゲームの方も夏休みシーズンということでか大物が連続。「天誅 紅」「サムライスピリッツ零」「東京魔人學園外法帖血風録」と人気シリーズの最新作が発売。地雷とわかっていても「魔人」は限定版買いますよ…。サムスピ零は今度こそ設定資料付きの攻略本が出てくることに期待。

 そしても一つ、夏と言えば怪談、というわけで、復活早4巻目となるこの夏の大本命「「超」怖い話△」が発売(コミック版も)、そして平谷美樹先生の「百物語」もまさかの(失敬!)3巻目。実話怪談界のみちのくプロレスとしてこれからも頑張っていただきたいと思います。

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2004.07.05

嶽神忍風3 湖底の黄金

 伊賀四天王を倒され、自らも片腕を失い復讐に燃える服部半蔵保長は、ついに禁忌の一族・朽木衆を送り込む。逃避行を続ける多十一行は、自分たちを上回る能力を持つ朽木衆に次第に追いつめられていく。一方、武田家遺金の在処を追う大蔵十兵衛は、ついに守刀に秘められた秘密を解き、遺金に迫ろうとしていたのだった。

 戦国末期を舞台にした忍術アクション(ただし主人公は忍者にあらず)「嶽神忍風」も第3巻で大団円。物語の締めくくりにふさわしく、この作品のウリであり魅力である集団vs集団の泥臭いガチバトルもてんこ盛り、最後の最後まで気の抜けない展開でした。
 冒頭から提示されてきた武田家遺金の謎も解かれ、登場人物たちも皆収まるべきところに収まり、物語の締めくくりとして満足。殊に、一族を殺されたムカデ一族の少女・蓮の大蔵十兵衛(後の大久保長安)への復讐の行方は、歴史上の人物を相手に果たして…と思いきや、その辺りもうまく扱われていて納得でした。

 完結して振り返ってみれば、百点満点…とは言い切れず、ちょっと惜しいなという点もままあったのですが(3巻とも展開が似通っていたり、2巻で主人公が陥った窮地の一つが、3巻であっさりと、主人公の知らぬ間に解決していたり)、しかし時代伝奇エンターテイメントとしてみれば充分以上に合格点であり、退屈せずに読み通すことができました。

 これは以前も書きましたが、権力により己の命以外の全てを奪われたアウトローたちが、その最後に残ったものすら奪い去ろうという権力の理不尽に反撃の牙を剥くというのが、やはり何よりも気持ちよく、一歩間違えれば非常に重苦しくなりかねない物語を痛快なものとしていたと言えますし、私は主人公の多十一行と、彼らが活躍するこの物語が非常に好きでした。
 続編を強く希望する次第。


「嶽神忍風3 湖底の黄金」(長谷川卓 中央公論新社 C・NOVELS)


関連記事
 岳神忍風 1 白銀渡り
 嶽神忍風2 飛鳥の舞い

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2004.07.01

マイティジャック is going!

 「特撮エース」の最新号から待ちに待った熊谷カズヒロの新作、「マイティジャック」のコミカライズがスタート。
 私は正直言って「マイティジャック」という作品自体は、実際に見ておらず、雑誌やネットで得られる情報以上のものは知らないので(そういえば子供のころMJ号のプラモデルは作ったなあ…)、原作と比べてどうこう、というのは言えないのですが、独立した作品として見ても合格ラインのだいぶ上を行くものと感じられました。

 作中の細かい描写や言葉の使い方は、あまりにも熊谷節、というか「サムライガン」節で、描いている側としては複雑なものがあるのではないかな、と全くもって余計なことも感じつつも、乾いているようで艶めかしい画のラインや、抑制とケレン味が適度に絡み合った台詞廻しはやはり魅力的で、素直にSFスパイアクションドラマの第1話として素直に楽しむことができました。
 個人的には(どうもオリジナルらしい)当八郎の過去を巡るエピソードと、それが当のマイティジャック隊長就任につながっていく辺りの描写が男泣かせで大いに気に入りました。
 マイティジャックのメンバーが11名もいるのはちょっと多いなあ…というのは確かに感じますが、これはもう原作の時点からの問題ですし、一人一人のキャラクターの詳細はこれから描かれるべきものでしょう(それでも、いかにも利け者という雰囲気がビンビンと伝わってくる天田のキャラクターは実に魅力的に感じました)。この辺りをみると、元のキャラクターをうまくディフォルメして描き出しているものと感じます。

 …これは全く個人的な印象ですが、氏の描く画には、不思議な現実感――より格好つけて言えば遙かな未来の世界と、既に滅び去った過去、そして今のこの時代が一枚の画に収まっていても違和感なく受け止められるような味わい――を感じさせられます。作中年代は知らず、製作年代からすれば約35年も昔の「マイティジャック」という作品世界を現代に違和感なく甦らせるには、単にスパイアクションどうこうというのを抜きにしても、氏はまさに適役だったのではないかと感じた次第です。

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100の質問その他

ようやく駄文を書いたりする時間的&精神的余裕が出てきた(…たぶん)ので、更新再開。

以前から公開していたのに、このブログからリンクするのをすっかり忘れていた時代小説ファンに100の質問にこちらからもリンクを張りました&回答を1件追加しました。
皆さんの回答がなかなか面白いので、よろしければこちらもご覧いただければと。


昨日は早く帰れたので中村獅堂の「丹下左膳」を見ることができました。感想を一言で言えば可もなく不可もなく。左膳の(いい意味で)滅茶苦茶なキャラは良く再現されていたと思います。蒲生泰軒がいなかったのは残念でしたが。
そしてEDのブルーハーツにも爆笑(バックの映像もまあ良し)。
しかし、歌舞伎役者の方々がいなかったら、日本の時代劇ってもっと早くに滅んでいたんじゃないかとふと思ってしまいました。若い俳優さんで、着物がきちんと着れて、刀が見栄え良く持てる人ってそんなにいないですしねえ。

あと、プレイステーション2の「鉄人28号」をフラゲ。さっそく数話やってみると、最初のうち、どうにも鉄人が遠くで何をやっているかよく見えなくてイライラしましたが、よくよく考えればTVカメラを積んでいない鉄人で遠隔操縦やってるんだから、遠くからじゃなにやってるかわからなくて当たり前ですな。うむ、良くできた鉄人操縦シミュレーションのようです。

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