日本の幻獣
川崎市市民ミュージアムの「日本の幻獣」-未確認生物出現録-展に行ってきました。会社休んで(暇人丸出しですが、行くの延ばし延ばししていたら今週末で終わりで、そして今週末は休日出勤という…)。
この企画展、特徴は英題が"UMA in Japan"というように、ある程度現実性を持った怪生物を扱っていること。ある程度の現実性ってなんじゃい、と言えば、客観的な証拠、つまり何らかの報道・記録に残されていること、あるいは標本(!)や写真が残されていることでしょうか。勿論、その客観性というのも非常に怪しいっちゃあ怪しいんですが、そんな点も楽しめる人間にとっては実に楽しい展示でした。
特に最近は個人的に江戸時代の怪談本や日記などで怪奇事件、怪物の目撃談などを拾い上げては年表に書き込んでいるので、そういう意味からも楽しい展示でした。展示を見ながら、「この怪物は○○の象徴なんだろうな…」「この特徴は△△の影響が感じられる」とか、イヤなことを考えてしまう自分にちょっと嫌気も差しましたが。
それはさておき、正直、最初はあまり規模や内容など、期待していなかったのですが、実際に見てみればかなりの充実ぶり。河童・人魚・龍の瑞龍寺三大ミイラは実物が展示されているし、鬼や烏天狗のミイラもあり。文献資料の方も天狗文字で書かれた天狗の詫び証文など、今まで書物で間接的に目にしていた・耳にしていたものの実物がぞろぞろ揃っていて、ちょっと感動しました。享和元年(1801)に広島に落ちてきた、蟹とも蜘蛛とも猿ともつかぬ外見をした「こいつユゴス星の甲殻菌類なんじゃないの?」な雷獣なんて初めてみましたし。
展示は平成分まであったのですが、資料として東スポが展示されていたのにはちょっとした感動を覚えました。あと、日本のUMA研究と言えばこの人! の並木伸一郎先生が色々な写真を提供していて楽しい気分になりました。
行く前には、平日にこんな展示に行くやつぁそんなにいないだろ、と失礼な思いましたが、行ってみれば老若男女結構な人出。駅前でバスを待っていた時に後ろに並んだ老婦人など、河童に興味があるので一人で見に来た、っておっしゃってましたし。
しかし、会場で辺りはばからずデカい声で妖怪話を垂れ流していたいかにもオタ系の二人組にはちょっとした殺意を覚えましたね。
なお、この手の展示でお楽しみの図録の方も、展示の方では見ることのできなかった「姫国山海録」のほぼ全ページが収録されていたりとかなりの充実ぶり。一番最初に展示されていた「日本の幻獣出現年表」は収録されていませんでしたが、無料でコピーを配布していたのでもちろんいただいて参りました。
しかし何よりのビッグサプライズは、ミュージアムショップでアマビエ(アマビコ)とアリエ(海中鱗獣の首魁と名乗るちょっとバーバパパチックなモノ)のフィギュア&ストラップが売られていたこと。凄い、色々な意味で凄すぎる…。妖怪食玩どころの騒ぎじゃないですよ? しかも人気があったらしく売り切れになっていたので大いに悔し涙を流しました。
この企画展、9月5日(日)までなので興味をお持ちの方はお早めにどうぞ。
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