魔の都の二剣士
「火星シリーズ」や「レンズマン」、そして何よりも「キャプテン・フューチャー」と、最近復刊では神クラスの活躍を見せる東京創元社ですが、「ファファード&グレイ・マウザー」シリーズまで復刊してくれるとは本当に嬉しい限りです。
実は私、ホラー好きでSFが嫌いじゃなく、伝奇既知外なくせに、何故かファンタジーだけは苦手…というかぶっちゃけ好きではないのですが、その数少ない例外がこのシリーズ。
主人公の二人はヒーローというよりはむしろ「無頼の徒」なのですが、綺麗事抜きで暴れ回るアウトローぶりが気持ちいいですし、そして何よりも物語全体が濃く深く、怪奇色で染め上げられているのが実に嬉しい。
妖魔や魔道士、時には神々にさえ、持ち前の知恵と度胸で立ち向かい、怪奇な冒険を繰り広げるこの凸凹コンビの活躍が、楽しくてしょうがないのです。
そういう意味では、やっぱりイラストは旧版の柳柊ニ先生の方が好きだったのですが(今回は表紙のみで口絵も挿絵もないですし…)、末弥純先生描くところのグレイ・マウザーも実に不敵で格好良いですね。
正直、このシリーズ第1巻はコンビ誕生編といったところで、上に書いたシリーズの特徴はさほど濃くないように思うのですが、それでも十数年ぶりにお馴染みの奴らに出会えたのは嬉しいことです。続刊が楽しみです。
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