「新選組!」 第48回「流山」
面白いんだけど最近の黒展開(いやほとんど史実なんですが)に、「すごく見たいんだけど心底見たくない」というアンビヴァレンツな心情をかき立てられる終盤の「新選組!」。
多摩編があれだけ脳天気に、聊か分量も多いんじゃないの? と言わんばかりの描き方だったのは、今のこの時のためだったのねと、考えてみれば当たり前のことをイヤというほど確認させられている次第。
そんな「新選組!」ラスト1話前の今回のタイトルは、もう見るだけで胃が痛くなりそうな「流山」。ついに、ああついに…と近藤勇の末路を思うと、実に重たい気分になりますし、正直客観的にはあんまり男らしくないなあとも感じられる、捕らえられて大久保大和と言い張ったという史実をどう料理するのかな、と思いつつ見ていたのですが、これがまた実にうまくアレンジされていて素直に感動。
ラストの、自ら近藤勇であることを吐露するシーンは、不思議な透明感(これは以前から時々感じては居ましたが)すら漂っておりました。
あんまり史実をアレンジして実在の人物を格好良く描く(大河ドラマの)やり方は好きではないですが、いい、今回は許す! 大体、子母澤寛先生だって結構話作っているらしいし。
と、そんなドラマが盛り上がりまくる中で初登場し、場をさらっていったのは有馬藤太役の古田新太。言うまでもなく劇団☆新感線の看板役者のおっさんです。
史実を知らないで(いや知っていても)予告or初登場シーンを見たら、「こいつが近藤を捕まえて拷問しまくるに違いない!」(それをやった谷干城を演じるのは同じ新感線の粟根まことらしいですが…)と思ってしまうに違いない凶悪なツラ構えにも関わらず、実際のキャラクターは実に侠気に富んだ好人物。基本的に無表情な役柄ですが、ちょっとした目元口元の動きでその心情をしっかりと見せてくれるのはさすがとしか言いようがありません。
キャスティングと演技力の勝利、としか言いようがありません。
しかし島田順司に気がつかなくてorz しかもよりによって千駄ヶ谷の植木屋の役とは…これも鬼キャスティング。
そして次回予告見ただけでもう…。捨助が、あの空気嫁な捨助が…
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