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2005.02.03

今日は何の日

 あちこちのblogで採り上げられてるのでうちで書くのもどうかと思いますが、今日は大岡越前の日

 リンク先を見ると、実際に大岡様が裁いたのは…と言われていますが、言ってみれば江戸町奉行は都知事と警視庁長官と東京高裁の長官を兼ねているようなものなので、個別の事案に当たる方が確かに珍しかったのでしょうね。
 しかし冷静に考えると江戸町奉行って驚くほどの権力者なわけで、そんな役職に鳥居甲斐守みたいなのがなると、こりゃあどこかの国のバカ都知事などよりももっと迷惑なことになったのでしょうネ。

 と、こんな贅言は置いておいて、大岡越前ネタの時代小説でも紹介しておきましょう…と思ったのですが、うちのサイトで紹介すべき大岡越前ものの作品というのが存外少ない。というより、上に書いたような立場の人ですから、主役になって暴れ回るという作品はあまりなく、むしろ脇役の方が多いのでは? という印象すらあります。
 そんな中で主役・脇役思いつくまでに挙げてみれば、「新大岡政談」(笹沢左保)「柴練 大岡政談」(柴田錬三郎)あたりがまず浮かびますが、個人的には敬愛する角田喜久雄先生の「恋慕奉行」「半九郎闇日記」といった水木半九郎シリーズがおすすめ。

 そして忘れちゃいけない山田風太郎先生。山風作品で大岡越前というと結末の独語が非常に印象的な「妖説忠臣蔵」中の一作(ネタバレになるのでタイトルは伏せます)がありますが、個人的に忘れがたい(というか作品的にはむしろ忘れたい)のは「売色奴刑」(廣済堂文庫の「長脇差枯野抄」に所収)。この作品の中で大岡越前はほんの脇役なのですが、その越前に対するわずか数行の文章は、今に至るまで私の心に痛烈に残っている次第です。

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