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2005.04.28

「鬼神新選III 東京篇」は七月

電撃文庫七月の新刊に「鬼神新選III 東京篇」が。
http://www.mediaworks.co.jp/users_s/d_hp/i/bunko.html
やっとか! やっと続きが読めますか!
…しかしやっぱり東京篇なのですね。

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2005.04.27

砂楼に登りし者たち

 第10回創元推理短編賞受賞の作者による、時代連作推理小説。
 室町時代末期、混沌とした世相のなか、牛に乗り、弟子の徳二郎を連れて諸国を旅する伝説的な老医・残夢が、次々と起こる不可思議な怪事件を、あらましを聞いただけで解決していくという、いわゆる安楽椅子探偵ものでありますが、やはり特色はその濃厚な伝奇性でしょう。

 神の末裔を自称する名家の末裔の姫が戦場から忽然と消える「諏訪堕天使宮」、油売りから一代でのし上がった美濃の英傑が堂宇の中で不可思議な死を遂げる「美濃蛇念堂」、奇怪な忍者たちの襲撃に幾度となく命を奪われながらも健在の姿を見せる筒井順興の謎を描く「大和幻争伝」、そして織田家に近づいた邪教・白峰党の女の奇怪な死がある歴史的な事件へとつながる「織田涜神譜」と、いずれも描かれる物語とそのシチュエーションは、実に伝奇的。
 何が起きても不思議でない、存在自体が謎めいた人々や舞台の中で展開される事件の数々は、一歩間違えれば「これは伝奇だから」で非合理的な解釈も許されてしまいそうなものですが、その中で残夢翁が、どこまでも合理的な精神で謎を解き明かしていくのが、取り合わせの妙と言いますか、なかなかに愉快であります。
(これらの事件のほとんどが、人体消失や密室殺人等、「当然あるべき者が消えてしまった世界」を描いているのが、時代背景を考えるとなかなか意味深であるようにも思われます)

 その精神がもっとも良く現れているのは、山風的忍者たちが跳梁する「大和幻争伝」。ほとんど何でもあり状態の忍者たちの襲撃の中「どうやってターゲットは生き延びてきたのか」というある意味逆転の発想が(物語の構成的には今ひとつ座りが悪かったりするのですが)実に面白く読めました。
 もう一つ、これは伝奇者として私が気に入ったのは、ラストエピソードである「織田涜神譜」。崇徳院の怨念を継ぎ、皇統を絶やさんとする白峰党なる怪集団の設定だけでもう嬉しいのですが、その一員に訪れた神罰とも言うべき奇怪な死の謎が描かれる前半と、そこから時は流れて歴史上もっとも有名といえるかもしれない人体消失事件の意外な真相が描かれる後半の構成が、それまで連作短編としての物語のパターンに慣れていた身にとって、意外であり、また嬉しくも感じられました。

 もっとも、ほめるべき点ばかりではなく、残念な部分もあるのはまた事実。推理ものとしても伝奇ものとしても、手堅い線を狙いすぎたか、そのジャンルに慣れた人間が読めば、先読みできる部分が多く、トリックやオチがある程度予想できてしまうのは、このような作品にとっては、正直かなり大きいマイナス点という気がします。

 しかし、作品としての試みは実に面白く、評価できるもの。この先、作者が推理プロパーな作品を書いていくのか、それとも本作のような世界を広げていくのかはわかりませんが、私として是非後者を望みたいところであります。

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「砂楼に登りし者たち」(獅子宮敏彦 東京創元社) Amazon bk1

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眠る鬼 鬼悠市風信帖

 陸奥は松ヶ丘藩の足軽・鬼悠市を主人公とした連作シリーズ。
 寺の竹林にひっそりと住む悠市は、その魁偉な風貌に似合わず江戸にまでその名を知られる鳥籠作りの名人ですが、その裏の顔は、奏者番から直接密命を受ける暗殺者で恐るべき剣の達人という次第。その鬼悠市が、次々と望まぬうちに事件に巻き込まれ、複雑な事態に翻弄されつつも事件を解決していく様が描かれています。

 悠市自身は、あくまでも奏者番の命のままに動かねばならぬ立場にあり、また、鳥籠作りを隠れ蓑に、世間から隠れ住んでいるような状態。命ぜられる使命も、周囲で起こる事件も、そのほとんどが、何のためなのか、また何が起こっているのか、悠市には不明のままであり、そのような(ある意味読者と等しい)立場での悠市の目に映るもの、心の動きといったものが、物語を読んでいるこちらの方に静かに伝わってくる、なかなか面白い作品でありました。

 ただ残念なのは、一話一話がかなり短いため、物語がブツ切りになっている印象があること。全体として見れば一つの続きものなのですが、個々で見ると少し食い足りない気もします。長編の中で、のびのびと悠市の暴れる様も見てみたいものです。

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「眠る鬼 鬼悠市風信帖」(高橋義夫 文春文庫) Amazon bk1


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サムライスピリッツ天下一剣客伝のロケテスト開始

http://www.snkplaymore.jp/official/samurai_tenka/index.html

 ようやく登場したか、のアトミスウェイヴ版サムライスピリッツが4月30日~5月1日(って二日間か)ロケテ実施とのこと。
 公式サイトの方にはまだロケテ告知とタイトルロゴ、覇王丸とナコルルのイラストしか出ていないので内容は全く不明ですが、とりあえず覇王丸が若いので蒼紅の時代ではなさそう(まあ当たり前だ)。

 しかしなんだかタイトルを見る限りではあんまりストーリー性はなさそうな。KOF NEOWAVEみたいなことにならなきゃいいんですが。

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2005.04.26

「魔界都市<新宿>【完全版】

 時代ものではないですがどうしても書きたいので(まあ、自称「柳生十兵衛」も出てきますが)。

 今日、「魔界都市<新宿>【完全版】」を買いました。文庫で出ていた「魔界都市<新宿>」と「魔宮バビロン」の合本、ノベルス(新書)化であります。

 驚くべし、「魔界都市<新宿>」は22年前、そして「魔宮バビロン」は16年前と、下手をすると今の読者は生まれていない頃の作品ではありますが、今読んでみてもその面白さと作風は全く変わっておらず─特に「~<新宿>」のラストはベタベタでありながら、やはり何度読んでも胸が熱くなるところであります─まだざっと斜め読みしたところではありますが、初めて読んだ時のことを思い出しつつ、懐かしくも嬉しい気分になりました。
 なぜか一番思い出すのは「獅子王」掲載版の「バビロン」後編のものすごいはしょりっぷりではありますが…ヤなマニアだな、おい。

 この完全版、何カ所か訂正が入っているようではありますし(文庫版が今手元にないので想像が当たっているかはわかりませんが、確かに「~<新宿>」の冒頭は今見てみたらおかしな表現がありましたね)、イラストも完全新作(ただし、「バビロン」での迷シーン、ラーメンを食べるメフィストのイラストがないのは大いに惜しい)。文庫版に親しんだ方がもう一度読んでも楽しめると思いますし、何よりも、今回のリニューアルで、新しい、今現在の読者がこの名作を初めて手にするとしたら、それは長年のファンとしてもとても心躍る、楽しいことです。

 しかし、冷静に考えてみると、私ゃ人生の約2/3を菊地先生の作品と過ごしているのか…これはこれでちとショッキング(笑)

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「魔界都市<新宿>【完全版】」(菊地秀行 ソノラマノベルス) Amazon bk1

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2005.04.24

仮面ライダー今年の劇場版は時代劇

 一昨日の読売新聞の夕刊にこんな記事が出ていたことに今頃気づきました。

 要約すると、

  1. 今年の「仮面ライダー響鬼」の劇場版は「仮面ライダー響鬼 戦国大決戦(仮題)」
  2. 戦国時代を舞台に、鬼(=仮面ライダー)が妖怪らに支配された国を救うというストーリー
  3. プロデューサーはTV版と違い白倉伸一郎氏
  4. 仮面ライダーの衣装(役者の衣装?)に鎧や兜のデザインを取り入れたり、オートバイの代わりに馬に騎乗させたりする構想も
  5. 「最近時代劇を一つの記号とした娯楽作が相次いでおり、今度のライダーもその流れ。子供たちはファンタジーものの一つとして見てくれるのでは」(白倉P談)
  6. 5月下旬に撮影開始、公開は9月3日

 TVの方は(プロデューサーの名前見ただけで)見る気なしだった仮面ライダーですが、劇場版は時代劇になるということで俄然関心が、というかこちらの守備範囲に。
 主役は大河ドラマ俳優だし、なかなか良いのではないでしょうか。プロデューサーの発言は、まさにその通りだと思いますし(今の若ェ衆に時代劇見せるには、若い役者使うかファンタジーにしちゃうしかないって)。

 しかし面白かったのは、上の箇条書きには書いていないもう一つのプロデューサーの発言。
 「テレビでは生かし切れなかった“和”のテイストを、大きなスケールで描きたい」と、さりげなくバッサリ。ああ愉快。

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2005.04.23

最近の時代劇ゲームネタ3題

 ここ最近の時代劇ゲームネタから3つ。

新鬼武者 ドーンオブドリームス
 昨日発売のファミ通でバレてましたが、謎のカウントダウンの正体はやっぱりこの「新鬼武者」でした(その確認するためにこのエントリ書いたのが今日になりましたよ)。
 雑誌記事などでは、「桜」が重要なキーワードということですが、舞台となる1598(慶長3)年には、醍醐の花見が開催されているので、このあたりが大きなイベントとして絡むんでしょうね。
 しかし主人公の名前が素晴らしく厨くさい…

SAMURAI SPIRITS OFFICIAL WEBSITE
 サムライスピリッツシリーズの総合サイトがオープン。まだ内容は第1作目「サムライスピリッツ」に関するものしかないですが、ここまで大々的に作ってくれたのですから、これから充実させてくれるのでしょう。SNKの時分から、サムライスピリッツの公式サイトはリキが入っていましたから…(あまり関係ない?)
 個人的には、「甦りし蒼紅の刃」が無視されていないのが非常にうれしいです。どっかのキャッスルバニアのスタッフはこの態度を見習って是非いただきたい。
 ちなみにファンサイトとのリンクを募集しているんですが、うちはやっぱりダメですかのう…

江戸もの
 「悪代官」シリーズグローバル・A・エンタテインメントの新作。
 前から話は聞いていましたが、「江戸もの」って、江戸時代を舞台にした作品っていう意味の仮題かと思ってましたが本決まりのタイトルかい!
 なんかもう、システムこそ違え、いつものノリのようで、これはこれで安心。しかしこの悪徳川兄弟のビジュアルは、さりげに特徴を掴んでいて面白いなあ…特に家重と家茂。

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2005.04.20

「甲賀忍法帖・改」第1巻

 まず最初に書いておきますが、浅田寅ヲファンの方には不快な表現もあるかと思いますのでごめんなさい。
 さて、「バジリスク」とほぼ同時期に連載され、こちらは現在も連載中の「甲賀忍法帖」のコミカライズであるこの作品。こちらは、いかにも浅田寅ヲらしい絵柄で、猛烈に大胆にビザールにアレンジされたデザインの忍者(…か?)たちが、近未来を思わせる無機質な背景の中で闘いを繰り広げております。

 正直に言って、「スプーンマン」「パイドパイパー」を読んだ限りでの私の浅田寅ヲ評価は、「絵師としてはともかく、漫画家としてはあんまり…」(オブラートに包んだ表現)なので、必然的にアクションが多くなるであろうこの作品がどうなるか、少々心配していたのですが、単行本でじっくり読めばきちんとわかる作品になっていたので一安心。

 それにしても改めて読んでみて驚かされたのは、そのあまりに鮮烈なビジュアルイメージとは裏腹に、展開や台詞が、きちんと原作に沿ったものであること。そのアレンジされたデザインと、原作に忠実なストーリーが、強烈な化学反応を起こしていて、なかなか楽しいトリップ感があります(朧ただ一人、常人的なキャラデザインとなっているのが逆にまたよい意味で違和感が生じています)。

 しかしこの作品が不幸だったのは、やはり同時期に「バジリスク」があったこと。
 同じく原作に、こちらは絵柄的にもイメージにも忠実で、しかも原作ファンも驚くほどの名作となったこの「バジリスク」と同時期というのは、いかにもタイミングが悪い。
 原作ファンにとってはそのビジュアル的なアレンジが違和感をもたらし、初見のファンにとってはストーリー的に既にネタバレしているという状態では…

 さらに不幸なことに掲載誌「エース特濃」が消滅してしまったこの作品、大塚英志の「コミック新現実」に連載の場を移し(これはこれである意味不幸)継続することになりました。私も単行本が出る限り、追い続けたいと思います。


 と、ここまではまじめに描きましたが、以下、頭の悪すぎる感想。
 この作品の最大のウリは、何と言ってもあれですよ、地虫十兵衛。
 もうね、このビジュアル的な――原作とはベクトルの異なる――ヤバさは尋常ではありません。初めて見たときは体に悪そうな飲み物吹きそうになりました。夜道でこんな奴にあったら発狂すると思います。
 この強烈デザインの十兵衛が大まじめに天膳とスタイリッシュにやりあうシーンだけでも、この漫画を読んで良かったと思いましたよ。いや本当に。

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「甲賀忍法帖・改」第1巻(浅田寅ヲ&山田風太郎 角川コミックス・エース) Amazon bk1


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2005.04.19

龍神剣始末帳 流浪

 さる大身旗本への怨念と憎しみを込めて刀匠が打った一振りの刀。それは、千振りに一振りと言われる天下無双の名刀、龍神剣と化していた。が、刀匠の血を吸った龍神剣は、妖気を放つ魔剣と化す。偶然龍神剣を手に入れその魔力に魅入られた研ぎ師の辰三郎は、龍神剣とともに流転の旅を続けるが、龍神剣の魔性は周囲に血と死を撒き散らすのだった…

 城駿一郎先生の新シリーズは、これまでの作品とはうって変わった、一本の刀を主役にすえた連作もの。
 これまでのシリーズは、いずれも明朗快活なヒーローが悪党と死闘を繰り広げる痛快な作品ばかりでしたが、今回は刀の魔性に魅入られた人間たちの生み出す悲劇・惨劇が次々と描かれていきます。

 こうした、次々と持ち主を変えていく一本の刀を中心にすえた連作というのは、決して珍しいものではありませんが、元々オンリーワンではなくとも面白い作品を書くことにかけては相当の腕を持つ作者の作品だけあって、読者の気を逸らさない作品に仕上がっていると思います。

 そしてこの作品のちょっと面白いところは、狂言回しとも言うべき、龍神剣を巡る二人の男の存在です。一人はこの刀の魔性にとりつかれた研ぎ辰こと研ぎ師の辰三郎。そしてもう一人は、この龍神剣で旗本を斬った研ぎ辰を追う執念の北町同心・結城半介。
 この二人、ルパン三世と銭形のとっつぁんよろしく追い駆けっこを繰り返すのですが、研ぎ辰はビョーキの域に達するくらいのそば好き、半介は文武に優れながらもどうしようもない運の悪い男と、この二人の妙に抜けたキャラクターが、どうしても暗くて殺伐としたものになってしまうこの作品の空気を、うまく救ってエンターテイメントとして成立させていると言えるでしょう(考えてみれば、城作品の主人公は、皆ヒロイックでありながら、どこか抜けたところを持つ親しみやすいキャラクターでありました)。

 この作品が出版された学研M文庫からは、すでに同じ作者の作品として、「大江戸始末屋稼業」シリーズがありますが、こちらの方は少しお休みということになりそうで、 それはそれで少々残念ですが、たまには目先の変わった作品も楽しいもの。まだまだ龍神剣の魔性は収まらないようですし、続編を楽しみにしたいと思います。(時代設定が「大江戸始末屋稼業」と同時期なので、クロスオーバーは…さすがにないかな)

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「龍神剣始末帳 流浪」(城駿一郎 学研M文庫) Amazon bk1

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2005.04.18

「Y十M 柳生忍法帖」連載開始

 せがわまさき先生&山風先生の第二作、待ちに待った「Y十M 柳生忍法帖」がついに今週号のヤングマガジン誌で連載開始の運びとなりました。
 私は、原作「柳生忍法帖」が、ありとあらゆる(伝奇)時代小説の中で一番好きと胸を張って言えるキチガイ人間なので、本当に本当にうれしくてしようがありません。「魔界転生」や「柳生十兵衛死す」に比べるとずいぶんマイナーな作品だったからなあ…
 もうすでに物語の展開はよく知っているにもかかわらず、今日は朝から晩まで何度も何度も、胸躍らせて読み返してしまいました。

 さていきなりネタばらしすると、しばらく主人公が登場しないこの作品。それまでの間、無辜の女性たちが悪逆非道の外道どもに惨殺されまくるという展開なので、このコミカライズではアレンジを加えてくるかな、と思いきや、少なくともこの第1話では真っ向から直球ストレート、実に憎々しげにビジュアライズされた会津七本槍がニヤニヤしながら暴れ回っておりました
 その一方で、原作では後半に登場する魔人・芦名銅伯の存在と天海との関係がほのめかされており、前作「バジリスク」で神がかったアレンジの冴えを見せたせがわ先生の手腕に、今回も期待がもてそうです。

 ちなみにこの漫画化で一番期待しているのは、原作のほとんど唯一の不満点である、堀の女たちの描き分けであったりします。いずれ劣らぬ七人の美女を、「美女」という言葉で済まさずにどれだけ描き分けてみせるか。
 もっとも、せがわ先生のオフィシャルサイトに、第1話の扉絵が掲載されていますが、その扉絵の左側(右側はもちろん七本槍)に描かれた堀の女たちのビジュアルを見るに、心配は無用のようです。
 もしこれで、沢庵七人坊主(仮名)まできっちり描き分けてきたら、一生せがわ先生を神と崇めますわ(大好きなんですよ、あのお坊さんたち)。

 トーンが粗めなのと、キャラの頭身がちょっと低めなのが気にならないでもないですが、これからの展開を、毎週心を躍らせて待つことができそうです。というか、次週が待ちきれないって!


 …ちなみに、鷲ノ巣廉助のビジュアルがどうみても劇団☆新感線の橋本じゅんさん、というか剣轟天にしか見えないのは私だけでっしゃろか。ああ、もうじゅんさんの声でしか台詞が読めない。

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2005.04.15

夢幻紳士 幻想篇

 「ミステリマガジン」に連載されていたシリーズが単行本化。だごん様の日記を見なかったら危うく買い逃すところでありました。

 さてこのシリーズ、連載第1話は誌上で読んでいたのだけれども、それ以降は単行本待ちでよいか、などと思ってしまい見逃していました。おかげで、第1話に登場した「僕」がこの物語の実質的主人公であって、しかも実は××だった、などということは単行本を読むまで知りませんでしたし、何よりも終盤まで読んだところで、ここで登場する「彼」が実は×だったなどいうとてつもない仕掛けには本当に驚かされました(どのくらい驚いたかというと、「学校怪談」の九段先生の先祖のことを知ったときくらい)。
 なるほど、「怪奇篇」に対応しての「幻想篇」というタイトルかと思っていたら、それ以上の意味があったとは…
 さらに恐るべきは、あとがきを読むにそれが作者の初めから意図していたことではなかった、ということ。もちろん、作者一流の韜晦というのもあるかもしれませんが、何せ「彼」のことですから、自分の創造主を煙にまくくらいは平気でやるでしょう。

 煙にまかれたといえばこの物語のラスト、何とも切なくも小気味よく洒落た最後の一コマを目にするまで、この物語の中で「彼」が一度も××っていなかったことに、僕が全く気づかず、また不自然にも思わなかったことには驚かされました。
 どうやら、僕の頭の中にも「彼」がいるようであります。

 などと「彼」に親しんできたシリーズファンはもちろんのこと、このシリーズに初めて出会う方にも自信を持っておすすめできるのがこの作品。
 久々に、心の底から(=何の不満もなく)「ああ、この本を買って良かった…!」と思える作品に出会えた気がします(ラスト2話の切なさには思わずグッときましたよ)。

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「夢幻紳士 幻想篇」(高橋葉介 早川書房) Amazon bk1


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2005.04.10

ビーケーワンリニューアルその他

 一度リニューアル宣言しておいて派手にコケたオンライン書店ビーケーワンが、ついにリニューアル。
 以前から検索が重い! 検索機能がアホ! と言われてきたbk1ですが、その辺りはかなり改善されたように思います。

 また、個人的に大きな変化は、一般向けだった「bk1」と、ブリーダー向けだった「ビーケーワン」が統合されたこと。何が変わったかというと、「ビーケーワン」の方だけに表示されていた書籍へのトラックバックが、一般向けの方でも(というか統合されたから一つなんですが)表示されるようになったのです。
 オンライン書店の大先駆たるAmazonに無くて、ビーケーワンにある数少ない長所の一つがこのトラックバック機能なので、力を入れていただきたいと思います。


 と、ビーケーワンのリニューアルに合わせたわけではないですが、4月の伝奇時代劇アイテムの発売スケジュールを更新(右のサイドバーからも見れます)。DVD等を追加しました。

 個人的に気になるのは、22日発売の「妖刀・斬首剣」のDVD
 香港映画ファンの間では、主にバカアクションの文脈で語られていますが、実はこの作品、かの縄田一男先生激賞の一品なのですよ。ビデオは持っているけど、DVDも買うかなあ…

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2005.04.09

風の武士

 世情慌ただしい慶応三年(一八六七)の初午の日、伊賀同心の末裔で貧乏御家人の部屋住みの青年・柘植信吾は異相の山伏とすれ違った! それこそは信吾の運命を大きく変える第一歩であった!
 信吾が代稽古を務める刀術無一流指南練心館の道場主父娘には、意外の秘密があった! 信吾が想いを寄せる道場の娘ちのと瓜二つの女性の姿が描かれた丹生津姫草紙とは!? 巨万の秘宝が隠された伝説の秘国・安羅井国とは!?
 安羅井国の謎を追う密命を受けた信吾は、謎の一団にさらわれたちのを追って、東海道を西へ向かうのだった! 幕府隠密、紀州藩隠密、謎につつまれた安羅井国人の卍巴の死闘に巻き込まれた信吾の運命や如何に!? 波瀾万丈の幕末伝奇長編作!

 …と、私が心から愛する春陽文庫のカバー折り込みに書いてあるあらすじ調に書くとこんなストーリーになるこの作品。しかし、あらすじと実際の内容にこれほど隔たりのある作品も珍しい、というくらいの不思議な作品でありました。

 というのも、主人公の柘植信吾が、実にもう、「伝奇時代小説の主人公」らしくない言動を見せる人物。伊賀忍者としての素養も一撃必殺の剣術も身につけているし、巻き込まれる事件も事件、もちろん女性にももてる(お嬢様とお姉さん風と幼なじみが、まんべんなくせまりくる宿命)…のですが、困ったことにヒーローとしての自覚無し、その場の勢いと自分にしか理解できないようなプライドのみで突っ走る。
 そしても一つ、すぐに思考の迷路にはまって悩みまくる。もう作品の三分の一は自問自答しているんじゃないかという勢いで悩む。

 が、実にそれが面白いのです。若さが服を着て歩いているような主人公の完成されていない人格と言動が、見ていて実に微笑ましいというか、共感できるというか…。
 確かに、人間若い頃は(って私もまだそんな分別くさいこと言えるほど年取ってるわけではないですが)こういう理由で動いちゃうものだよなあ、こんなことで悩むものだよなあ、と、頷けることがしばしば。
 伝奇という特異な舞台、特異なストーリーだからこそ、かえって栄える人間の自然な感情というものは確かにあります。おそらく司馬先生は、伝奇小説の皮をかぶった青春小説を書きたかったのではないかな、と思った次第。
 定番の時代伝奇小説や、いつもの司馬節を期待すると不満に感じることも多いと思いますが、私はなかなか楽しく読むことが出来ましたよ、この作品。

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「風の武士」(司馬遼太郎 講談社文庫 全2巻) Amazon bk1

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サムライDVDパーフェクトガイド (2005-2006)

 ものすごいタイトルではありますが、内容的にはタイトルどおり、現在入手可能な侍が登場する映画・ドラマのDVDのカタログ+時代劇俳優やクリエイターへのインタビューといった企画もの記事、という一冊です。

 現在入手可能なもの、という限定はありますが、ズラッと並んだ作品カタログ(実に483作!)を見ているのは楽しいですし、レンタル屋やDVDショップで捜し物する時の(そして僕にとってはHPで採り上げるネタを探す時の)ガイド役としても、もちろん非常に役立つと思います。
 思っている以上に時代劇はDVD化されているのだなあ、と感心させられることもしきりでした。

 細かいことを言えば、カタログ部分で、劇場公開されたものとビデオオンリーのものでページを分けているので、「新・影の軍団」みたいに、基本はビデオムービーだけど何本か劇場でも公開されているものはページが分かれてしまっているのがちと不便かな。
 しかし基本的には上記の通りなかなか面白い本であります。「2005-2006」ということは、人気があれば来年も出るのかな? 期待しておきます。


 ちなみに、あくまでもサムライDVDなので、「IZO」とか「SAMURAI7」なども紹介されてます。
 「7」「チャンプルー」あと「X」(米版)はあっても、「ガン」とか「DEEPER」は載ってないのね…

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「サムライDVDパーフェクトガイド (2005-2006) 」(ぴあMOOK) Amazon bk1

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2005.04.08

時代小説用語辞典

 昨日の毎日新聞夕刊で採り上げられていて、慌てて今日本屋に走りました。
 直球ド真ん中なタイトルですが、内容の方がその通りなのですから仕方ない。約300頁に時代小説用語がびっしりと詰まっていて、ただ読んでいても楽しめます(まあ、僕はもともと辞典好きなせいもあるかもしれませんが)。

 上記の新聞記事に「「知ってるつもり」で読み飛ばしていた」とありますが、言い得て妙で、人より少しはこの手の用語は知っているつもりの僕でも、正直、細かいところをつめられては「うっ…」と詰まることが山ほどあるのがこの世界。
 まあ、三田村鳶魚みたいになると行き過ぎですが、知識はやっぱりあって損することはないですし、何よりもやっぱりトリビアルな知識を得るというのは、なかなかに人間の知識欲・好奇心を心地よく刺激してくれるもの。

 考証マニアやプロの作家はともかく、市井の時代小説ファンは手にとって損はない一冊だと思いますよ。
 というか、うちのサイトでもこんなのやりたかったなあ…


 と、目次を見て気づきましたが、この本、「時代小説」と言いつつ、掲載されているのは江戸時代に関する用語。そういう意味では「江戸用語辞典」となっておりますのでその点だけは気をつけて。


「時代小説用語辞典」(歴史群像編集部編 学研) Amazon bk1

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2005.04.04

勝敗一瞬記

 「塚原卜伝の耳」「伊藤一刀斎の爪」「荒木又右衛門の指」「武蔵羅切」「近藤勇の首」「坂本龍馬の眉間」「沖田総司の貌」と、史上著名な剣豪の身体部位をタイトルとした剣豪小説集。(ちなみに同じ作者の同様の趣向の作品集としては、「柳生殺法帳」があります)

 さすがに柴田錬三郎の「弟子」だけあり(この作品集のタイトルも柴練先生の案によるとか)、短いページ数の中で、意外性に富んだ展開と、剣客同士の一瞬の死闘が巧みに盛り込まれていて、飽きることがありませんでした。
 新宮先生の作品は、(個人的な印象ですが)基本的にかなりシビアで重たい作風であって、それが長編の場合、読んでいてかなりきつく感じることもあるのですが、短編の場合には、それが適度に物語を引き締めていて、良い方向に働いていると感じます。

 個人的に一番面白かったのは、沖田総司の死の背後に、驚くべき人物のおぞましい意図の存在を仄めかす「沖田総司の貌」。総司の死の真相だけでなく、有名のあの末期の言葉に隠されたものの解釈も「なるほど!」と思わされるものがあり、剣豪作家・伝奇作家としての新宮先生の凄みを感じました。


 しかし、「武蔵羅切」である人物から深手を負わされた宮本武蔵が、その後、阪神タイガースのピンチヒッターとして江川と対決するとは(本当、本当だって! 詳しくは「ピンチヒッター・武蔵」「武蔵を仆した男」所収)をご覧下さい)、全く(新宮先生の奇想は)油断ができません。

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「勝敗一瞬記」(新宮正春 集英社文庫) Amazon bk1


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2005.04.02

柳生十兵衛七番勝負

 昨日から始まりました村上弘明主演のNHK金曜時代劇。
 この時間帯はずっと人情ものばかりで、それはそれで悪くないんですが…と思っていたらバリバリのチャンバラもの、そして原作は津本陽先生ということで、期待していいのやらどうなのやら…と思っていましたが、いや、何というか気持ちいいくらい真っ正面からの「TV時代劇」(例えて言うならばほりのぶゆき先生がネタにしそうな)でなかなか楽しく観れました。

 出演者的には、夏八木さんの宗矩は剣士としての非情さと政治家としての生臭さが適度にブレンドされていてなかなかはまっていましたし、個人的には痩せ浪人を演じさせたらピカ一と思うところの佐々木蔵之介が若き日の由比正雪を演じているのがうれしい。陰があるというか暗いというかな二枚目を演じると非常にはまる高野八誠が忍者役というのもマル(この方、ちょこちょこ時代劇に出てくれるので嬉しいです)。
 …まあ、ヒロインが小沢真珠というところで一気にB級感が増しますが、それはそれで妙な安心感があります。

 しかしレギュラー陣以上に楽しいのはゲスト。次回第2話には「新選組!」で永倉新八を好演したぐっさん(山口智充)が登場するのも嬉しいですが、第4話には伊吹“無用ノ介”吾朗が、そしてそして、いつだかわからないけども特別ゲストとして千葉真一が宮本武蔵役で!! 

 …というわけで、この先がかなり楽しみになっています。
 唯一気になるのは、村上弘明がど~も柳生十兵衛に似合わないことくらい…ってそりゃ大問題ですが、まあそこも味の一つとして観ていこうと思っている次第です。

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「柳生十兵衛七番勝負」(公式サイト) 原作本↓

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2005.04.01

サイドバーにgooブログ検索の結果を

 このブログは俺のチラシの裏だ! …というわけで、備忘録代わりに今日のカスタマイズについて書いておきます。

 あちこちのブログをフラフラしていたら、gooブログ検索の結果を、サイドバーに表示しているところがありました。
 なるほど、ブログやサイトじゃなく検索結果をリアルタイムで見れるわけね、面白い! と思って真似しようと思ったのですが、やり方がよくわからない。
 あちこち探した結果、ようやくそれらしいことができるようになりました。それが左サイドバーの「[伝奇]でgooブログ検索」というやつ。

以下、(ココログでの)設置の仕方を順番に書くと、


1.RSSの取得
 gooブログ検索で[伝奇]という単語で検索。
すると、「・このキーワードの最新の検索結果をRSSリーダーでチェックしよう!使い方はこちら。」という表示の右脇に小さく「XML」という表示があるので、「右クリック→ショートカットのコピー」します。

2.JavaScriptの作成
 Callbee Feedの、RSS出力・編集に行き、「RSS URL」の欄に、1.のRSSを貼り付け。
 ここでは、表示する記事数や日付の有無なども選択できるので好きに選びます(ちなみに、記事内容を表示しない時には「記事内容の表示文字数」に「n」と入力すればよいようです)。
 プレビューボタンを押すと、完成イメージが見れるのでチェックした後、出力ボタンを押すと、JavaScriptが表示されるのでこれをコピペ。

3.サイドバーへの設置
 ここからはいつものJavaScript設置と同じ。
 ココログの「マイリスト」でリンクタイプのリストを新規作成
→「設定」の「メモの表示」で「テキスト表示」を選択
→「項目の追加」でメモ欄に、2.のJavaScriptを貼り付け
→「デザインの編集」で、このマイリストを好きな場所に表示

4.デザインの編集
 設置するだけならば3.まででOKですが、素のままだとシンプルすぎる…ので、2.のCallbee Feedで、CSS選択・編集に行きます。
 ここは2.のJavaScriptに反映可能なCSSのテンプレートがあらかじめ用意されているので、好きなのを選びます(うちのブログではここの「マルーン」を使っていますが、うちのブログのサイドバーに置くのにいいような形に修正を加えてます)
 で、3.で貼り付けたJavaScriptの下に続けて、以下のようにソースを貼り付ければCSSが反映されます。

<style type="text/css">
<!--

<<この部分にソースを貼り付け>>

-->
</style>

 以上、何とかそれなりの形のものが設置できました。
 まあ、ド素人が勉強しいしいやったものなので間違いや無駄もありそうですし、たぶんもっと効率の良いやり方もあるのでしょうが、まずはこんなところでチラシの裏終了。

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