時代小説に隕石 あるいは幸せな妄想
と、暴れん坊将軍というか時代劇に彗星&隕石の話の続き…いやむしろおまけ。
先のエントリで「吉宗が江戸の花火職人にこしらえさせた大玉で彗星を迎撃するエピソードと思いこんでいた」と書きましたが、何でこんなこと考えたかというと、実は理由がないでもない。それに近いシチュエーションが時代小説上ないこともなかったのです。
朝松健先生のだいぶ前の作品で、「妖戦十勇士」という作品があります。諸般の事情で惜しくも2巻まで書かれた時点で中絶、リメイクとも言うべき「真田三妖伝」のシリーズが発表されたことで、続く見込みは残念ながらまずないと思うのですが、その第2巻のラスト。
これはもう上記のような事情の作品なのでネタバレさせていただきますが、このラストでは、十勇士と対立する徳川方の妖術者・林羅山が、ペルシア妖術「星辰落乱」により、アステロイドベルトの小惑星を地球目がけて呼び寄せるという衝撃的展開。そしてシチュエーション的に、どうもそれを迎え撃つのが、伊達政宗と大久保長安が極秘に開発した、鉱山の坑道を丸ごと砲身とした超々遠距離砲「鉱山砲」らしいという――
いや、作者ご本人は嫌がられると思いますが、この先の展開読みたかったなあ…本当に勿体ない。あ、あくまでも鉱山砲で迎撃というのは私の勝手な予想ですが。
しかし、今後このような豪快かつ燃える展開を時代小説で見ることはできないものか!(何故時代劇に限定するかは、筆者がそういう病気なので気にしない)と思っているところですが――一人いました。今後やってくれそうな方が。
いや、きっとやってくれるはずですよ、朝鮮妖術「護螺栖」とかいって! まあ、友景さんの活躍で、日本を狙ったはずが半島に落ちちゃうんですが。
と、連休初日からある意味幸せな妄想にひたりつつ、おまけの話おしまい。
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コメント
「妖戦十勇士」のラストって、そういう展開でしたっけ。本日初めて知りました。いえその、執筆してた時は脳外科に入院中で、退院してからは一度も読み返しておらず、なんと申しましょうか。やっぱり42度近い熱にうなされて点滴だらけで書いただけのことはありますね。石川賢先生か伊藤勢先生の描かれた漫画版を死ぬまでに読んでみたいです。いや、マジで。ホントよ。
投稿: 朝松健 | 2006.05.03 19:57
せ、先生…素敵なお話をありがとうございます。
確かに朝松十勇士はコミックでも読んでみたいですね。
投稿: 三田主水 | 2006.05.03 21:00
おお、その漫画版は是非是非読みたいですねえ。
できれば両先生とものを。
荒山先生ならそれくらいやりかねませんが、
それだけ無茶をやっても、蓋を開けたら
きっちり史実オチが付きそうなところが
あの先生の一番凄いトコな気が。
投稿: 神無月久音 | 2006.05.03 21:58
神無月様:
まずオチありきで物語が作られているのが恐ろしいところかと。さらに民明書房スタイルでそれを補強。一分の隙もありません。恐ろしや
投稿: 三田主水 | 2006.05.04 22:15