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2006.10.01

「夢源氏剣祭文」 漫画連載本格スタート

 既に先月号からプレスタートしているものなので今頃紹介するのもなンですが、「時代劇漫画 刃-JIN-」誌で、「夢源氏剣祭文」が漫画化されています。

 「夢源氏剣祭文」の原作については、このblogでも以前に紹介しているのですが、鬼の毒により千年の魔鬼となる宿命を背負った少女・茨木を中心に描かれる平安御伽草子であり、平将門、藤原純友、八百比丘尼、安倍晴明、芦屋道満、藤原道長、渡辺綱、金太郎などなど、平安のオールスターとも言える豪華な顔ぶれで展開される物語には、読んでいてずいぶんとわくわくさせられたものです。

 最初漫画化の報を聞いたときには、一体誰が絵を描くのだろう、あの雑誌の執筆陣で漫画化すると、とンでもないものになるのでは…とちょっと心配しましたが(失礼な奴だな)、主に中国ものの漫画・挿絵などで活躍されている皇なつき氏が作画担当ということで、なるほど、些か意外ながら実にふさわしいチョイスだわいと感心いたしました。
 本格連載第一回の今回は、山中で病み付き倒れた母のために水を汲みに出た茨木の前に、奇怪な男が現れ…というところまで。原作で言えばまだまだほんの序章の始めの部分というところですが、可愛らしくも儚げな茨木の姿は、こちらが抱いていたイメージを壊すことなく、流石は…という印象です。

 正直なところ、月刊誌でこのペースだと完結までにどれほどかかることか…という心配はありますが、長い時の流れを背景にしたこの物語、あまり急くのも無粋な話かもしれません。こちらも腰を据えてじっくりと付き合っていきたいと思います。

 …と、最後に白状しますが、この原作、私大好きなンですが、あまりにも普段の作風と違うので、半分ネタ、半分本気で「実は小池一夫違いでは…」と思っていたのですが、ああやっぱり本当に小池せンせいの作品だったンだなあ…とホッとしたようなそうじゃないような。あ、そうすると円満完結を期待するのが間違ってるのかしら
 ――いつもの作風でやったら、それはそれでもの凄いものができるような気がしますが。とりあえず、八百比丘尼は絶対脱いで仁王立ちするンだろうなあ。

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