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2006.11.18

「幕末機関説 いろはにほへと」 第七話「蒼鉄動く」

 五人の悪鬼羅刹も倒されて、話の方は一段落、今回はつなぎの話…かと思いきやさにあらず、史実を覆しかねない事件の起こった今回。サブタイトル通り、これまで自体を静観していた蒼鉄先生がいよいよ動き始めます。

 …と、何故か窯元で焼き物の注文をしている蒼鉄。えらく厳しい表情で、焼き上がる壷(?)をチェックしては、ああでもないこうでもないと叩き壊していきます。いきなり番組が変わったかと思いましたが、この窯元は高麗の里。あの耀次郎と縁の里であるからして、蒼鉄の道楽というわけでもないわけで――

 一方、悪鬼羅刹を倒して真の黒幕である中居屋の名を満天下に晒したにもかかわらず、結局大きな動きもなく無為に過ごすのは赫乃丈一座。ボーッとしながら蒼鉄の出会いなどを思い出していますが、やはり元々思うところあって一座に接近してきた様子であります。
 そんな中、何となくいい雰囲気になる耀次郎と赫乃丈ですが…まあ、赫乃丈毎回命救ってもらってたしなあ。キリコほどでないにしろ鉄面皮の耀次郎は何を考えているのかわかりませんが、しかし赫乃丈の口ずさむ唄に反応を示していましたが…

 主人公側がそんな暢気に過ごす一方で策謀を巡らすのは悪人側。品川の薩摩屋敷で行われた勝海舟と西郷隆盛の歴史的会談が平和裡に終わり、江戸城無血開城がなされるやに思われたとき…乱入してきたのは完全に中居屋側についた左京之介、西郷と勝に拳銃を突きつけ、その場を押さえます。そしてその後から現れた中居屋は「覇者の首」を携えていて――その魔力に憑かれた勝と西郷は豹変、和平が一転して全面対決ムードに。このままでは歴史が、歴史が…WJ架空戦記だけは勘弁して下さい。

 そして事態が風雲急を告げる中、一人薩摩屋敷に向かう蒼鉄ですが、その手中にあるのは、高麗の里で焼かれていた壷。それこそは、かつて徐福がこの国に「覇者の首」を封印するために運ぶ際に使われたものと同じ器で――さて、蒼鉄はこの壷を如何に使うつもりなのか、というところで以下次回。

 さて、そろそろ作画がやばくなってきた感もある今回、場面によってはキャラの顔がずいぶん違った印象になっていたりしましたが、これはまあよくあること(いや、本当はいけないんですが)。
 アクションシーンはさほど多くなく、完成した徐福の器を持ち去ろうとする蒼鉄を、高麗の里の剣士・新佐衛門が襲うシーンが目立ちましたが、このシーンが久々のちゃんとしたチャンバラ。殺すことなく新佐衛門の戦闘力を奪う蒼鉄の強さが印象的でしたが、その太刀さばきがしっかりと剣法していて、本作のウリの一つである殺陣を久し振りにちゃんと見せてもらった気がします(作画はこのシーンもナニでしたが)。

 そういえばこの徐福の器の装飾(?)であり、耀次郎の月涙刀の柄の意匠でもあるとして今回語られた「カイチ」ですが、これはおそらくこの カイチのことでしょう。中国にも朝鮮にも縁のある霊獣であって、徐福がもたらし、「高麗」の里に伝わる存在としては適しているように思えます。

 そして次回は「仇討本懐なる」。仇討ちということはやはり赫乃丈たちの中居屋に対するものかとは思いますが…第八話でもう仇討ち成就? ずいぶんと早いようにも思いますが、さて…


 ――あ、耀次郎の出番が赫乃丈といい雰囲気になるくらいしかなかった。 基本的に赫乃丈がピンチにならないと動かないんじゃないのか、この人…


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