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2007.01.28

「幕末機関説 いろはにほへと」 第十六話「同行四人」

 北への旅を続ける耀次郎と赫乃丈は、会津で白虎隊の少年・惣之助と、土方歳三に出会い、米沢まで旅を共にする。既に官軍の勢力下にある城下に嫁いだ姉の身を案じて隊を脱してきた惣之助の想いを叶えるため、耀次郎と土方は偽決闘を演じて官軍の目を引きつける。そして会津に戻るという惣之助と別れ、松島までやって来た三人は、遂に覇者の首の憑いた榎本艦隊に追いつくのだった。

○いきなり変調をきたして倒れる赫乃丈。それでも耀次郎は「座長!?」なのが何とも。そして赫乃丈を宿屋に担ぎ込んで寝かしつけた耀次郎。そこで聞こえてくる微妙な、本当に微妙な感じの歌声は…耀次郎が歌う手鞠歌でした。そして意識を取り戻して一緒に歌い始めた赫乃丈を見る耀次郎の目が優しすぎる。

○白虎隊士の惣之助を追う官軍を叩っ斬る耀次郎。が、止め絵で見せるだけの手ェ抜いたチャンバラシーンにはがっかり…一方、赫乃丈は白い月涙刀を手に覚醒して官軍の隊長に刃を振るいます。斬った後に意識を取り戻して慌てるのはお約束。

○そしてその場に土方が。出会うなり沖田の最期の話を始める耀次郎が、らしくてオカシイ

○色々あって同行四人の旅に。この時、土方が、常にすぐに鯉口が切れるように手をやっているという描写がキャラを立てていて良いですね。

○姉の嫁ぎ先へ走った惣之助を見送った後、いきなり京での遺恨があったと言い出す耀次郎と、その真意を悟って応える土方。二人の呼吸の合いようが愉快です。

○隊士から官軍の目を逸らすために、いきなり城下で決闘を始める耀次郎と土方。芝居がかった大仰な口上が楽しい場面です。土方に芝居の心得が? と聞かれて、門前の小僧と答える耀次郎の茶目っ気が素敵。にしても耀一郎って…w

○姉を慕う惣之助に沖田総司の姿を重ねる土方は、自分と共に北に向かわないかと誘いますが…それを断って城に向かう惣之助を見つめる土方の目が優しくて良いです。


 土方登場編の今回は、直接本筋とは関わらないストーリーではありますが、白虎隊という史実を拾いつつ、これから本筋に大きく関わるであろう土方歳三という人物のキャラを立ててみせた、なかなか良くできたエピソードであったと思います。
 その土方役は檜山修之氏で、ちょっと声が若いかなあ…という印象がなきにしもあらずですが、静と動の演じ分けがくっきりしている声優さんなので、ドラマの展開に合わせて、土方の様々な側面を演じてくれるものと思います。

 アクション的には、上記の通り不満な部分もありましたが、何よりクライマックスの、シリーズ前半で芝居の世界を舞台としていた設定をうまく絡めた展開が実に面白かったので、満足しています。ラストの、妙に気合いの入った演出も良い感じでした。

 そして次回――蒼鉄先生の魔手が土方に!? 一体どれだけ周囲の男を振り回せば気が済むんですか、蒼鉄先生…まさに魔性の男だよまったく。


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