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2007.03.17

「幕末機関説 いろはにほへと」 第二十三話「函館はあかく」

 度重なる任務失敗を詰られ、身分を剥奪された左京之介とチェス部隊は、最後の意地で榎本暗殺を決意し、五稜郭に潜入する。五稜郭最深部で榎本らを襲撃する左京之介らだが、土方と蒼鉄に次々と倒され、残る左京之介とクイーンは、ただ二人榎本に挑む。が、覇者の首の魔性の力に翻弄され、クイーンは恐怖に駆られて逃亡、それを首に操られるように左京之介は射殺してしまう。そして全てに絶望して自決せんとした左京之介の前に赫乃丈が現れ、それを優しく止める。一方、榎本に憑いた魔性を目の当たりにした土方は、耀次郎の行動に理解を示して…

 久々に神無左京之介が登場した――いや主役だった今回、しかし、左京之介ファンの黄色い悲鳴が色々な意味で聞こえてきそうなシーンの連続でした。
 冒頭、パークスにネチタラ嫌味を言われながら、用済みとばかりに身分剥奪され(一人一人の階級証を手ずからひっぺがしていくのが実に嫌らしい)、心にぽっかりと穴の開いてしまったチーム神無。チームの紅一点、メガネ巨乳セーラー服のクイーンなどは、たった二人で生きてきた兄が既に任務で死んでおり、虚しさはクライマックス。そんな寂しい彼女の前に現れた左京之介は、寂しいのはキミだけじゃないんだぜ、俺なんてサ…とばかりに陰のある男(実はマザコン)ぶりをアッピール。さらに「もしかしたら、俺は泣いているんじゃないのか…?」などと言いつつ目の前で無防備に大の字になったりして――お前寂しい女性の前でその行動は誘ってるだろ!? と言いたくなるような(耀次郎には間違えてもできないような)言動の連発で彼女のハートをキャッチ、そのまま二つの影は重なりあって…次の朝、シャツの胸元全開の左京之介と素足にセーラー服の上だけ着たクイーンの姿が何とも艶っぽい。

 そして潜入した先は、世界征服を企む榎本と蒼鉄先生の秘密基地(本当)。一体何の意味が!? と言いたくなるようなギミック満載の五稜郭最深部にいつの間にか潜入していたチーム神無は、まずは長剣の達人・ナイトが土方と対決。短いですが見応えのある剣戟の果てに破れ、満足げに倒れていったナイト…ある意味、彼が一番恵まれていたかもしれません。
 二番手・手榴弾使いのビショップは、ノリノリの蒼鉄先生を敵に回すという不運すぎるシチュエーション。ドSっぷりを発揮した蒼鉄先生に案の定散々翻弄された挙げ句、五稜郭の珍妙な仕掛けに引っかかって惨殺される有様。
 そして残るクイーンと左京之介の飛び道具カップルは、これまた相性最悪の榎本が相手。ある時はバリアーで、ある時は瞬間移動で悉く攻撃を無効化された二人は、初めて敵に回す人外の相手にガクブル状態、文字通り弓折れ矢尽きたクイーンは、恐慌を来して一人逃げだそうとしますが――榎本の魔性の囁きに狂わされ、自分の中に隠れていた母への憎悪を引き出された左京之介は、自分を残して逃げようとするクイーンに母の姿を重ね、銃を向けて引き金を――
 この番組一かもしれない悲痛なシーンの後、我に返って呆然とする左京之介の前に現れたのは、座長改め似非ジャンヌ・ダルク。その彼女に懺悔して左京之介は己の銃をこめかみに…ちょっ、もう勘弁して! と悲鳴を上げたくなりましたが、そこで似非ジャンヌに止められ、かろうじて存命。しかし自分の母と同じ顔で、しかも優しい似非ジャンヌ様に左京之介はもうメロメロで足に接吻状態…彼に幸せはあるのか。救いの神は無いのか。

 ちなみにその頃主人公は、キン肉星王族の戦闘スタイル似の覆面姿で市中を徘徊していただけ。ようやく榎本の異常さに気付いた土方が理解を示してくれたおかげで、少しだけ巧妙が見えたかも知れませんが…次回予告は土方が独占。一人で別の番組みたいなテンションです。大丈夫か、本当に…
 その次回のサブタイトルは「色は匂へど」。「いろはにほへと」という、内容と無関係に見えるこの作品のタイトルの謎が解ける?


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コメント

眼鏡巨乳ファンにはトラウマが残りそうな衝撃的な回でしたorz

しかし人相書きが出回っても白昼堂々大通りを歩ける秋月君の非存在感はもはや妖術の域かと。

投稿: 伯爵 | 2007.03.19 01:30

そういえばクイーンは妹キャラでもあったのでした。あれだけ属性を揃えたにもかかわらずあの扱い…さすが高橋監督だぜ<そお?

しかしクラスに一人はいましたよね、秋月君みたいな気配の薄いタイプの子。あの忍者覆面は、彼なりのアピールなのかも…

投稿: 三田主水 | 2007.03.20 00:18

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