「しゃばけ読本」 シリーズそのまま、楽しい一冊
今月末からNEWSの手越祐也さん主演でTVドラマも放送開始と、いよいよ絶好調の「しゃばけ」シリーズですが、その公式ナビゲートブックが発売となりました。
内容的には、巻頭にドラマのロケ現場レポートと、作者たる畠中先生と若だんな役の手越さんの対談に始まり、先生へのロングインタビュー、エピソードガイドにキャラクターガイド、時代用語解説に雑誌掲載時のイラスト再録など、まずはこういった類の本には定番のものとなっています。
正直なところ、上記のドラマ関連の記事と、畠中・柴田両先生のトークセッションレポート以外は、雑誌と公式HPである「しゃばけ倶楽部 バーチャル長崎屋」からの再録(特に後者が大半)で構成されており、そちらを既にチェックしている方にとっては、さほど新味はないかもしれません。
そういう意味では、万人におすすめと言えるかは微妙ではありますが、しかし、やっぱり一冊の本として構成されたのを見ると、また別の味わいがあります。そして何よりも、おそらく本書の想定読者層の一つである、ドラマ放映を機に新しくこのシリーズに触れる方にとっては、やはりこうして気軽に手に取れる書籍というスタイルを取ることは必要かと思います。
特に用語解説が、わずか六ページではあるのですが、実にわかりやすく、楽しくできていて感心します。これだけで一冊作ってもよいくらいに。
(もっとも…正直なところ、「バーチャル長崎屋」のスタッフが目立ちすぎなのはいかがなものかと)
千二百円という価格自体は安いものではないように感じられるかもしれませんが、百五十ページ強のうち約半分がカラーページということを考えれば、納得できるものがあります。
何よりも、作品自体の楽しいムードが、本書にも横溢していて、シリーズのファンであれば、是非一度手にとって見ていただきたいと思います。
個人的には柴田ゆう先生のファンになりました。
「しゃばけ読本」(畠中恵&柴田ゆう バーチャル長崎屋奉公人編 新潮社) Amazon
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