今週の「Y十M 柳生忍法帖」 忍法銅伯流…
作者サイトに、十一巻が最終巻と遂に示された「Y十M 柳生忍法帖」、いよいよクライマックス目前、というよりクライマックス突入。おそらくは五月には完結しそうなペースですが…
おとねさんの血を贄に、再び幻法夢山彦を使わんとする芦名銅伯。夢山彦で天海の苦しむ姿を見せつけて、沢庵ら惑乱させようということなのでしょう。
もちろんこれを止めようとする十兵衛ですが彼は徒手空拳、片や銅伯の手には白刃。いい加減鬱陶しくなったか、はたまた単にもののはずみか、十兵衛の身に銅伯の刃が――
が、そこに割って入ったのはおゆら様。その御胸で銅伯の刃を――受けた。
…受けた。
受けた。 orz
しかし、ここからがおゆら様の真骨頂。己の血に塗れた唇から紡がれた言葉…それは「忍法銅伯流なまり胴」!
なるほど、おゆら様は銅伯の体質を継いでいたのか!? と一瞬信じたくもなりましたが、しかしどう見てもおゆら様は瀕死。それでも自分は死なないと言い切るおゆら様のけなげさよ――
末期の願いか、口を吸ってとせがむおゆら様。十兵衛が、彼女の唇に唇を重ねたのは、決して沢庵に促されたからとは思いたくありません。
あれだけ淫蕩の限りを尽くしたおゆら様が、最期に望んだのは、乙女のような口づけだったとは…
しかし、収まらないのは銅伯。おゆらの胎内には、己の悲願である芦名復興の御子が宿っていたものを、己の手でそれを無にしてしまうとは――誤爆にもほどがある。ここで「おゆらは死ぬ!」と、自分とおゆらの違いを叫ぶ銅伯の台詞の内容は、原作での地の文で描かれていたことですが、ここで激高する銅伯の怒り・悲しみ・驚き・焦りが伝わってくるような叫びとして取り入れたのは誠に見事なアレンジかと思います。
そして銅伯は、床の血溜まりから娘の血を集めて啜り始め…ここで再び夢山彦を行おうとするものか、絶対的な勝利から一転、絶望の淵に転がり落ちた銅伯、何を企むか…というところで以下次週。
本作随一のヒロインの最期を描いた今回は(こういう感想を書いていてなんですが)何よりも一コマ一コマの絵の力が絶大で、漫画化されたことの幸せを噛みしめた次第です。
…実はおゆら様は双子で、容姿は瓜二つだけど天女のような妹がいて、とか想像するとちょっと幸せになるなあ<現実逃避
(山風だったら二人が途中で入れ替わって、聖女と魔女も逆転したりしそうだけどな)
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