「歴史群像presents ものしり幕末王」 日本の夜明けはクイズが招く?
時代ものゲームを数多く手がけているグローバル・A・エンタテインメントと学研が組んでのニンテンドーDSソフトはこれで三作目。一作目の「ものしり戦国王」はなかなか面白い作品で本ブログでも紹介しましたが、二作目の「ものしり江戸名人」は、何とも「…」な出来映えで、さて本作は? といえば、これは一作目の流れを汲む、なかなかゲーム的アレンジの面白いソフトとなっておりました。
本作は、二十四の藩・組織に分かれた幕末の日本を、プレイヤーが選んだ「徹底佐幕」「武力討幕」「平和改革」の三つの思想のうち一つで統一するのが目的。まあ、思想という形ではありますが、国取り合戦であることは間違いありません。
そしてその思想統一の手段はといえば、各地に何人かずついる人物を説得して、自分の思想に共鳴させるというもの。その説得がクイズ形式というのは、まあクイズゲームなので当たり前(?)であります。
しかし本作最大の特長は、各地に定住している人物以外に、日本全国を飛び回っている志士の存在でしょう。プレイヤーが自分の思想を広めるのと同様に、彼ら志士も日本全国を飛び回って自分の思想を広げんとするのです。
この志士たちは、説得すれば仲間として同行してくれる(クイズの時に特殊能力で助けてくれる)のですが、しかし彼らを捕まえるのが容易ではない。偶然、自分の赴いた先にいればともかく、そうでなければ、まず彼らの知人を説得して、さらにそこでつながったつてから相手がどこにいるかを突き止めて、説得に向かわなければいけないのです(ちなみに、志士の知人が誰か、そして志士がどこにいるかを知ることができるのが「遊郭」というのがなんかスゴイ)。
と、ここまで書くと、オールドゲーマーの方であれば、アレに似ているな、と思われるかもしれません。そう、本作の雰囲気は、往年の名作ゲーム「維新の嵐」によく似たものがあります。
あの作品をもっとシンプルにして、クイズを盛り込んだもの、と思っていただければいいのではないでしょうか。
ちなみに肝心のクイズの方は、難易度が低いものは小学生レベルの問題ですが、高くなると、一般常識の範囲内では到底太刀打ちできないものばかり(○○事件で切腹した人間の姓と名を結べとか、天誅された人物四人を殺された順に並べよとか…)。
ちょっと問題数が少な目なのか、ダブり出題も結構あったような気がしますが、しかしクイズとしても、相当しっかりした内容であることは間違いはありません。
一風変わった幕末ゲームとして、幕末ファンの方は楽しめるのではないでしょうか。
「歴史群像presents ものしり幕末王」(グローバル・A・エンタテインメント ニンテンドーDS用ソフト) Amazon
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