「太王四神記」 第10話「玄武の目覚め」
火天会とヨン・ガリョの奸計により周囲と分断された宮殿を襲撃する火天会。キハと共に霊廟に逃れたヤン王は、タムドクがチュシンの王となることを妨げる二つの存在、自分とキハを除くため自害する。王の死を目撃したカクタンは、瀕死の状態でタムドクの元に向かうが、タムドクもまた奸計により追い詰められ、死の間際にいた。が、そこに駆けつけたヒョンゴの玄武の神器が覚醒する…
第二話まで感想を書いてしばらく間が空いてしまいましたが、面白く観てます「太王四神記」。ここ数回、王位を巡る暗闘が表面化し、主人公タムドクは遂に宮中を追われてしまいましたが、今回、前半のレギュラー二人が退場することに…
その一人がタムドクの父・ヤン王。自身、望まぬ形で王位に就き、タムドクに譲るまでの立場と自覚していたためか、いつも困った顔をしていたような印象がありますが、最後まで悲しい運命の方でした。
しかしキハが自分を刺したと誤解させてキハを巻き添えにし、ドラマをややこしくしてくれたのはさすがというか何というか…
が、個人的に大変悲しかったのは、近衛兵の女隊長カクタンの死であります。
このカクタンというキャラクター、正直なところ結構な脇キャラではありますが、男勝りの武人でありながら、タムドクに武術であっさりと捻られて以来縁を持つようになり、やがては…というマイナーキャラ好きには実においしいキャラ。
そんなわけで密かに注目していたのですが、今回遂に、キハの理不尽な朱雀パワーに叩きのめされて瀕死の身となりながらもタムドクの元に向かい、王の遺言と神剣を託して逝くという、(注目している人間にとっては)なかなかドラマチックな最期を遂げることとなってしまいました。
いや、これが荒山徹の小説だったら、あっさり赤忍者に惨殺されそうだから、まあこうして花道を飾れただけ良かったのかなあ…と変な納得の仕方をしてしまったり。
と、キャラの最期に紛れてしまいましたが、今回遂に玄武の神器がそのパワーを発揮。汚名を着せられて追い詰められたタムドク絶体絶命のピンチに、白銀に輝くドームが彼を守ります。
この場面を目にしたときには「やっぱり玄武はバリヤーか!」と変な感心の仕方をしてしまいましたが、バリヤーどころか時間まで止めてしまったのにはチト吃驚。
しかしそれ以上に感心したのは、この神器発動が、主人公の危機を救う単なる便利パワーとしてだけでなく、神王の証として物語中に意味を持ってくる点。普通王権の証は、剣やら冠やらのモノでありますが、こうした力の発動であれば、譲渡(強奪)も偽造もできないわけで、なるほどこれは疑いない証であります。
まあ、ファンタジーではお馴染みのパターンではありますが、本作では朱雀の力が敵方に落ちているのが、またややこしくも面白いところで――
さて、ヒョンゴさんの村に王として迎えられたタムドクですが、どうも頼りない印象。悲劇の連続に無理もないところではありますが、次回あたり「私に王の資格はない」「もう誰も傷つけたくないんだ」とかのダメワードを吐かないか、心配であります。
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