「無限の住人」 第一幕「罪人」
放送開始から時間が経っているのに今頃第一話というのもお恥ずかしいですが、ようやくアニメ版「無限の住人」第1話を見ることができました。第1話は原作の序幕、万次の妹・町が殺され、万次が悪党狩りを決心する部分までですが、アニメならではのアレンジも色々とあり、原作読者でもそれなりに楽しむことができました。
無駄にエロかったり、格ゲー的連続技を叩き込んだり、現代のビル街が出てきたり(東KYOタワー…)と何かとユニークなOPの後は、原作読者的にどうするのか密かに気になっていた賞金稼ぎ・序仁魚仏が、切支丹の隠れ社に変わったとはいえ(まだ原作では時代劇「的」作品ということだったのか、ここ堂々と教会が登場したのですな)ちゃんと司祭スタイルで登場。万次の不死身ぶりを見せつけた上で一蹴されるのですが…
次の場面では、原作ではまだ登場していなかったヒロイン・凛が、両親の墓に詣でるという形で登場。そればかりか、原作では中盤の登場だった幕府の新番頭・吐鉤群までもが登場、逸刀流統主・天津をスカウトする場面が挿入され、ちょっと驚かされました。
原作では20巻を超え連載中の作品を、いまアニメ化するということで、当然構成は色々と変わってくることと思われますが、原作中盤で大きな役割を果たす吐(さらに第1話ラストには百淋姐さんも顔見せ)がここで登場するというのは、なかなか面白い試み。私は、個人的には、どうせアニメ化するのであれば思い切ってアレンジして欲しいと思う質の人間なので、先がちょっと楽しみになってきました。
さて後半は、原作通り、万次と司戸菱安の対決なのですが…この辺り、二人の会話がどうにもマガジン辺りのヤンキーもの的で――まあ基本的に原作通りなのですが――今見ると別の作品のようで相当に違和感が。
この前後、町が登場するシーンに象徴的に彼岸花が使われていたり、菱安を叩き斬り、破落戸連中を前に町に弔いの言葉をかける万次の表情など、演出としてなかなか良い場面もあったのですが、アクションシーン自体はさほど…という印象でした。
さすがに絵は原作とは違うタッチとはいえなかなか丁寧でありましたし、放送前はどうかな…と思っていた関智一さんの万次も違和感なく、クオリティ的には悪くはないのですが、少なくとも現時点では良くも悪くも普通の「時代劇」になっていたなあというところ。
もちろん物語的にはこれからが本番、先に述べたようにどのように構成がアレンジされるかという期待もありますし、まずはお手並み拝見、といきましょう。
…しかし武士道を説きながら両刀を柄で連結した変態刀を取り出す斉藤応為辰政は笑い所なのか。
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