「太王四神記」 第21話「崩れゆく大軍」
気がつけばこの回を含めて残すところわずか四回となった「太王四神記」。サブタイトルは「崩れゆく大軍」、主人公のライバルたるヨン・ホゲ軍の崩壊を指すものですが、崩れていくのは軍だけでなく、彼を取り巻く全てなのでありました。
遂に力で高句麗王となることを決意したホゲ軍に対し、搦手で切り崩しにかかるタムドク軍は、ホゲ軍の兵士に対し凧から降伏勧告を投下(古今東西を問わずこういうことするのかなーとへんなところで感心)、初めは力で脱走を押さえ付けていたホゲですが、前回はホゲに賛同していた将軍たちも引くくらいの苛烈さに、かえって人心が離れていく始末。
と、そこに現れたキハがもたらしたのは、ホゲの父カリョが盗み出した二つの神器と―その―カリョの遺書。さらにキハがタムドクの子を身篭っていると知らされた(それでいてホゲに頼ろうとするキハ様マジ真っ黒)ホゲは、軍(武力)と父(政治力)とキハ(愛)の全てを失ったことに…
と、主人公そっちのけでホゲの方に目が行ってしまった今回。今まではその余りのダメ人間ぶりが目について、個人的には感情移入しにくかったホゲですが、今回はさすがに可哀相になりました。
何せ相手は天に選ばれた伝説の神王。それでも能力的には決してひけをとらない間柄であったはずが、ボタンの掛け違いが積もり積もって、いつの間にやら自分は孤独な暴君に…
天に挑もうとした凡人の悲劇、といえばそれまでかもしれませんが、しかし酷いといえばあまりに酷い話。今回の冒頭で、天道に対する疑問、人間が努力していく意味を投げ掛けながら自決したカリョの姿にも、頷けるものがあります。
もちろんタムドクの方はタムドクで、無理矢理背負いこまされた運命のおかげで多くのものを失っているわけで…老若男女にモテモテなのが救いですが。ていうかチュムチの王様デレっぷりは異常。
(もっとも今回は、契丹との会談の場面などの強圧ぶりにちょっと違和感。あの状況に置かれた高句麗の王としては、おそらくあれがベストの選択と思いますが)
さてその失ったものであるキハとスジニの両ヒロインは、奇しくも辺境の地で再会。キハを姉とは知らず、その命を狙うスジニですが、しかしキハは今まさにタムドクの子を生もうと…というところで次回に続く。
タムドクとホゲ、火天会長老との決着で物語が終わるとすれば、あと三回という話数は、多いような少ないような…さて。
にしても共に寡黙なちょい美形に尽くされている辺り、似てないようでもやっぱり姉妹だなあ…
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