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2008.09.14

「太王四神記」 第22話「最後の守り主」

 残すところわずか三回となった「太王四神記」ですが、本当にあと三回なのかと思ってしまうほどの急展開の連続。登場人物のほとんど全員に何かしら動きのある、相当に慌ただしいエピソードでした。

 運命の皮肉か、生き別れの妹スジニの目の前で、姉妹共に愛したタムドクの子を生むこととなったキハ。キハは敵としか認識していなかったスジニですが、サリャンからいきなり真実を告げられた上に赤ん坊まで托されて大混乱(最初は半笑いだった表情が凍り付いていくのが面白い)。
 そのサリャンも、大長老の盾にされてキハの刃を受け、真実を告げる間もなく絶命。あっけないといえばあっけない最後ですが、キハの子を救ったのだから以て瞑すべきか…

 一方、内乱で崩壊した自軍から数騎落ち延びたヨン・ホゲは、前を契丹軍、後ろをタムドクに挟まれてまさに四面楚歌(国は違いますが)。
 しかしホゲのついでにタムドクの首まで欲した契丹軍の暴走と、こっそりとホゲを逃したいタムドクの思惑が悪い意味で合致して大乱戦に…。まあ、高句麗無双というかヨン様無双なんですが。このシーン、血闘に似合わない秋の静かな日差しの下で大殺戮が展開されるのが、妙に印象に残ります。

 そこまでして生き延びさせたかったタムドクの情けを拒んだホゲの一刀からタムドクを庇ってチュムチ死亡というサプライズ――いや、前回「この戦いから帰ったら…」などとタルビに言っている時点でもの凄い死亡フラグだったのですが――があったと思ったら、実はチュムチは白虎の神器の持ち主だったので何だか復活しましたという忙しい展開。せっかく引っぱりに引っぱった白虎の神器の持ち主が、予想通り過ぎる人間のところにあっさりと…しかし、タルビのことは一言も言わずに「王様…」と呟いて王様の手を握って息絶えるチュムチはマジ危険。
 結局、そのどさくさに紛れてホゲはどこかに逃走してしまい、この辺りから、もしかして尺足りてないんじゃ疑惑が沸々と…(まあ、ノーカット版ではもう少し描写があるのかもしれませんが)

 さらにいつの間にかキハに拾われていたホゲは、キハと共に火天会の本拠・阿弗蘭寺に向い、そこでキハは子供の生存を知るというこれまた急展開…この辺りも、以前のペースであれば一話くらいはかけていたように思いますが、やはりずいぶんとお話を急いでいる印象があります。

 というように、終盤に入って話をまとめに入ったか、ずいぶんと一話に詰め込んだ印象のある今回。あと二回で火天会と対決し、ホゲと最後の決着をつけ、タムドクとキハ、スジニの三人の関係に決着をつけ…というのはまあできないことはないかと思いますが、さて手綱捌きを誤ると大変なことになるような気もいたします。

 しかしそんな今回で一際印象に残ったのは、既に失うものもなくなったキハが、同じく全てを失ったホゲに対し、自分たちの運命をもてあそぶ天と戦う――たとえそのために地上が地獄と化したとしても――という決意であります。たとえ天に見放されても、自分の運命は自分で決めるという強い言葉は、本来なら主人公の台詞だよなあ…と思わないでもないですが、しかしこれまで苦難を重ねた彼女の言葉だけに、響くものがあります。
 …というわけで、残り二回、このやさぐれ地獄カップル(阿弗蘭寺でこの二人が大長老と並んでいるともう完璧に特撮ものの悪役に…)の動向が大いに気になってきたところであります。


 にしても大長老、何だかわけのわからないパワーアップをしてましたなあ…髪型が。


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関連サイト
 NHK 総合テレビ公式

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