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2008.10.05

「BRAVE10」第4巻 そして八番目の勇士

 戦国アクションファンタジーコミック「BRAVE10」も、もう単行本四冊目。真田幸村の下にこれまで集った勇士は七人、そこに八番目の勇士が登場することとなります。

 ヒロイン伊佐那海の秘密を巡り、第三巻では出雲、そして奥州で激闘が繰り広げられましたが、今回の舞台は真田の本拠、信州上田。
 前半では第八の勇士、三好清海入道の登場が、そして後半では伊達家の刺客、二代目石川五右衛門一党との死闘が描かれます。

 三好清海入道といえば、真田十勇士では佐助、才蔵に次ぐ有名人。当然のことながら、これまで様々な作品に登場しているのですが、しかし、他の十勇士に比べると、キャラの幅が狭い――ほとんどの場合、豪快で怪力だけどおつむはちょっと、の巨漢坊主――のも事実。
 果たして本作での清海入道は…と心配半分興味半分で読んでみれば、これが、既存のイメージを踏まえつつ、なかなかユニークなキャラクターとなっておりました。

 この「BRAVE10」版清海入道、ムサい怪力巨漢坊主というのは予想通りでしたが、面白いのが、諸国修業の果てに、「神仏はみな同じ 信じた数だけ救われる」という、ある意味とんでもない結論に達した怪人であること。
 なるほど、今までの清海入道は、ほとんど皆僧形であっても、宗教者としての側面を持っていた作品は数える程度。その宗教という要素を(いかにもこの作品らしいムチャっぷりですが)持ってくるとは、ちょっと感心いたしました。

 さて、後半に登場するのは、二十面相…ならぬ石川五右衛門の娘。伊賀秘伝――そういえば五右衛門といえば元々フィクションの世界では才蔵とは因縁の間柄でした――の毒薬を用いての奇襲で、才蔵たちを苦しめることになります。

 その中で、才蔵は、伊賀者としてではなく、真田の勇士としての自分に目覚めることとなるのですが――
 正直言って、まだ目覚めてなかったんかい!? という感はありますが、そこまでの物語の中で、少しずつ、伊賀者の生き様と真田での生き様の違いを描いてきたこともあり、才蔵の成長を描くイベントとしては、悪くない印象でした。

 さて、残る勇士はあと二人。いずれも本作らしく、一筋ではいかない連中だと思われますが――さて。


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