魔人ハンターミツルギ 第11話「地獄の狛犬コマンガー!」
夜な夜な町を襲う怪獣コマンガー。その行方を追うミツルギ三兄妹は、愛犬ゴローを連れた盲目の少女おちよと出会う。だが彼女は、自分の目が見えるようになることと引き替えに魔人サソリの手下となっていた。おちよの罠に苦しみながらも、ゴローが変身したコマンガーを粉砕したミツルギ。なおも三兄妹を狙うおちよだが、誤って命を落とすのだった。
・突然夜の町に出現するコマンガー。家の数倍程度という、襲われたらイヤな大きさが恐怖感を煽ります。ひ、人を食べてる!
・翌朝発見される、口の回りにべったりと血(たぶん)がなすりつけられた狛犬。単純だがすごいインパクトです。
・狛犬を厳重に封印して見張る役人たちを襲うサソリ忍者。銀河兄さんが狛犬は囮だ、と言ったそばから、狛犬が変化してコマンガー出現…コマンガーの吐いた炎を忍法火消しの術(手榴弾から雨を降らす)で消しているうちに怪獣は姿を消すのでした。
・恐怖から集団ヒステリーに陥って犬をリンチにかける町の人々。何という厭なリアリティ。その凶行は、盲目のおちよの友であり杖代わりである愛犬ゴローにまで…見るに見かねて止めた三兄妹に、お礼にと家に招くおちよ。
・おかゆを振る舞われる三兄妹ですが、銀河だけは何やら怪しいそぶり…こんな健気な少女を疑う兄さん、弟たちに解毒剤を手渡す念入りっぷりですが、さすがについていけない二人は結局飲まず…
・三兄妹が去ったと見るや、何だか突然魔女メイクになったおちよ。魔人サソリは、目を見えるようにするという約束で彼女を配下にしていたのだ! そんな彼女に、徹底的に命を奪え、とまた変な日本語を使う魔人さま。
・おかゆに混ぜられた痺れ薬に苦しむ彗星と月光。そこにおちよの命を受けたサソリ忍者たちが襲いかかります。思うように体が動かず大ピンチの二人。
・樹上から地面に落ちて矢をかわすもそこには突き立てられた刃が! と、危機一髪、岩に変身してかわす月光。あんたはカービィちゃんか
・結局敗れて捕まった二人。さっさと殺せばいいものを、二人を吊り下げて意識を失うまで待つサソリ忍者たち。案の上、銀河兄さんの忍法「霧隠れ」(青いシートを投げつけて、その隙に二人を隠す)であっさりと奪還されてしまいました
・おちよの命令でコマンガーに変身するゴロー。三兄妹も巨大神ミツルギに変身して迎え撃ちます。
・腕に噛みつくがあっさり振りほどかれるコマンガー。余裕ブッこいたミツルギに来い来いと挑発され、襲いかかれば逆に背中に乗っかられ、火炎弾であっさりと敗れるコマンガー…いやゴロー。
・これでおちよの目も覚めたか…と思いきや、再び魔女顔になって仕込み杖片手に襲いかかるおちよ。その一撃を軽々とかわす銀河ですが、彼女は倒れた拍子に自分の刀で…おちよは、どれほど世界をこの目で見たかったか切々と訴えつつ息絶えるのでした。
大変間が空いてしまいましたが「魔人ハンターミツルギ」紹介、今回はおそらくストーリーの完成度という点では、「ミツルギ」随一のエピソード。
子供のペットが、知らぬ間に実は怪獣に改造されていて、とか、子供が知らぬ間に悪に利用されて、というのはまま見受けられるパターンですが、今回はあくまでも自覚的に敵に協力していたというのが意表をついた展開であります。
子供、それも障害者が悪の手先という、子供番組の掟破りな設定に加えて、それと戦うのが、自分の敵には全く容赦しないミツルギ三兄妹(というより銀河兄さん)という、ある意味最悪の組み合わせ――その結果、全く救いのない結末に、視聴者はズドンと重い気持ちのまま放り出される今回の脚本は、やはりまつしまとしあき氏でした。
やりようによっては(今でも十分かもしれませんが)相当に湿っぽくなりそうなストーリーを、あえて突き放したようなドライさな味わいとしたのも、氏らしい手法とも思えます。
本作からあえて一本、というのであれば、間違いなく私は今回のエピソードを選びます。
<今回の怪獣>
コマンガー
おちよの連れている黒犬ゴローが変身する狛犬型の怪獣。口から火を吐き、空を飛ぶことも出来る。夜な夜な神出鬼没に町を襲い、人を喰らったが、戦闘力はさほどでもないのか、ミツルギの火炎弾連打にあっさりと粉砕される。
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