「必殺仕事人2009」第02話&第03話をまとめて
今週は「必殺仕事人2009」はお休みということで、ちょうど良いのでまだ書いていなかった第二話・第三話の感想をまとめて。
第二話は、辻斬りを繰り返す名門道場の跡継ぎがターゲット。そうとは知らずに跡継ぎの付き人となった浪人の青年が、道場から抜けようとした末にリンチで死に、その母も口封じのために…という展開であります。
無差別殺人ネタということで、別の題材を想像していましたが、蓋を開けてみればホームレス狩り+αといったところでしょうか。青年の最期はもっと悲惨なものになるかと覚悟していましたが(無実の罪を着せられて詰め腹を切らされるとかね)…これでも十分悲惨なお話ではあるのですが。
ちょっと面白かったのは、いかにも人格者的な言動を見せていた道場主が、青年の母に難詰されるや、自分の息子を守るためにあっさりと母親を殺してしまうところで――てっきりこの道場主もバカ息子に殺されるかと思いましたが(よく考えたら目黒祐樹が演じているんですから、それはないのでしょうが)、やな感じで父親ぶりを発揮してきたのはちょっと変化球でした。
一方、第三話は、正体不明の浮世絵師・酒楽にまつわる金と欲を描いた一編。理想家肌の性格から職をなくした絵師が、病に倒れた妻のために浮世絵の版元・鶴屋で働くようになるも、その仕事というのがニセ酒楽(というか二代目酒楽)。結局、意に添わない内容を強いられるのに嫌気の差した絵師は仕事を辞めようとするも、口封じのためにバッサリ、その事実を知った妻も(またかい)…というお話です。
今回は時事ネタではないようですが、酒楽はもちろん写楽のもじり。写楽の正体については様々な説がありますが、その一つに版元が仕掛人となった複数作者説というのもあるので、その辺りから考えると面白い設定だったと思います。
さて…この両話の感想を一言で表せば――感想を書くときに一番使ってはいけない表現なのですが――普通に面白かった、ということになります。
決して面白くないわけではない、言われるほど悪くはないと思うのですが、第一話のような飛び抜けた面白さはなかった…というのが正直な気持ちなのです。
また、個人的に一番引っかかってしまったのは、両話とも、依頼人が存在しないということ。
どちらも、依頼するまもなく犠牲者が死んでしまい、その意を汲んで、犠牲者と知り合いだった仕事人が金を出す――という形式なのですが、これって普通のヒーローと変わらないんじゃ…という印象が強くします(一時期の必殺みたいに、依頼がルーチンになるのも困りますけどね)。
繰り返しになりますが、言われるほど悪くない今回のシリーズ。それなのに、ちょっとしたところが気になってしまうのは、「やればできる」ところを最初に見せてもらってしまったから…というのは贅沢の言い過ぎですが、しかし正直な気持ちです。
と、次回は何か(色々な意味で)凄そうな…これは期待。
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