「必殺仕事人2009」 第10話「鬼の末路」
予告の時点から嵐の予感に胸躍らせていた今週の「必殺仕事人2009」ですが、放送延長してなければ最終回直前の回であるためか、ここでチーム最大の危機が訪れます。
仕事人として人を殺めることに罪悪感を感じ、苦しむ源太。如月を守るためとはいえ、公衆の面前で仕事道具を振るってしまった涼次。
今回、年若い二人が陥った状況は、それぞれ内面的、外面的という違いこそあれ、これまで幾人もの仕事人にとって、命取りとなってきたものであり、仲間としても見逃すことはできません。小五郎などは、ヘマをすれば源太を斬るとまで言い切るのですが…
一方、それと平行して描かれるのは、無気力な若者による無差別殺人という、イヤな時事ネタ的内容の事件であります。
しかし、時事ネタ・定番ネタに見えても一ひねり加えてくることが多い(前回は除く)のが今回のシリーズの特長。果たして誰が依頼者で、誰がターゲットとなるのか、今回も二転三転、イベント編にも負けないインパクトの内容としてきたのはさすがかと思います。
しかしやはりただではすまない今回のエピソード。人数の関係もあるとはいえ、小五郎が仕事に加わらないという時点で、すでに番狂わせの予感だったのですが…
殺人鬼の青年を追いつめた涼次。しかしその場に、依頼者でもある標的の母が、見るに見かねて飛び出してきたため、涼次の顔が目撃される羽目に…
そこで母の手ごと標的の心臓に錐を突き刺す涼次も大概ですが、さすがに母は見逃そうとしたところに現れたのは小五郎。
これは仕事ではないが、これが仕事人の掟…と言わんばかりにその一刀は母親に振り下ろされ――
そして、何とも暗澹たる気持ちの中で聴いたエンディングの後に待ち受けていたのは更なるサプライズであります。
仕留め損なっていたため蘇生した標的に襲われ、なりふりかまわない暴力で返り討ちにした源太(とどめが庭石の一撃というのがもう…今回は、ジャニーズの三人がいずれも実にえげつない殺しばかり演じるのに驚かされます)。これだけでもかなりきついのですが、まだまだ終わりません。
その姿を源太は大河原同心に目撃され、さらに大河原の背後には小五郎が――
果たして小五郎の刃の向かう先は!? ああああ、何とも胃の痛くなるシーンで以下次回(それも三週間後!)。
というわけで、本筋だけでも十分面白かった今回なのですが、終盤の展開には完全にKOされました。
細かい部分では、色々とツッコミどころもありますし、源太の懊悩をもう少しこれまで描いていれば更に印象的になったと思うのですが、しかしこれだけ見せてもらえれば、まずは十分でしょう。
(仕事を終えた源太が、殺人鬼に殺された人々の途切れぬ葬列に行き当たるシーンの、和物ホラー的無闇な迫力たるや…)
これまでも正体バレで大ピンチ、というのはシリーズ終盤には毎週のようにありましたが、それが元で仲間を口封じ、というのは結構珍しいケースの印象。
番組も延長したんだし、ここでどうにかなるわけないよね? というこちらの甘い期待通りとなりますかどうか…さて「鬼の末路」や如何に。
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コメント
そういえば儀助が精神崩壊し、人生最後の黒頭巾に変化するトリガーとなった周囲の人間が全て自分を嘲笑う敵に見えるシーンでの映像効果とか音響も和製ホラー的に思いました・・・
しかし、もはや我々視聴者がそれを目にすることはなくなりましたが、もしも番組の評判が芳しくなく予定通り1クールで完結となっていた場合の封印された結末を想像すると・・・ひー
投稿: 伯爵 | 2009.03.22 01:58
伯爵様:
葬列シーンは、最初はやりすぎ感がありましたが、ラストに至ってはその非現実感が異常に迫力があって…
いやあ、そのまま予定通りの展開で行くかもしれませんよ
そして何ごともなかったように「生き別れの双子の弟」が出てくるとかw
投稿: 三田主水 | 2009.03.24 00:47