「必殺仕事人2009」 第11話「仕事人、死す!!」
中二週置いての「必殺仕事人2009」のサブタイトルは「仕事人、死す!!」。そのタイトルに偽りなく、命を落とすことになったのは…
今回退場となったのは、大方の予想通りからくり屋の源太。
数日前に日刊スポーツ紙上で記事になったり、放送時間が15分ほど延長になったりと、かなりの力の入れようで、最後の花道を飾ることとなったのですが――しかし、個人的には期待が大きすぎたせいか、どうも今一つ盛り上がれなかった、というのが正直な印象です。
前回のラスト、殺しの直後を大河原同心に目撃されながらも、主水や涼次の機転のおかげで――というより大河原の抜けっぷりのおかげで…大丈夫かオトコマエ!――何とか切り抜けた源太。
そんな彼の前に現れたのは、生き別れの母を名乗るお富。油問屋の大津屋が源太の実の父と語るお富は、彼を大津屋の跡取りにしようとするのですが…
実はお富は札付きの詐欺師。源太の母というのも偽りで、彼を利用して大津屋を乗っ取ろうとしていて――ということで、源太はお富に仕掛けることになります。
生き別れの肉親(今回は偽物でしたが)が極悪人となっていて、仕事の標的に…というのは、これは実にドラマチックであり、何よりもかの梅庵さんも経験している趣向。
人間臭い甘さがキャラの特徴だった源太の最後のエピソードとしては、悪くないストーリーだと思いますが…しかし、どうにも盛り上がらなかったというのが事実。
何よりもお富をはじめとする悪党連中の行動があまりに杜撰。源太を利用しての詐欺はともかく、それが失敗したら真っ正面から店に入り込んでの火付け強盗って…お前ら、鬼平の悪人たちに謝れ。
そして、自分自身の手でお富と決着を付ける道を選んだ源太が、結局殺せず、その甘さから致命傷を受ける、というのは良いのだけれど、それが、わざとらしく足を痛めたお富をわざわざ背負ってやった末に…という展開にはただ口をアングリ。
これは甘いというより、単なるバ○では…と、いささか下品な感想すら浮かんでしまいました。
重箱の隅を突っつくような言い方かもしれません。
しかし、仕事人の死という、ある意味物語中最大のイベントがあるからこそ、つまらない部分でドラマへの没入を阻害することは勘弁して欲しかった…とつくづく思います。
大倉忠義さん自体の演技は良かっただけになおさら…
良かったといえば、主水さんの「人は鬼になれるが、鬼は人になれない」という言葉、如月に金のためなら殺し以外何でもやると言われて複雑な表情を見せる涼次、何だかんだ言いつつも彼女なりに小五郎の心情を理解しているふくなど、うまいと感じさせられる描写も少なくなかっただけに、なおさら残念なところです。
さて、しかし何を言っても、もう源太は戻ってきません。放送は延長となりましたが、メンバーは一人欠けてしまった仕事人の明日や如何。
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コメント
はじめまして。11話の感想を読ませていただきあまりにも共感することが多くコメントさせていただきました。
まず10話のあの引きから11話での展開がどうなるだろうと期待して待った3週間。ところが不自然な矛盾した解決をして、次はとってつけたような母子物語。前回仕事人同志の殺伐とした話だったから今回もそれを本筋としながら、源太は鬼になりきれなかった甘さから殉職するという展開のほうがまだ感情移入できたと思います。あの死に方は殉職ではなく自業自得の無駄死にに受け取られますよ。仕事人はあんな桜が舞って(しかもセットとCG丸出しで萎えた)・・など過剰演出で美しく死ななくてもいいと思うのですが大衆演劇のように偽母とのやりとりもくどすぎて冷めてしまいました。本当に源太には好感を持っていましたし大倉さんの演技もだいぶん慣れてきてこれからも楽しみにしていたなかでの死・・・最期の回であんなバ〇な描き方をされて無念ですよ。引き込まれる部分も確かにあったのですが要所の所でストーリーと無駄な演出に、話への没入を邪魔されてしまいました。10話が良かっただけに本当に残念!もう終わったことですが、つい長々と書いてしまいました。すみません。源太の死をもって今後のドラマ展開に期待するしかありません。
投稿: ゆめ | 2009.04.13 01:50
ゆめさんはじめまして。
やはり今回は残念な部分が多かったですね。
僕も真っ先に「自業自得」という言葉が浮かびました…
好意的に解釈すれば意気込みが空回りしたのか…(本文では書きませんでしたが、あの桜は確かにちょっと引きましたね)
母子物語も良いのですが、そこに源太の死を絡める必要はなかった(源太を死なせなくても話は成立させられた)ように思えます。
源太の死を、残されたメンバーがどう受け止めていくか…それによって、初めて源太の死が無駄でなかったかどうかわかるのかもしれません。
投稿: 三田主水 | 2009.04.14 00:57