「必殺仕事人2009」 第14話「武士の異常愛」
今回の「必殺仕事人2009」は、ストーカー殺人ネタ。ストーカーを取り締まる側がストーカーになるという、時事ネタというよりは、欧米のサスペンスものにありそうなシチュエーションで、物語自体に新味はありませんでしたが、それなりに楽しめる一本でした。
予告で配役を知った時は、「大治郎何ということを! 親父さんが泣いてるぞ…でも山口馬木也ならきっとやらかすと思ってたよ」とか、「柴田恭兵がいればこんなことには…逸馬は役に立たなさそうだし」などと、つまらない中の人ネタが思い浮かびましたが、やっぱり山口馬木也はこういう一見まともそうな悪役(変態)が実によく似合う。
時代劇メインの若手役者という、まことに有り難い存在であり、ヒーローも悪役もどちらも演じることができる山口氏。
パッと見好青年的なルックスと、時に鋭すぎる目つきが、この対照的なイメージを浮かばせるのだと思いますが、今回の、ヒロイン・おゆうに変態的執着を見せる同心・森岡という役柄は、その両面的なイメージの氏にとって、はまり役であったと思います。
また、おゆうを演じた井上和香は、その肉感的な存在感と裏腹に漂う何とはなしの薄幸さ(三田さん今日は色々失礼なことばかり言って申し訳ない)が、これまた、ストーカーの犠牲になる平凡な女性役にピッタリであったと思います。
ある意味今回の主役である二人がそんなはまり役だっただけに、今回のエピソードも無闇にリアリティがあったかと思います。
(劇中の描写を見る限りでは、おゆうに出会うまでは、森岡がまあ真っ当な同心だったようなのが逆に恐ろしい――)
その一方で、森岡が自宅の地下蔵にこしらえていたお楽しみ部屋がえらく即物的イメージだったり、森岡の使う目明かしと子分のビジュアルと言動がマンガチックだったり(奉行所での子分の手つき、なにあれ)と、一見ツッコミどころも多いのですが、そういう部分がなければ、非常に陰鬱なお話になっていたかと思いますので、これはある意味仕方ないのだと思います。
ちなみにその目明かし・聖天の権三が、必殺に時折登場する怪物的キャラなのがまた面白いところ。
首には鎖で編んだ襟巻き、腹には鉄板を仕込むという無茶な防御力アップぶりがユニークで、そしてこれを如何に攻略するかと思えば、涼次と匳の二人がかり(正確にはお菊も加わっての三人)というのもまた楽しい。
今回も匳の技は今一つインパクトに欠けていたのですが、変則的な合体技ということで、まあ納得…でしょうか。
さて次回は涼次の過去話。組み紐屋以来の(だよな?)抜け忍キャラだけに、気になるところです。
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