「必殺仕事人2009」 第21話「最終章~仕事人狩り!」
まただいぶ感想の間を空けてしまったうちに、「必殺仕事人2009」も残りわずか二話、最終章突入であります。
その前編である今回は、予告では仕事人狩りに大老殺しということでしたが…これが予想もしなかったような入り組んだ内容でありました。
事の起こりは、小五郎の前に久し振りに現れた剣の師匠・雨宮。
大老の懐刀となっていた彼は、老中による大老暗殺計画を掴み、それを防ぐために逆に老中を暗殺すべく、仕事人を探していたのでした。
折しも江戸では、仕事人を名乗る鬼面の一団が暗躍。雨宮はこの一団に老中の暗殺を依頼するのですが、直後に正体が老中に露見し、雨宮は事を荒立てぬために文字通り詰め腹を切らされることになり、小五郎は師の頼みでその介錯を務めます。
「仕事人」に命を狙われていることを知った老中は、江戸市中で仕事人狩りを開始。無実の罪で捕らわれ、殺されていく人々の姿に怒りを燃やす小五郎は、雨宮の妻の依頼で、老中らを仕事にかけるべく、乗り込んでいくのですが…
と、ほとんど最終回のノリで展開する今回のエピソード、細かいところで粗がちょこちょことあったのは気になりましたが(思いっきり匳とお菊が標的以外に顔を晒していたり)、しかしクライマックスに相応しいスケールの大きなストーリーに終盤の大殺陣と、大いに盛り上がったのは間違いありません。
単に勢いだけでなく、物語に第三勢力として謎のニセ仕事人たちが絡むことで、通り一遍のストーリーとなっていないのも良い。官憲の手が及んで仕事人が追い詰められるというのは、これは必殺終盤ではお馴染みの展開ではありますが、今回仕事人狩りの引き金となるのがこのニセ仕事人の存在というのが、実に面白いのです。
そんなドラマ面を支えていたのは、もちろんキャストの熱演。そしてその中でも最も印象に残ったのは、やはり涼次でしょう。
冒頭からお菊に絡んだり(後で「涼さん」と呼ばれたり)、小五郎に微妙にデレったり、フラグを着々と立てていた涼次ですが、終盤、仕事人vs老中の配下vsニセ仕事人の乱戦の中、お菊を逃がすために、単身敵の群れに飛び込み、一世一代の大暴れ!
元忍者で暗殺系の技の仕事人が、多数に追いつめられてやむなく乱闘というと、イヤでも「必殺3」の組み紐屋を思い出してしまいますが、それはさておき、「荒野の果て」「鏡花水月」をバックに暴れ回る涼次の姿は、本当に印象的でした。
松岡君、本当にやりたかったんだろうな…
しかし今回のお話、冷静に考えたら、小五郎を巻き込んだり、ヘマやった上にあっさり捕らえられたり、偽仕事人に老中殺しを頼んだのをベラベラ喋って仕事人狩りの原因を作ったり、テキサス師匠が全部悪いような気がしてきました。
…いや、それは冗談としても、今回の事件で得をするであろう人物が一人いるのですが――さて。
そして次回は火野正平が拷問役に! 涼次が廃人にならないように祈ってます…
ところで、ちゅーしてたよね、涼次…
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コメント
いや、ホント今週の涼次は刀が折れた時の腹のくくり方までかっこよかったですね。
それにくらべて元忍びなのに闇雲にほうき振り回すのはどうなんだと今さら思い返してしまいました。
それにしてもあのタイミングで匳に「眼つぶっとけ」とか言われてしまった冤罪の人達の心中がしのばれてなりません。ポカーン
投稿: 伯爵 | 2009.06.22 21:53
本文にも書きましたが、あれは絶対役者自身の希望だと思います。気合いの入り方が段違い。
組紐屋は、必殺ファンのある意味トラウマなので勘弁してあげて下さい。
しかしあの匳の台詞の後に、小五郎の素顔を見られたら云々の台詞が入ったのは何というか、こう…
投稿: 三田主水 | 2009.06.24 00:59