「義風堂々!! 直江兼続 前田慶次月語り」第4巻 ついにあの男が登場!
大河ドラマの方はそろそろ終盤ですが、こちらはまだまだこれからの「義風堂々!! 直江兼続」第四巻。
前の巻で兼続の意外すぎる出生の秘密が描かれましたが、この巻ではそれを乗り越えた主従がいよいよ天下取りに向けて乗り出したところで…という展開であります。
この巻で描かれるのは、上杉軍と織田軍が正面から激突し、織田軍が大敗を喫したという手取川の戦。後世の視点から見れば謙信最後の戦いとなった戦ですが、本作ではそこでの謙信の痛快な「悪党」ぶりが描かれ、さすがの兼続も脇に回った印象です。
ちなみにこれまで信長や秀吉が登場した程度だった織田軍は、ここで柴田勝家・前田利家・丹羽長秀・佐々成政ら、有名どころが一挙に登場。佐々成政はちゃんと(?)「花の慶次」での顔ですし、一部では「守銭奴」呼ばわりの前田利家はそろばん弾いて銭勘定というツボを突いた描写でクスリとさせていただきました。
(というか、この辺りの武将が一同に会する軍議のシーン、それぞれの個性が妙な方向に噴出していて異様におかしい)
しかし、「花の慶次」ファン的に最大の注目は、若き日の石田三成がついに登場することではないでしょうか。
「花の慶次」の石田三成は、隆慶先生の文民ヘイトを体現するかのように、小役人的キャラクターを慶次にいじられ、おちょくられたキャラ(最後の最後で良いとこ見せましたがその直前が…)。もはや萌えすら感じさせられたあの三成の若き日とは一体!?
そんな間違った期待に胸躍らせていたところに登場した三成は、美形で毒舌の天才肌で武芸の腕もなかなか――という普通に格好良いキャラ。と思ったら、ファーストコンタクトで一騎打ちすることとなった兼続に一発でのされてしまうというナニっぷりで安心したというか何というか…
もちろん直江兼続と石田三成は、後に共に徳川家康に対抗することになる盟友同士。ファーストコンタクトはこんなでしたが、さてこの先、相当対照的な二人がいかに友情を育んでいくのか…これは色々な意味で楽しみです。
そんな偏ったファン目線は置いておいて、この巻の終盤ではついに謙信が逝き(最後の最後に謙信を父と呼ぶ兼続の姿は、ずるいと思いつつホロリとさせられます)、上杉家は後世に言う御館の乱に突入していくこととなります。
その激動の中、上杉家を背負うこととなる兼続は、どのような傾きっぷりを見せてくれるのか。お家を背負ったかぶき者の活躍に期待しましょう。
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コメント
はじめまして。
原哲夫&隆慶一郎ファンなら、必見のイベントがありますよ。
11月2日、東京・青山ブックセンターで特別トークショーです。情報まで。サプライズゲストもあるらしいです。
投稿: 坦々 | 2009.10.26 11:13
はじめまして。情報をどうもありがとうございます。
場所的にも遠くないので、時間の都合さえつけばぜひ行ってみたいですね。
サプライズゲストというのが何とも気になります。
投稿: 三田主水 | 2009.10.27 00:18