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2010.06.11

「BRAVE10」第7巻 決戦、五番勝負!

 ついに十勇士が集結! と思いきや、その十勇士の一人であるはずのアナスタシアが裏切るという非常事態となった「BRAVE10」。十勇士と強敵との総力戦も始まり、いよいよ佳境の最新第七巻であります。

 真田幸村の下に十勇士が集結し、伊佐那海の持つ力――物語の根幹に関わる秘密が語られるという、おそらくは物語の大きな山場の興奮も冷めやらぬうちに、裏切りを見せたアナ。
 十勇士がいきなり欠員!? と驚く間もなく、この巻開始早々登場するのは、宿敵・服部半蔵。神速・剛力・幻惑・妖術・冷酷、五つの忍技を操る、忍を抹殺する忍――伊賀異形五人衆の登場であります。

 かくて、実は五人衆の一人であったアナと、人気投票第一位のくせに片目を奪われ戦線離脱の海野六郎を除いた八人の勇士と、五人衆の全面対決――清海・弁丸vs剛力の白群、鎌之介vs妖術の朽葉、甚八vs冷酷のアナスタシア、佐助・十蔵・伊佐那海vs幻惑の灰桜、そして才蔵vs神速の服部半蔵の五番勝負が始まることと相成ります。
(五人衆の能力と名前の対応は、この巻では明示されていないため想像ですが――)

 言うまでもなく、この展開は忍者ものの王道とも言うべきもの。前の巻の感想で、忍術合戦描写への不満をブチブチ書きましたが、それぞれの能力を活かした今回のバトル展開はその辺りがかなり解消されていたと思います。
(もう一つ不満だった敵の存在も、今回描かれたものが全てではないでしょうが、それなりに示されて納得)

 しかし今回のハイライトは、何と言っても朽葉の幻術空間に囚われた鎌之介が見たもの、でしょう。
 術に囚われた者の心中の願望を映し出すと思しきその空間の中で描かれたものは――いや、これはあまりにあり得なさすぎて逆に感心。果たしてこれが純粋に願望なのか、過去のある部分を切り取っているのかはわかりませんが、いずれにせよ、素晴らしく意外な展開で、大いに楽しませていただきました。

 そしてその厄介な術を打ち破ったのが、鎌之介の並はずれたヤンデレ(?)っぷりというのにも脱帽。登場当時は好きになれないタイプのキャラクターでしたが、いやいやどうして、ここまで貫いてくれれば文句はありません。

 その一方で、個人的に今まで好きになれないままだったアナですが――いよいよ、彼女の秘められた過去が明らかになる様子。鎌之介同様、アナも好きなキャラになれるような掘り下げを期待しています。


 しかし、弁丸が作った清海のアレは、どう考えても清海の方が必殺されそうで怖いんですが…

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