荒山徹トークセッション「百済・新羅 石田三成を巡る時空」(その三)
荒山徹トークセッション「百済・新羅-石田三成(ソクチョン・サムスン)を巡る時空-」レポートの第三回、最終回です。ラストはあらかじめ会場から募った質問コーナーでした。
質問コーナー
質問:自作が宝塚化すると思いますか
荒:なったらいいなとは思います
質問:コミカライズをどう思いますか
荒:漫画は好きなので抵抗はありません。コミカライズの話があればありがたいが、今のところはありません
質問:影響を受けた作家は
荒:西村寿行先生です。一に寿行、二に寿行。高一の時に「白骨樹林」を読んで以来、ほとんど全部読んでいるのでは
細:作品に影響を受けている部分がありますか
荒:どんどんエスカレートしていくのがそうかもしれない
細:山田風太郎や五味康佑には?
荒:お二人ともプロになってから読んだ。伝奇ものということで言えば荒俣宏さんの影響では
質問:前回お話ししていたベトナムや中国を舞台にした作品は進んでいますか
荒:…進んでます
質問:自作が大河ドラマの原作に採用されると思いますか
荒:絶望(切望?)してます
質問:家康が朝鮮人だと本当に思っていますか
荒:いえ全く
質問:福島でつい先日陰陽道指南書が発見されましたが、作品に影響は
荒:特に…陰陽師を出したのは、柳生のことを調べていて調べていて友景の存在を知ったことと、夢枕獏先生の柳の下のドジョウを狙ったから。しかし天平時代には興味があるので、その辺りで陰陽師のことを書くかもしれません
質問:宗矩は白と黒とどっちが書いていて楽しいか
荒:黒ですね(即答)。やはり「柳生一族の陰謀」の萬屋錦之介の宗矩の笑みが、ああ黒い、と
質問:朝鮮と柳生以外で一番書きたい題材は
荒:(しばらく悩む)中国に題材を取ったものの構想はあります。周辺民族の物語を書きたいですね。たとえば金の側から見た話であって、岳飛の側からは書きたくない
質問:「石田三成(ソクチョンサムスン)」の中に「秘奥義」という語がありましたが、宮下あきらの漫画の影響でしょうか
荒:宮下あきら先生については一言言わせて欲しい。友人からお前の作品は民明書房のつもりかと言われたが、何のことかわからなかったんです。ジャンプは一時期ずっと読んでいたが、ただ一つだけ、絵が苦手で読んでいなかったのが「魁! 男塾」でした。だから宮下さんの影響ではないのです
質問:五味先生の「柳生石舟斎」を復刊させて下さい
荒:どうして単行本になっていないのでしょうね
細:差別問題がひっかかって連載中止になってそのまま続きは書かれず、単行本にもなってません。一時期本になるという話もありましたが
荒山先生からのご挨拶
細:最後に何か一言お願いします
荒:どうもありがとうございます。前回、「鳳凰の黙示録」を直して出すと言ったのに、結局そのまま出してしまい申し訳ありません。黙示録は好きな言葉ですが、相性は良くないようです。しかし「柳生黙示録」はちゃんと直して出します。
これからも伝奇の灯を絶やさずいきたいので、ご支援賜りたいと思います。
感想。
今回のトークセッションは、前回よりも時間的にはちょっと短めでしたが、その分、実に充実した内容だったと思います。
荒山先生は、以前以上に髭を伸ばされたようで、いよいよ怪しく仙人のような印象でしたが、質問に答える口調は柔らかく、訥々と語られる姿からは、先生の人柄がうかがえます。…ああ、全部本気で書いていらっしゃるんだなあ、と。
何はともあれ、非常に楽しいイベントでした。「KENZAN!」の連載が単行本になる度の開催とのことですが、ぜひまた、三年と間を空けず開催していただきたいものですね。
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