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2010.09.10

「仮面の忍者赤影」アニメ版 第12話「でた~っ!! 鋼鉄の忍者」

 明世寺に紛れ込んでいた少年・松千代。身分ありげな言動を見せる彼は、信長に追放された足利将軍家の血筋だった。彼を利用せんと幻妖斎は岩鉄に命じて彼を金目教総本山に連れてこさせる。しかしそこで金目教が堺総攻撃を企んでいることを知った松千代は総本山を脱出。彼を保護するために駆けつけた青影・白影は、無敵の鎧を着た岩鉄に苦戦するが、赤影はその重みを利用して岩鉄を滝壺に叩き落として松千代を保護するのだった。

 いよいよ折り返し地点を過ぎて佳境に入ってきたアニメ版「仮面の忍者赤影」。今回は、足利将軍家の血を引く少年を巡る争奪戦が描かれます。

 ある日、青影たちが世話になっている寺に現れた少年・松千代。鷹揚な態度といい身なりといい、いかにも身分ありげな彼に憧れたり反発を感じたり、賑やかな明世寺の子供たちですが…

 ここでこの少年を捜していたのが幻妖斎。実は松千代は信長に追放された将軍家の血筋(年齢的に足利義昭の子・義尋というわけではなさそうですね。細かいことを気にしても仕方ないですが…)であり、自分の天下獲りの大義名分のために利用しようとしていたのでありました。

 そこで幻妖斎の命を受けた巨漢の忍者・岩鉄は、堺中を捜しまわった末に、ついに明世寺までやってくるのですが…そこで岩鉄の前に立つ羽目になってしまったのが源之介さん。
 毎度毎度のことながらへっぽこな源之介さんが岩鉄に敵うわけもなく、散々ボコられてしまうのですが…おや、意外とダメージを受けてないのは不思議ですね。

 それはさておき、恭しく迎え入れたとはいえ、いかにも怪しい岩鉄について行ってしまうのは松千代の子供らしさ。
 辿り着いた金目教の総本山で、幻妖斎にもてなされる松千代ですが、偶然、金目教の神殿に紛れ込んだ際に、何かに取り憑かれたような人々が、堺の人々を皆殺しにせんとしていることを知ってしまいます。

 そんな松千代を静かに見つめるのは霞丸――そう、彼も松千代同様、信長のために家をなくした存在。しかし、自分が松千代同様利用されているとわかっていても、信長への復讐のため、幻妖斎への恩義を返すために戦うという霞丸の言葉は彼の真意なのでしょうか…

 そこで松千代は、邪鬼に周囲を案内させるフリをして山から抜け出すのですが…
 しかし相変わらずいい味を出している邪鬼、松千代に褒美をやろうと言われて、やまぶきにプレゼントするための銀の簪とかいいなあ、とボンヤリしている間に松千代に逃げられてしまうあたりは憎めません(しかし幻妖斎の前では自分が失敗したことはしらばっくれている狡さもまたらしい)。

 一方、松千代が持っていた短刀の紋から、彼が足利家の縁者とようやく知った赤影たち。崖から落ちて気を失った松千代を首尾良く助け出す白影と青影ですが、しかしそこに現れたのは岩鉄。
 二人の得物を軽々とへし折り、赤影の投じた火炎玉で体に火を付けられても平然としている岩鉄の無敵の秘密は、全身を覆った強固な鎧でありました(いや、それでも火は熱いと思うのですが…)。

 岩をも砕く怪力と、両手に持ったサイで襲いかかる岩鉄に対して、珍しく鎖分銅で戦う赤影。戦場は滝のそばに移ったかと思いきや、一瞬の交錯の隙に赤影は岩鉄の足に鎖を絡め、反対側の鎖は岩に…
 そして赤影がその岩を滝壺に放り込んだからたまりません。岩鉄は岩もろとも滝壺へ…

 実は原作にも登場していた岩鉄、やはり水中に誘い込まれて倒されたのですが、本作では溺死することなく、鎧を捨てて助かったらしいのですが、しかし、非情にも一度敗れた忍びに待つのは死と、金目像の腕にに叩き潰されてしまうのでありました(それだったら何回も負けてる邪鬼は…)。

 さて、家来たちのところに帰ることになった松千代は、赤影の手に、源之介と同じ箇所にあざがあったことを思い出し、彼に扇子でうち掛かるのですが――
 ここで松千代だけ赤影の正体を知るという展開でも面白かったと思いますが、あくまでも最後まですっとぼけたまま、扇子を真っ正面から受けてしまう源之介なのでした。これはこれで、らしくていい終わり方かもしれませんね。


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