« 「御隠居忍法 振袖一揆」 | トップページ | 「柳生十兵衛秘剣考」(その一) »

2011.03.16

「快傑ライオン丸」 第20話「殺しの追跡者クマオロジ」

 人々を惨殺しながら獅子丸を追う怪人クマオロジ。その頃、小助は旅の目的に疑問を感じ、一人飛び出してしまうが、デボノバに捕らえられ生き埋めにされる。一方クマオロジは、今日中に獅子丸を倒さねば命はないというゴースンの伝言をデボノバに伝える。小助を助けに地獄谷にやって来た獅子丸は、クマオロジ、そして後がなくなったデボノバを連戦の末に倒し、小助を助け出すのだった。

 今回も北海道ロケ編…にして、デボノバ編のラストであります。

 アバンタイトルで登場するのは、女子供も見境なく殺し、三つの村を滅ぼしたという残忍な賊を追ってきたどこかの軍。
 その前に現れた凶賊こそは、怪人クマオロジ――ゴースン配下の中で最も残忍で凶暴な怪人にして、二刀流と拳銃(ネズガンダと同じ手裏剣発射タイプ)の達人。あっという間に部隊を皆殺しにしてしまうのでした。

 さてこのクマオロジの第一の使命は、獅子丸の抹殺。これまでの凶行も、獅子丸を追う途中のことだったようですが…
 この後、弁当を遣う夫婦に獅子丸たちの行方を聞き、彼らが怖がって逃げ出したと見るや後ろから拳銃乱射、さらに死体に二刀を振り下ろす(!)姿はまさに残忍で凶暴としか言いようがありません。。

 が、このクマオロジ、言葉遣いは意外にもクールというかむしろ慇懃。
 声を荒げるでなく、淡々とした口調で迫ってくるところは、逆に暴力のプロという感じで恐ろしいのです。

 そのクマオロジの言動は、デボノバを前にしても変わりません。彼の第二の使命は、デボノバに対し、ゴースンからの最後通牒を突きつけること(ここでも慇懃にデボノバに迫る姿が怖い!)。
 これに対し、クマオロジにドクロ忍者を襲いかからせるも、皆敗れたとみるや今度はクマオロジに力を貸してくれと懇願するデボノバは本当にどうしようもありませんな…

 一方、獅子丸の方では、唐突に小助が自分たちの使命に疑問を抱き、いつも命がけで戦ってるのに誰も喜んでくれないなどと言って一人駆け去って行きますが…

 案の定(?)一人野宿の寂しさに堪えかねてあっさり改心する小助ですが、そこをデボノバに捕らわれ、獅子丸誘き出しの材料として、首だけ出して生き埋めにされてしまうのでした。
(ここで水を欲しがる小助の前で、わざとらしく水筒の水を飲んだ上、目の前に水筒を置いていく最低デボノバ)

 さて、小助は何とか(どうやって?)笛を取り出してヒカリ丸を呼び出し、助けに来るなと獅子丸に伝えますが、もちろんそれで獅子丸が見捨てるわけがない。

 決戦の第一ラウンド、クマオロジ戦は、連射してくるクマオロジの銃弾を、全て刀で弾き、転がって躱してライオン丸に変身!
 さらにクマオロジの銃弾を弾ききり(手裏剣型とはいえ、生身の獅子丸にも銃弾を刀で弾かれたクマオロジ、実は弱い?)、刀と刀の対決に持ち込みます。

 空中での交錯の末、地に伏したライオン丸――が、こちらに背中を向けていたクマオロジの腹には、ライオン丸の太刀が!
 クマオロジは自分の刀を背中の鞘に戻そうとして、自らの顔を突き刺してしまうという痛そうな最期を遂げるのでした。

 そして第二ラウンドのデボノバ戦、激しい斬り合いの末、ライオン丸の太刀がデボノバの腹に! と思いきや、デボノバの数珠に絡みつかれ、動きを封じられるライオン丸。
 しかし崖に追い詰められたライオン丸は、大ジャンプでデボノバの上を飛び越えざまに顔を斬り、たまらずデボノバは崖下に転落…いかにもらしい最期を遂げるのでした。

 今回は北海道ロケ編の中では一番普通の出来かな…クマオロジのキャラクターはなかなか面白かっただけにちょっと残念。


今回のゴースン怪人
クマオロジ
 鉄兜とマントに身を包んだ怪人。背中の二刀と腰の拳銃を武器とする。
 ゴースン配下の中で最も残忍で凶暴な怪人で、獅子丸抹殺とともに、デボノバにゴースンの最後通牒を突きつけに来た。ライオン丸との対決で腹に太刀を刺され敗れる。


デボノバ
 ライオン丸打倒のために派遣されたゴースンの分身魔王。非常に卑怯卑劣な性格の中間管理職。拳銃や刀、数珠を武器とする。
 失敗続きでゴースンに最後通牒を突きつけられ、クマオロジとともにライオン丸を襲うが崖下に転落して死亡。何故か四回声が変わった。


「快傑ライオン丸」(アミューズソフトエンタテインメント DVDソフト) Amazon
快傑ライオン丸 カスタム・コンポジット・ボックス [DVD]

|

« 「御隠居忍法 振袖一揆」 | トップページ | 「柳生十兵衛秘剣考」(その一) »

コメント

うーん、デボノバはゴースンの分身にしては、弱かったですね。クマオロジに威嚇される場面も情けないし。初登場の時は、獅子丸を変身途中で狙撃したり、沙織に当て身を食らわせ捕らえたりと自ら、獅子丸一行に攻撃を加えてました。が、それ以降はこの回までは、自ら動く事無く、怪人に作戦を丸投げする無策ぶり。
もっと積極的に動いてほしいと、ゴースンも歯がゆかったのでは。

投稿: エージェント・スイス | 2011.03.20 20:39

エージェント・スイス様:
デボノバ、実力はそれなりにあるはずですが、小手先の技に走りすぎたり中間管理職っぽすぎたのが良くなかったですね…
そもそも、分身として最近生まれたのかと思ったら、だいぶ前に大ガミラスと戦っていたり、謎の多いヤツでした(笑)

投稿: 三田主水 | 2011.03.21 21:47

今回は「イナズマンF」でのウデスパーとの戦いの様に
今回一話をクマオロジとの対決に裁いて、デボノバとの決着を次回一話まるごと使って描いて欲しかったと思います。その方が怪人キャラに対する愛着も感じられたし、何と言っても怪人着ぐるみ造形が一体分浮きますよね。

これはウルトラマンエースの超獣マザリュースの扱いについても当て嵌まりますよね。

投稿: 特撮コメンテーター | 2011.11.13 18:00

特撮コメンテーター様:
確かにデボノバは一回使って退場を飾って欲しかったですね。
もっとも、こういう扱いもまた、デボノバらしいといえばらしいのが何ですが…

投稿: 三田主水 | 2011.11.27 22:58

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「快傑ライオン丸」 第20話「殺しの追跡者クマオロジ」:

« 「御隠居忍法 振袖一揆」 | トップページ | 「柳生十兵衛秘剣考」(その一) »