「いかさま博覧亭」同人ドラマCD いかにもな感触のCD化
基本的にこのブログでは同人作品は取り扱わないことにしているのですが(きりがなくなってしまうためと、誰にでも手に入るというわけではないため)、何事にも例外は、というわけで、今回は「いかさま博覧亭」の同人ドラマCDを取り上げましょう。
同人作品、と言いつつも、本作は限りなくオフィシャルに近い作品であります。
作者がタッチしているのはもちろん(?)のこと、脚本も声優も皆プロ。おまけにAmazonで普通に買えてしまう…というわけで、「いかさま博覧亭」ファンとしては、これを見逃すわけにはいかぬ、と取り上げる次第です。
まずキャスティングはと言えば――
榊:平川大輔
蓮花:石川綾乃
柏:喜多村英梨
蓬:豊崎愛生
八手:早見沙織
杉忠:小西克幸
と、最近の声優にはうとい三田さんでも半分以上知ってるメンツであります。
主役たる榊の声は、オーランド・ブルームの吹き替えでおなじみの平川大輔ですが、うんちくとぼやきの苦労人ぶりをなかなかに好演。
このドラマCDではかなり出番の多かった柏役の喜多村絵梨(個人的には「アオキキヲク」の人ですが。作者的にも)も、しっかり者の少年声をきっちりと…
と、原作ファンにもほとんど全員納得のキャスティングであります(あ、瀬戸大将は勝手にもっと子供声だと思ってましたが…)。
そしてストーリーの方も、ある意味本作らしいというべきか、特段気張ったところもなく、オリジナルながら、原作の一エピソードと言われても全く違和感ない内容であります。
おかしな縁から、商人の娘の狐憑き騒動に巻き込まれた榊たち博覧亭の面々の活躍を描いたストーリーですが、冒頭の偽妖怪騒動が伏線となって、事件の謎が解き明かされていくあたりなど、いかにも博覧亭らしい感触で思わずニヤリ。
ポンポンとノリのいい会話とドタバタギャグで展開しながらも、意外とクレバーな(?)物語展開は、やはり博覧亭のそれであります。
(原作にはほとんど登場してこなかった八丁堀の同心が――実にらしい感じで――話にちらと顔を見せるのも、楽しいところです)
もっとも、個人的には下ネタがちょっと多いように思いましたが、レギュラーの中に四つ目屋がいるから仕方ない…のか?
と、一口に言ってしまえば、原作ファンであれば買って損はない一枚。いかにもドラマCD的にベタな展開や演出がひっかかる部分もありますが、そこも味と捉えておきましょう。
個人的には、もっともっとこうした展開がされてもおかしくないと思っていた作品だけに、同人作品と言いつつも、きっちりとしたクオリティで作られたこのドラマCDの登場は、実に嬉しく感じられました。
と…ドラマCDのお約束、最後に収められた出演者トークが本作にも収録されているのですが、これは苦しかった。
「もし自分が妖怪になるとしたら何がいいか」というテーマなのですが、何が苦しいといって、普通の人は「妖怪」でお題を振られても、「何それ何がいるの」って反応になるのか――とイヤと言うほど感じさせられたところが。
こんなところで榊=妖怪馬鹿の悩みを体験させてくれるとは、これまた本作らしい。って、絶対狙ったわけではないと思いますが…
ちなみにそんな中で、かつて演じた役とはいえ、朱の盆を挙げた小西克幸の好感度が個人的にはグンと上がった次第です。
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コメント
未購入ですが、良い出来のようですね。しかし他の職業ならともかく声優さんは妖怪を演じる可能性の一番ある職業ですし勉強して欲しい、というか新人の石川さん以外は妖怪物の出演経験あるぞ(笑)。小西さんは現在放映中の『ぬらりひょんの孫~千年魔京~』にも出演しているので(陰陽師役)他の方より詳しいかな?
投稿: ジャラル | 2011.09.27 12:29
ジャラル様:
手堅いというか、本当に原作のエピソードをそのままドラマCDにしたような、そんな印象です。
しかしまあ、役の上で接点があったとしても、よほどの事がない限り、そこから先へは進まないでしょうからね…
投稿: 三田主水 | 2011.10.02 22:23