「妖術武芸帳」 第08話「怪異鬼火鞭」
傷を癒すために箱根に向かう誠之介だが、そこには尾張藩江戸家老も滞在していた。家老の周囲を探っていた楓は、一味から抜けようとした闇童子が鬼火道士に鞭打たれるのを目撃、誠之介は闇童子を助け出す。闇童子から毘沙道人と道士たちが集まる寺のことを教わった誠之介は本堂に潜入するが、全ては闇童子の罠だった。誠之介は道士の火の妖術を破り、道人から尾張に与した諸藩を記した地図の半分を奪い取るのだった。
「妖術武芸帳」第8話は、前回に続き、今回も波乱含みのエピソードであります。
前回ラストの対決で毘沙道人に深傷を負わされた誠之介は、右腕がまだ効かない状態で、楓と共に箱根の湯治場に向かいます。と、その道中に襲いかかるのは、姉を誠之介に殺されたと思い込んだ闇童子。
これを軽々と退けて真の仇は道人だと教えても闇童子が聞くわけもなく、姿をくらましてしまいます。
それはさておき、覚禅と合流した二人は、江戸から追ってきた尾張藩江戸家老・大住内膳も本陣に留まっていることを知ります。
ここで初めて楓さんが忍者ルックを披露、内膳の部屋の床下に忍びますが、そこに現れたのは鬼火道士。道士は、一両日中に各地の大名の懐柔に向かった同志たちから報告があるだろうと語り、去って行くのですが…
その後をつけた楓が目撃したのは、縛られ、木から吊り下げられた闇童子。どうやら誠之介の言葉を信じるに至った彼は、一味から抜けようとしたものの、脱退を許さぬ道士に捕らわれてしまったのでした。
ビシビシと鞭打たれる童子を見かねた楓から報告を受けた誠之介は、芝居の可能を疑う覚禅には構わず、単身助けに向かいます。
木に吊り下げられた童子を下ろそうとした誠之介に襲いかかる道士。しかしそこに駆けつけた覚禅が豪快に一撃、二人を相手に不利と見た道士は、鞭の先に炎を灯し、それを振り回す中に紛れて姿をくらます婆羅門妖法・火風土煙で姿をくらますのでした。
さて、童子を江戸に逃がす誠之介に、未だ童子を信じられない覚禅は渋い顔ですが、宿に戻ってきたら童子が飯を食っているという超展開。童子は恩返しのために道人の潜む寺に案内するというのですが…
そこに各地に行っていた四賢八僧の生き残り6人(…今まで羽化仙女を含めて7人が倒されているので数が)が集まると聞き、まず覚禅は闇童子と本堂に潜入します。
そこでは、果たして道人と道士たちが、尾張に荷担する大名を記した日本地図を真ん中に密議の最中。
と、ここで明かされる道人の恐るべき野望――清の尖兵というのは表向きの姿、真の狙いは日本と清を戦わせて疲弊させ、その隙に全てを我が物にすることだったのです。
さて、それを知った誠之介は、件の地図が隠されているという道人の地図を奪うため、自分がおとりとなって本堂に乗り込むのですが…しかし、潜入してみればそこはもぬけの殻、鬼火道士が彼の前に立ち塞がります。
一方、寺の外では闇童子が姿をくらますと同時に、覚禅に襲いかかる道人配下…
闇童子が裏切ったとは真っ赤な偽り、やはり覚禅が疑った通り全ては罠だったのです。
鞭の先から幾つもの炎の輪を飛ばす道士の妖術・火炎法に苦しめられる誠之介。
しかし妖術の源が周囲の蝋燭の炎のゆらめきにあると見破った誠之介は、蝋燭の火を全て消し、術を破ることに成功します。
そして左手一本ながら、道士を斬り伏せた(利き腕を使っていないのに倒される道士…)誠之介は、その場に現れた道人の杖に斬りつけ、その半分を手にするのでした。
西国大名の多くが、と驚いて地図を手に走り去る覚禅。果たして二人は道人の陰謀を阻むことができるのでしょうか…
と、闇童子を巡るドラマ、道人の真の狙い、尾張と道人に与した大名を記した地図(出ました、伊上勝名物の争奪戦!)と、これからの展開に影響しそうな様々な要素が登場、後半戦に突入したところからお話は盛り上がります。
しかし覚禅は毎回敵の罠を見抜いているのに、誠之介のおかげで損な役回りばかり…
今回の妖術師
鬼火道士
逆立った赤毛と赤い手をあしらった衣装の道士。手にした鞭の先に炎を灯し、それを振り回す中に紛れて姿をくらます火風土煙、鞭の先から幾つもの火の輪を飛ばし、相手の動きを封じる火炎法と、火の妖術を操る。
裏切ったと見せかけた闇童子とともに誠之介たちを罠にかけるが、誠之介に火炎法の種を見破られ、一刀の下に斬られた。
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