「逃亡者おりん2」第01話 おりん!! 新たなる旅立ち
吉原大火の濡れ衣を着せられたおりんは、女衒に捕らわれていたが、同じ境遇の娘・おみねと共に逃亡する。自分をかばって深手を負ったおみねのいまわの際の言葉に従い、谷中に向かったおりんは、茂吉という男と出会う。しかしそこに現れた剣草の刺客・擬宝珠に茂吉は斬られてしまう。辛くも擬宝珠を倒したおりんは、茂吉から多くの人の命がかかっているという書状を託される。美濃に向かい、おりんの新たなる旅が始まった…
図らずも民放最後の連続TV時代劇になりかねないという運命を背負わされてスタートした「逃亡者おりん2」。
しかし蓋を開けてみれば(半ば予想通り)、むしろ特撮ヒーロー時代劇の復活とも言うべき内容で、私は大喜びであります。
先日放映された「最終章」で、敵も味方も全て失い、自らもお尋ね者となったおりんの、その後の運命は――と思いきや、いきなり薬漬けで女郎にされている(女衒に捕らわれている)というハード過ぎる展開。
いやはや、深夜に放送時間が移ったことで色々とあるかと思いましたが、あまりにもあまりにもの扱い。しかも過程をすっ飛ばして(台詞で説明されるのみ)いきなり結果で示される超展開であります。
もはや逃亡する気力すら失ったおりんですが、彼女と共に捕らわれた娘・おみねは、おりんに助けを求めます。それでもやる気を出さないおりんですが、二人で売られていこうとするその隙に、おみねが逃亡を試みたことから、ようやく戦うことになります。
しかしおりんさんの死神オーラは相変わらず健在、おみねは用心棒のボウガンからおりんを庇って撃たれ、死の間際に、谷中の常念寺で彼女を待つ茂吉という男に、「次の新月まで」という言葉を託すのでした。
さて、逃亡したおみねとおりんを追うのは、彼女たちを買おうとした謎の武士。女衒たちを皆殺しにし、配下とともに夜の街を行くその姿は、牛若丸を彷彿とさせる髷に水干という怪人――彼こそは、謎の集団・剣草の壱之刺客・擬宝珠!
おみねの言葉通り茂吉と出会ったおりんでに襲いかかる擬宝珠によって茂吉は斬られ、徒手空拳のおりんも追い詰められていくのですが…
と、ここでまとっていた女郎の衣装を擬宝珠に投げつけるおりん。
ま、まさか…と思ったらそのまさか! 次の瞬間、現れたのは、あの、レオタード姿の戦闘スタイルであります!
もちろん、寺に着くまでに、どこかに隠しておいた衣装をまとっておいたという理屈付けはできますが、しかし、そんなものは抜きで、レオタードキター! とここは盛り上がるべきでしょう。
しかし、敵は伊賀の抜け忍だという剣草(おりんさんが剣草という集団の存在と素性を知っているというのが、いかにも裏稼業の人らしくていい)、薙刀を自在に操るその技の前におりんは追い詰められ、地に倒れたところを踏みつけられてしまいます。
勝ち誇った擬宝珠、しかしこの位置は…と思っていたら、やっぱり来ました
「手鎖、御免!」
いやはや、来るぞ来るぞという期待を裏切らず、出るべきものが出るカタルシス。
「剣草一輪、散らしました…」という新たな決め台詞も心憎いほど決まっております。
さて、いまわの際の茂吉から、隠しておいた念書を美濃に届けて欲しいと頼まれるおりん。多くの人の命がかかっているその念書に記されたものとは。
同じく念書を探しているようでありながら、完全に出遅れて先を越された謎の青年武士・望月誠之助(今回は顔見せ)との関係も気になりますが…
一方、剣草たちもその幾人かが顔を見せ、敵は逃亡者おりんであることを確認。次回の刺客も自分の存在をアピールして、そのままなだれ込んだエンディングに流れるのは、妙にノリのいい主題歌。「新月の晩まであと16日」とテロップまで出て、ものすごいテンションで第1話は終わります。
いやはや、深夜の30分番組となったことが完全にプラスに働いて、異様にスピーディーでテンションの高い物語となった「逃亡者おりん2」。もちろんこれから毎週、本ブログで取り上げていくつもりです。
今回の剣草
擬宝珠
時代錯誤な髷と水干姿の剣草壱ノ刺客。薙刀を獲物とし、ブーメランのように投げつけることも可能。尊敬する人物は源頼朝。
念書を求めておみねを追い、茂吉を殺すが、おりんの正体を知らず、至近距離から手鎖の一撃をくらって散る。
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コメント
BSジャパンで、遅まきながら鑑賞。笑った...もとい面白かったです。もういろんな方が
ネットで、書かれてるようにもはやこれは特撮時代劇。そう、赤影やライオン丸と同じのりです。手鎖抜きのガチの斬り合いなら、ほとんど相手に負けてる(暴れん坊将軍の女御庭番、大江戸捜査網の女隠密ぐらいの力量かもな、おりん...)おりんもかえっていいです。しかし果たして、どんな運命が待ってるのやら...
投稿: エージェント・スイス | 2012.01.24 21:36
エージェント・スイス様:
本文の最初にも書きましたが、最後のTV連続時代劇かと思いきや、特撮ヒーロー時代劇でしたね…変身シーンにはひっくり返りつつも燃えました(笑)
にしても本当に見ていてハラハラするおりんさん、元殺し屋とは思えぬ非力さですが、それが見るからに曲者揃いの怪人たちとの戦力差をどうひっくり返すかも見所ということで…
投稿: 三田主水 | 2012.01.25 23:52