「BRAVE10S」 新展開、試練の十番勝負!?
本日からTVアニメも放映される「BRAVE10」が、掲載誌を移行しての第2シリーズ「BRAVE10S(スパイラル)」の第1巻が刊行されました。
新展開早々、ずいぶん賑やかな展開で、なかなかに快調な滑り出しであります。
紆余曲折はあったものの、真田幸村の下に十勇士が集結、イザナミノミコトの力を秘めた少女・伊佐那海を巡る戦いも一段落して、まずは静けさを取り戻した幸村――というより才蔵周辺。
しかし災いと争いの種は、思わぬところからやってきます。
それは、真田信幸――そう、幸村の兄であります。
言うまでもなく信幸(関ヶ原前なのでまだ信之ではありません)は、徳川方。対して、その父・昌幸と幸村は反徳川方…
そんなお前らに父祖伝来の地である上田は任せておけない! とばかりに、上田城に乗り込んできたのであります。
ちなみに本作の信幸さんは、奔放無頼の幸村とは好対照の、見るからに生真面目几帳面な性格。しかしそれだけではなく、あの鎌之介を取りひしぐだけの力も持つ人物として描かれていて、なかなかに本作らしいアレンジがほどこされた造形であります。
個人的には信幸は好きな武将ですが、本作においてはこれまでその存在を完璧に忘れていただけに、ここでの登場は、嬉しい驚きです。
閑話休題、売り言葉に買い言葉、幸村は自分たちの力が決して兄に劣るものではなく、上田の地を守るに不足はないことを示すため、自らの守り人十名――言うまでもなく十勇士――と、信幸方の十名の、十番勝負を開くことになります。名付けて、上田城十番勝負…
いやはや、忍者ものに○番勝負は定番、こちらとしても大好物ですが、この相手で、この理由でというのが、いかにもこの作品らしいとしか言いようがありません。
…が、この十番勝負には(ある意味)裏があります。
時あたかも関ヶ原の戦直前、直江兼続が徳川家康に直江状を叩きつけた頃。この時期に、徳川方と反徳川方が武術比べを行えば、その結果は、両勢力の士気に、ひいては勢力分布にまで影響を与えかねないのであります。
かくて、兄弟喧嘩(?)から始まった十番勝負は、天下の趨勢に影響を与えかねぬものとなるのですが――
さて、この第1巻では三番勝負までが描かれるのですが、信幸方の一番手、二番手の正体がまたとんでもない。
確かに信幸側ということではアリなのですが、しかしあなたたちが出てきますか、という面子で、何とも不意打ちを受けたような気分であります。
そんな強敵を相手に、一番手・清海、二番手・アナは苦戦を強いられるのですが、三番手は静かなる男・海野六郎。
これまで直接戦うことは少ないキャラクターですが、彼もまた、因縁の相手を得て死闘を繰り広げることとなります。
そして十番勝負が加熱する一方で、その背後では何やら不穏な動きがあるのも気になるところ。
十番勝負の行方も気になりますが、しかしそもそも勝負が無事終わるのか――そして少々気が早いかもしれませんが、この戦いの先にあるであろう、関ヶ原の戦に、この先才蔵たち十勇士がどのように関わっていくことになるのか。
開始早々、気になることだらけの新シリーズなのであります。
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