「逃亡者おりん2」 第08話 もう一人の逃亡者…
おりんと誠之助は、福島宿で誠之助の幼なじみの百姓・吾作一家と出会う。藩のやり方に絶望し、村を捨てた吾作に対し、誠之助は美濃に戻るよう説得する。熱意に打たれ、帰郷を約束した吾作だが、剣草の刺客・連翹が彼の息子を人質にとってしまう。息子を救おうとした吾作は深手を負わされ、怒りに燃えるおりんは連翹らを一蹴。吾作は誠之助に家族を託し、息を引き取るのだった。もう逃げないと誓った誠之助だが…
残すところ今回を含めてあと4話となった「逃亡者おりん2」。前回、旅芸人に変装して関所を抜けたおりんと誠之助が役人に呼び止められるも…としょうもないギャグから始まりますが、本編は実に重い展開です。
福島宿にやって来たところで、飯屋でもめ事になっていたのが幼なじみの百姓・吾作一家であったと知る誠之助。吾作たちに食事を振る舞った誠之助は、彼らが不正の横行で経済が崩壊しかけた村から逃散してきたことを知ります(そのことを示すアイテムとして、村の中でしか使えない「村札」が登場するのが面白い)。
侍への不信感が頂点に達した彼らは、引き留める誠之助を振り払って木曾に向かいますが、誠之助はあきらめず語りかけます。
自分が不正を暴くために家老から江戸に遣わされたこと、藩は決して百姓を認めないこと――土下座してまで熱く頼み込む誠之助に心を大いに動かされた吾作たちは美濃に帰ることを約束します。さらに、同じように逃散した百姓たちも連れてくると…
しかし好事魔多し、誠之助たちと別れた吾作一家を剣草捌ノ刺客・連翹と、お供のくノ一・鬼百合と鬼薊が襲い、吾作の息子を人質に取ってしまいます。連翹・鬼薊と対峙するおりんですが、人質をダシにする連翹に短刀を抜くことを禁じられてピンチに…
一方、息子を助けようとした吾作は鬼百合に深手を負わされるのでした。
駆けつけた誠之助によって息子は助け出され(というか鬼百合が勝手に連翹と合流)、おりんに倒される鬼百合。さらに、自分を狙って連翹が投じた短刀を鬼薊を盾にして防いだおりん。鬼薊が崩れ落ちた後に立つその姿は――レオタード!
怒りと悲しみに燃え「何故罪のない人たちを傷つける!」と叫ぶおりんに、「お前が逃げるからだ。今まで何人殺した? 数えきれるか!」と痛烈な言葉を浴びせる連翹。
毎回毎回周囲の人々を巻き込むことから、ファンの間では死神呼ばわりされるおりんさんですが、これはある意味彼女の逆鱗。今まででおそらく最も気合いの入った「竜胆が泣いている…」から戦闘スタート!
そのパンクな外見と裏腹に、竹藪で二刀を振り回しても竹が斬れないという精妙な剣術を操る連翹。しかしそれを凌いだおりんは、得意の中距離から「手鎖御免!」
しかし連翹も然る者、これを二刀を組み合わせてガードするのですが…絡みついた手鎖が二刀を封じ、その隙に懐に飛び込んだおりんの竜胆が連翹を倒すのでした。
そして妻子を託して逝く吾作。子供を救って散ったその姿に感じるものがあったか、誠之助は、これまでの自分が逃げ続けていたとおりんに語ります。
必ず生き抜いて戻ることが使命でありながらも、腕の立つ仲間たちが命を落とすのを尻目に逃げ続けてきた誠之助。使命すらも捨てて逃げたくなったこともある彼ですが、しかし百姓のため、苦しんでいる民を守るため、もう逃げないと彼は誓います。
そして旅を再会した二人を襲う鉄砲隊の銃弾。その中で、誠之助は念書を手に一人突っ走ってしまい――新月の晩まであと3日。
内容的にはかなり地味な展開でしたが、しかし誠之助の熱い部分、そして弱い部分がはっきりと描かれ、ドラマ的にはなかなかのものがあった今回。 なるほど、誠之助もまた逃亡者であったか…と感心いたしました。
しかし、ヘタレキャラが勇気を振り絞るのは、成長か死かいずれかのフラグ。彼には最後まで生き抜いて欲しいのですが…
今回の剣草
連翹
あまりの危険性から、竹藪に鎖で繋がれていた捌ノ刺客。坊主頭で額に梵字、鎖を両肩にかけ、背中の二刀を自在に操る。
吾作の子を人質に取っておりんを苦しめるが、人質を奪還され、怒りのおりんの手鎖に両刀を封じられた上、竜胆で倒される。
鬼百合・鬼薊
連翹に従う二人のくノ一。長髪の方が鬼百合で、変な短髪の方が鬼薊。
鬼百合は乱戦の中でおりんに刺され、鬼薊は連翹がおりんを狙って投じた短刀の盾にされて倒れた。
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