「笑傲江湖」 第5話・第6話 友情の結末と秘伝の争奪戦と
えらく間が空きましたが、TVドラマ「笑傲江湖」の第5話・第6話であります。
今回は前半で正派と魔教の間の悲しい友情の結末が描かれ、後半で林平之と辟邪剣譜争奪戦が描かれるという、ある意味わかりやすい構造であります。
第4話ラストで嵩山派に捕らわれた令狐冲と岳霊珊、儀琳の三人ですが、突然壁に自分の姿を映し出す形で現れた(これ、絶対武術のレベルじゃないと思います)聖姑に助けられてあっさり脱出成功。岳霊珊と別れた令狐冲と儀琳は、隠棲していた劉正風と曲洋の二人と再会します。
ついに秘曲「笑傲江湖」を完成させた二人は楽譜を令狐冲に託し、最初で最後の合奏を行うのですが(ここで儀琳が隣にいるのに、この曲を聴いたのは自分だけと喜ぶ令狐冲の頭はどうなっているのか)、しかしそこにも嵩山派の魔の手が。
何だか最近裏方ばかりやっている印象の聖姑により雑魚は一掃されたものの、その間に一派の高弟・費彬により曲洋の孫が殺され、手負いの令狐冲たちも全く及ばぬ有様…
というところで個人的に今回のハイライト、飄然と現れた劉正風の兄弟子、瀟湘夜雨莫大先生の仕込み剣が一閃! 前回から外道ぶりを発揮してきた費彬をすれ違いざまに、斬られたとも気づかせずに斬る様は、ある意味お約束ではありますが、実に痛快。無茶苦茶強い爺さん愛好家としてはたまらない展開でありました。
さて、劉正風と曲洋はここでフェードアウト(自決したことがほのめかされる)し、令狐冲は儀琳とも別れて一人ほっつき歩く間に、師匠の岳不群が青城派の面白総帥・余滄海と戦うのを覗き見たり、存在を忘れかけていた林平之の両親を見つけたりと、イベント遭遇率の高さを発揮。
林平之の両親は、ここで息子を華山派に託すと令狐冲に告げて力尽きる(母親の方は床に頭を叩きつけて壮絶死)のですが、ここで令狐冲だけが遺言を聞いたことが、後々問題にならなければいいのですが…
さて、晴れて林平之が入門した華山派ですが、無敵の剣法を記したという辟邪剣譜の継承者である彼が加わったということは、剣譜を狙う者たちが華山派を狙うことになったということであります。
というわけで、第6話では華山に帰る一行を襲う数々の敵の魔手が描かれるのですが、令狐冲がおとなしくしているおかげで比較的落ち着いた物語展開。
一カ所、突然林平之が船上から誘拐されかかっているところから始まる場面があり、尋常ではない省略の仕方で面食らうことはありましたが…
さて、ここで華山派を襲うのは嵩山派と青城派なのですが、どちらかと言えば頭を使っているのは嵩山派。占い師に化けて平之を誘き出そうとしたり、魔教の者たちに化けて攻撃を仕掛けようとしたり(それが逆鱗に触れてまたもや聖姑にブッ殺されるわけですが)、果たしてどの辺りが「正派」なのか、原作既読者にもわからなくなってきます。
もっとも、この正派や魔教といった区分にさしたる意味がないことはある意味原作のテーマの一つであるわけですが…原作未読の方はそろそろ混乱してくるのではないかと余計な心配をしてしまった次第。
さて、そんなわけで今のところ悪役をほとんど一手に引き受けている嵩山派ですが、ついに総帥の左冷禅が登場。原作でも屈指の実力者だっただけに期待したのですが、ビジュアル的には小太りのおじさんだったのが非常に残念…
それはともかく、まだ色々と悪だくみのタネはあるようなので、これからも物語を引っかき回してくれるのでしょう。
そして一番物語を引っかき回す主人公はようやく華山に帰還。師匠の奥さんと突然始めた文字通りの真剣勝負の結果…ところで、次回に続くことになります。
…本当に引き方がよくわからないドラマですなあ。
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