「笑傲江湖」 第36集「復讐」
岳不群が辟邪剣譜の力で左冷禅を破り、ついに五嶽の盟主となった前回。そしてもう一人、辟邪剣譜を会得した者による悲劇が引き起こされることとなります。
頂上決戦が終わり、ひとまず静けさを取り戻した嵩山で、恒山派が野営しているところに姿を見せたのは、余滄海と、林平之。
前回もチラチラと姿を見せていた林平之は、己の一族郎党を滅ぼしたに等しい余滄海を呼び出していたのですが―真っ赤な長襦袢という服装だけで大変ですが、口を開けば完全にオネエ喋りと、「ファッ!?」と言いたくなるような大変なことになっておりました。
結局水入りとなったものの、たった一手で余滄海の動きを封じてみせた林平之に、令狐冲たちは東方不敗の姿を見るのでした。
一方、昼間の意趣返しに岳霊珊を襲撃したバカ六人は、その場に現れた岳不群により一瞬のうちに点穴されて、かえって令狐冲を誘き出す道具に使われる始末。
さて、その場に(何故か担架というあまり意味のないギミックで)現れた令狐冲に対し、謎のパワーで一瞬で蝋燭に火を付けるなど無駄に力を誇示する岳不群は、これからは私の下で力を貸してくれと声をかけます。
楊蓮亭的目的じゃないよね、とドキドキして見ていると、さらに盈盈との仲も認めようとの優しい言葉――ただし、魔教を一掃した後で、と。
結局この場は盈盈に化けた儀琳が迎えにきたことで、恒山へ弟子を送るという口実で逃れることができた令狐冲ですが…
さて、恒山派ご一行が旅をしていると、茶店で休んでいたのは余滄海と青城派一行。さらにその場にやって来たのは、林平之と、危険を感じて母に「平之と逃げて決して戻ってくるな」と言われた霊珊。
以後、平之は陰湿にストーキングを繰り返し、あちこちの茶店を破壊しながら、数度に渡って余滄海を襲撃します。
厭な気分になりながらも道が同じなのか、彼らとたびたび出くわす恒山派ですが、青城派の逆襲に(夫であるはずの平之から無視された)霊珊が窮地に陥ったとあらば、令狐冲は黙ってみているわけにはいきません。
が、さすがに色々な意味でここで手を出すわけにはいかない。ここで彼に変わって霊珊を助ける盈盈は立派というか既に余裕があるというか、であります(いつの間にか令狐冲も彼女を「お前」呼ばわり)。
助けられた霊珊は、さすがに平之の非情(あとたぶん急に変な格好と喋りになったこと)についていけず、一人で飛び出してしまうのですが…
ここで単独行の彼女に襲いかかったのは、もはや完全に存在を忘れていた無頼漢・木高峯。冒頭に登場して、林平之が頼る相手もいないのをいいことに散々いたぶった男であります。
間が悪いことに霊珊を連れていたら平之・恒山派・青城派が集まった茶店の前を通ってしまったため、テーブルを引きちぎって投げつけるという、なにげに凄い令狐冲の技の前に霊珊を奪還されてしまった・木高峯。
一方、平之の方は、余滄海と木高峯、二人の仇を目の前にして有頂天、ついに最後の死闘が始まるのですが――
二人がかりでも辟邪剣譜を身につけた平之の前に追い詰められていく余滄海。が、ここで彼のとんでもない秘密が! そう、いきなり余滄海の上半身と下半身が分かれ、二人の人間となって攻撃を始めたのであります。
実は二人が肩車をしていたというとんでもない余滄海、Aパーツは變面から面を飛ばし、Bパーツは平之の足にしがみつき、さらに木高峯は平之の脇腹に噛みつき…ともはや高手同士の対決がグダグダの掴み合いに。
というより「女物の着物を着たなよなよした喋りの男の人」、「普通の人よりも背が小さい人」、「背中が大きく曲がった人」の殺し合いというのは、非常に表現しにくくて困ってしまうのですが…(ちなみに原作の余滄海は背が小さいという設定ですが、それでも二身合体はしておりません)
しかし最終的には下の人を瓶に蹴り込み、お面アタックを食らいながらも上の人に剣を突き刺し、さらに木高峯の背中のこぶに剣を突き立てた平之が勝つのですが――ここでこぶから吹き出す謎の毒液。余滄海のお面攻撃といい、もはや武術というレベルではないですが、これを食らった平之は失明。
恒山派の薬をもらい、駆け寄った霊珊に対しても令狐冲の薬などいらない、あいつの嫁にでもなれと今までのコンプレックス剥き出しの暴言を吐き、さらに岳不群の方が余滄海よりもよほど悪人だと吐き捨てますが、それでも見捨てることなく、霊珊は彼を連れて去っていくのでした…
一方、黒木崖では、辟邪剣譜を身につけた岳不群なにする者ぞと、任我行が日月神教による江湖統一を宣言。人間、偉くなると主義主張は違っても同じこと考えるもんですな…というところで次回に続きます。
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