「浣花洗剣録」第11集/第12集 もう一つの逃避行と黒幕の影
呼延大臧と赤鬆道士の決闘は大臧の勝利に終わった前回の「浣花洗剣録」。しかし武林の盟主たる赤鬆の死は様々に波紋を呼び、幾つもの波瀾を巻き起こします。そんな中、今ひとつ目立てなかった白宝玉がドラマの中心になるのですが…
武当派や丐幇に追われた末、傷ついて白水宮に運ばれた大臧と珠児。昏々と眠る大臧が自分の息子と気づいてかどうか、白水聖母こと白艶燭は、自分と霍飛騰の出会いを思い出します。それで気を利かせたのか、次に大臧が目を覚ました時には横に珠児が!(中学生みたいな焦り方をする二人)
それはさておき、ひとまず傷の癒えた二人は、借りは後で返すと誓いつつ、木郎神君と脱塵郡主を助けるために白水宮を後にします。木郎と脱塵を護送する武当派の胡不愁一行を発見した二人は、敵を気絶させて入れ替わり、隙をうかがうのでした(にしても、ほとんど笠被っただけの二人に気づかない胡不愁ェ…)
と、赤鬆は死ぬ前に宝剣「赤霄」と武林大会の開催を晴空大師に托しましたが、大師がすぐにお籠もりに入ってしまったため、武当派の頑石道士と少林派の晴天大師は、独自に赤鬆の死因を探らんと動き出します。死因もなにも決闘で負けたからではと思ったら、いつの間にか赤鬆が毒を盛られたことは知られていたようですが…
おかげで追われる羽目になった候風一行ですが、相変わらず危機感のないのが宝玉と奔月。その二人の前に現れた例のオガワゴム仮面は、候風の指示だと言って二人を連れて関外に向かうというのですが、そこに現れたのは晴天大師。
問答無用で襲いかかってきた晴天の獅子吼から二人を庇って大ダメージを受けた仮面の下から現れたのは、候風の師兄・周方! …まあバレバレでしたが、周方は、実は自分と候風、その兄の候淵が三人で一人の紫衣笑剣として活躍していたんだよ…と前後の関係が不明の謎の発言を遺して逝くのでした。
しかしそれでもなお襲い来る晴天の魔手が何故かそこにあった徳利を破壊――と、そこに駆けつけたのは酔侠・金租揚!
その気になった酔侠は強い強い、見事な動きで晴天をあっさりと撃退。しかし周方の弔いをするからと奔月に金をもらって酒と肉を買ってきてかっ喰らったり、君子剣の真の極意を知るためには酒だ、と宝玉に飲ませたり、好き放題であります。
とはいえやっぱり頼りになる金租揚と候風との待ち合わせ場所に向かう二人ですが、まんまと陽動にひっかかった候風と豪快にすれ違い、しかたなく金租揚と関外へ…と、三人が辿り着いたのは、物語冒頭で霍飛騰と白艶燭が暮らしていた小屋。
そこで金租揚が宝玉に見せたのは、霍飛騰と白艶燭の物語が記された百暁生の本――ってあの武林の武器ランキング「兵器譜」で古龍ファンにはおなじみの百暁生ですか!? ファンにはちょっと嬉しいサービスです。
それはさておき、そこで初めて、自分の祖父の白三空が二人の仲を引き裂いたこと、そして二人の間に子供がいたことを知った宝玉は、自分がその子供だとすっかり信じ込むことに…おお、他の古龍作品にもありましたなこういうシチュ(ネタバレ)
ショックで小屋を飛び出してひたすら走った宝玉が辿り着いたのは、何たる因縁か、霍飛騰の墓。父と信じる男の墓に呆然とした宝玉はそこに一人座り込むのですが、そこに現れた三人組の墓泥棒が盗掘を始めたことで戦いになり、一人を殺して唖然呆然。ええい、異父兄に比べてなんと覚悟の足りない! おまけにその騒ぎで金租揚が小屋を離れた隙に奔月は攫われてしまう羽目に。
ようやくドラマに主体的に絡んできたかと思いきや、まだまだ宝玉は未熟、の一言であります。
そしてそんな騒動の背後で糸を引いていた人物がついに登場。これまで不自然なアングルで顔を隠し、珠児の父の王巓を操って武林に波瀾を起こしていた張本人、それは何と大臧に敗れて死んだはずの白三空!
…思いっきりバレバレでしたね、この人も。さて、この人の目的は、武林大会で大臧と、娘と婿を死に追いやった候風を苦しめ、殺すことだというのですが…当の候風は今回、今度こそ白艶燭と結ばれるのだ! と力強く宣言しているので救われません(どちらも)。
それはともかく、さらに彼の背後には朝廷がいる様子。朝廷といえば、何故か錦衣衛を従えていた木郎のことが浮かびますが…
目下囚われの身のその彼が、脱塵とキャッキャウフフしているところで今回は終わりましたが、さてその真意は奈辺にあるのか、白三空の動向よりも気になるところであります。
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