「水滸伝」 第02話「石碣村に七星が集う」
さて、昨日に続きTVドラマ「水滸伝」の紹介。第2話では、生辰綱十万貫強奪を狙う七人の豪傑が集結することになります。
東渓村の名主である晁蓋と対面した宋江。単なる名主ではなく、力も度胸もある豪傑たる晁蓋に危うさを感じたのか、もし十万貫強奪の話が来ても決して乗らないように、と忠告する宋江ですが――しかしこの晁蓋、それに全く従う気ないのがおかしい。
小芝居を打って助け出した劉唐から強奪の話を持ちかけられ、あっという間に乗り気になってしまうのですから…
そうとも知らず、公孫勝が阮三兄弟に会おうとしていたと聞かされた宋江は先を急ぎ、残った雷横は色々と根に持った劉唐に襲撃されるのですが…なかなか派手な格闘シーンの中に、わたわたと走り込んできたのは、智多星呉用先生! 原典では格好良く二人の間に鎖分銅を投げ込んだというのに、こちらではただ飛び込んでくるだけ!(しかも手に持っているのが羽扇ではなく単なる団扇なのも貧乏書生っぽくておかしい)
結局、晁蓋が現れたおかげでその場は収まり、雷横は引き上げるのですが、そこに顔を出したのは公孫勝。
既に阮三兄弟と顔を合わせてきた――というより会おうとしたら突然襲われたという公孫勝。まあ、この辺りは江湖の挨拶、相手の腕を確かめたら、やあやあと和気藹々になるものですが…それはさておき、晁蓋・呉用・公孫勝・劉唐の四人では少ないとみた呉先生は、三兄弟に声をかけることにします。
しかし公孫勝が顔を出したおかげで、三兄弟の住む石碣村は朱仝ら捕吏の見張るところとなり、色々と鬱陶しい…のですが、その辺りはあっさりと撒いて集まった三兄弟は、呉先生のうさんくさい…いや巧みな話術に引き込まれ、晁蓋が生辰綱を強奪するのであれば命を差し出してもよいと噴き上げます。
(ここで三兄弟の反応をうかがう呉先生が、うっかりと生辰綱の話を口に出してしまったフリをして「ぺぺぺぺぺ」と言いながらごまかそうとするのが面白すぎます。こういう言い回しがあるのかしら)
そして集まり、酒を酌み交わす七人の好漢。一人でベロンベロンになった公孫勝が、上機嫌で北斗七星が落ちてくる夢を見たなどと言っているのにヒントを受けた呉先生は、北斗七星の伴星(日本的にはいわゆる死兆星)として、近所に住む好漢・白日鼠白勝も引っ張り込もうと言い出しますがそれはさておき。
いい具合にテンションが上がった七人は、義兄弟になろうと祭壇を組み、自分たちの血の入った酒を手に名乗りを挙げるのですが、ここで流れるのがOP曲「兄弟无数」で否応なしにテンションがあがります。
前回触れそびれましたが、本作OPは、水滸伝ファンであれば否応なしにテンションが上がる映像。そのバックに流れるこの主題歌もまた、実に盛り上がる名曲であります。
(もっとも、自分で「托塔天王晁蓋!」「智多星呉用!」などと渾名込みで名乗るのは何となくひっかかりますが…特に自分で「智多星」て)
ちなみに、このまま一気に生辰綱強奪に突入してしまうかと思いきや、生辰綱が輸送されるのは(物語中の時間で)来年とのこと。つまりまだまだ時間があるわけで、おそらくその間に、飛ばされた林冲たちのエピソードが描かれるのでしょう。
あ、公孫勝を追いかけようとした宋江は、途中の城門で足止めを食った上、裏道から抜けようとうさんくさい男(たぶん白勝)について行ったら薬をかがされて昏倒という、今回もまた実に情けない役回りでありました…
さて、冷静に考えると、第1,2話だけで10人以上の好漢が登場したわけで、初めて水滸伝に触れる方はついて行くのがやっとだったのでは…とは思いますが、しかし(少なくともビジュアル的には)それぞれそれなりに個性的に描かれていたのは感心いたします。
しかし何よりも原典ファン的に感心したのは、彼らが暮らす村や町の情景がドラマ中できっちりと描かれていた点であります。
好漢たち自身の姿は、本の挿絵などで目にしてきましたが、彼らを取り巻く「世界」の描写は、実のところ初体験に近いもので、この辺りを描いてくれるのは、本場のドラマならでは…と感じた次第です。
(もちろん、どの程度考証が正しいか、という点はあるのですが)
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