「水滸伝」 第07話「豹子頭 誤って白虎堂に入る」/第08話「逆さまに垂楊柳を抜く」
しばらく間が空いてしまいましたが、TVドラマ「水滸伝」の第7回、第8回であります。林冲のエピソードと、魯智深のエピソード、二つが交互に描かれる内容は、原作にほぼ忠実かと思いきや…いきなりとんでもない爆弾が炸裂することになります。
坊主になって指名手配を逃れた魯智深ですが、相変わらず空気を読まない魯智深を、周囲の坊主たちは追い出さんと企みます。彼の部屋に酒壷を置いて、酔い潰した間に濡れ衣を着せようという企みにはまりまくる魯智深ですが、まあその辺はあまり悩まないのが彼らしい。
そんなところに金水蓮が、相変わらず悩ましげな顔で会いに来るのですが、やはり何も考えていない魯智深。実は彼のとばっちりで彼女の旦那ともども、皆夜逃げする羽目になったというのに…
その一方で悩み多き林冲…ですが、道で落魄した男から名刀を手に入れていきなりテンションアップ。そんな大きな子供のような林冲に、奥方も王進のように夜逃げを勧めるのを諦めるのですが――その夫に対する理解の深さが悲劇を招くことになるとは。
詫びをいれてきた陸謙の言葉に従い、名刀を手に高キュウのもとを訪れる林冲ですが、原典通り、入ってはならぬ宮中の奥に刀を手に入ってしまったことで濡れ衣を着せられて…って、これどう見ても林冲さんがうっかりすぎですから!
そしてそんな林冲の危機の一方で、魯智深はといえば、蟻さんとお話したり、鳥さんと喧嘩したりとメンヘルチックに振る舞った挙げ句、酒売りの若者を襲って酒を奪い取るという最低人間ぶりを発揮…というところで第7回は終わります。
続く第8回は、ガハハガハハと笑い続ける魯智深が、寺の僧に絡んだり、仁王様の顔が気に入らないからといって破壊したりと、完璧に迷惑な酔っ払いっぷりを発揮。なおも無駄に武功を発揮して暴れまくる魯智深に対し、周囲の僧も数人ずつ丸太を持って突撃という、ほとんど攻城戦の如き様相を呈してきました。
と、そこに現れた長老の一喝でその場は収まったのですが、翌日長老は魯智深を誘って麓の村へ。そこで魯智深に禅杖と戒刀を作ってくれるというのですが、そこで鍛冶屋と魯智深の間で100斤だ81斤だと重さのことですったもんだしていたところに、長老が62斤にしようと決めてしまいます。この時は、何か根拠があるのかなぁ、とこちらも暢気にかまえていたのですが…
さて、出来上がるまで時間を潰して、戻ってくれば出来上がった禅杖は二人がかりでようやく運べるような代物。と、それに長老が手をかけた…と思いきや、軽々と振り回し始めたぁ!? 技を伝授してやろうと言いつつもの凄い勢いで演武して見せた長老に、魯智深はただただ感心するばかりであります。
しかし本当にとんでもないのはここから。実は長老には三人の弟子がおり、その名も盧俊義、林冲、史文恭と――いやいや、長老、あなたのおかげで大宋国の平和が乱れますから! この三人にも負けない位の杖術を記した奥義書を餞別に、長老は東京に魯智深を追い出すのでありました。
さて、知らないうちに兄弟弟子にされてしまった林冲は、裁判の場で指を噛みちぎって流れる血潮で反対弁論を認めるという挙に出ますが、それが効いたか、裁判官からオトナの取引を持ちかけられ、流刑となる見通しに。しかし護送役に近づく陸謙の影が――
再び舞台は魯智深サイドに移り、早くも東京に出てきた魯智深は原典通り破落戸たちを手懐けてご満悦なのですが…ここでこれも原典通り、松の木に作られたカラスの巣を除くため、松を一人素手で引っこ抜く! …と思いきや、カラスの巣を取り上げたら再び松を戻し、カラスの巣もそっと別の場所に移す、相変わらず動物と植物だけがお友達の魯智深なのでした――というところで次回に続きます。
いやはや、林冲サイドと魯智深サイドの話のノリのふれ幅には驚かされますが、この調子だと、二人が出会う前に林冲が流刑に遭いそうな勢い。全く予想もしなかった形で共通項ができた二人ですが…さて、どういう形で出会うのでありましょうか。
関連サイト
公式サイト
関連記事
「水滸伝」 第01話「洪大尉 誤って妖魔を逃がす」
「水滸伝」 第02話「石碣村に七星が集う」
「水滸伝」 第03話「九紋竜 東京を脱出する」/第04話「魯堤轄 翠蓮を助ける」
「水滸伝」 第05話「拳にて鎮関西を打つ」/第06話「魯達 剃髪し文殊寺に入る」
| 固定リンク
コメント