「浣花洗剣録」第26集 明かされた秘密と新たなる謎!
いよいよ全体の三分の二まで来た「浣花洗剣録」。正派と魔教の決戦もあっさり決着が着いた(?)と思えば、驚くべき秘密の一つ(二つ?)が明かされ、そして更なる謎の存在が語られて、ある意味ターニングポイントと呼べる印象です。
正派と魔教の――実質は王巓一派と白水宮の――決戦の末に敗走した魔教側。候風の侍女二人と史都将軍が命を落とし、呼延大臧は崖から転落、木郎神君も行方不明となり、残るは候風と白水聖母、奔月と脱塵郡主のみ。
と、生き残った四人は毒ガスで守られた沈香谷なる秘境に逃れるのですが、しかし谷には出口はなく…という状況で白水聖母に八つ当たりを始める候風。
お前が戦いを始めたお陰で侍女たちが死んだと、今更言い出す候風ですが、その戦いで聖母についたのは、白艶燭にストーキング続けてたアンタのせいでは…と視聴者全員が突っ込んだかと思いますが、やはり聖母自ら突っ込み入れて、売り言葉に買い言葉でさらに険悪なムードになってしまうのでした。
という状況であっさり毒ガスの解毒薬を見つけて再び攻め込んできた正派。混乱の中で奔月と脱塵は谷の先の砂漠に迷い込み、そして候風と聖母は二人で逃れ――あ、これは普通だったら二人がいい仲になるパターンでは…と思っていたら、ついに白艶燭の行方を、すなわち自らの正体を聖母は語り始めます。
ヴェールを外し、顔を覆っていた薄い変装をはぎ取り――あ、単に目張りを入れて顔にラメいれてたわけじゃなくて、マスクを付けて変装していた(という設定だった)のか! 単に候風の目が腐っていたわけではなかったのか、と得心しましたが、驚いたのは候風。懐かしいような、気まずいような顔を見せますが…
さて、結局メインどころは全員取り逃がした正派の面々ですが、配下は食料の略奪を始めるし、何よりも騒いでいて朝廷に目をつけられたら怖いし…と言い出したのは李子原(あの、やたら背が高くて息子が珠児に絡んで大臧に殺された人)。
ヘタレに見えて、実はこの人が一番正しいことを言っているというのは皮肉ですが、それを知ってか知らずしてか王巓もその言を入れ、撤退することに…火魔神を後に残して。
適当に持ち上げられながらも後に残された火魔神と配下はやる気をなくして見張りそっちのけで宴会を始め、その隙に候風と聖母は外に逃れるのでありました。
そして逃れたといえば、いつの間にか逃れて町を平然と歩いていた木郎は、何やら怪しい符牒を受け取ると向かった先は…なんと青萍山荘。そこで彼を待っていたのは、もちろん山荘の主にして死を装って一連の事件の背後で糸を引いていた白三空であります。そして、ここで明かされるこれまでで最大の秘密――
実は木郎こそは朝廷の秘密警察・錦衣衛の精鋭。そしてその目的は白三空と同じ、武林の壊滅…もっとも今この時まで、互いの正体を知らず、木郎は白三空が生きていたことに驚き、白三空は木郎が錦衣衛であったことに驚くというちょっと可笑しい状況だったのですが、それはさておき。
実は木郎は木郎神君本人ではなく、本人に化けていた別人の模様。なるほど、そういえば初期に青木堡の残党とあえて距離を置く描写がありましたが、それは正体がバレることを恐れてでありましたか。しかし同時に、青木堡の堡主とも無縁ではないと、謎めいた言葉も残しているのですが…
そして木郎が白三空に伝えた朝廷の命令は、幻の城・羅亜古城を探せというこれまた謎めいたもの。白三空すら存在を疑う羅亜古城とは…古龍作品にはしばしば謎の秘境が登場しますが、そういった類でしょうか。
「厳様」なる存在に仕えているらしい木郎は、そこに武芸者を集めて一気に殲滅するよう、白三空に命じるのですが…「これが最後の指令」という言葉に、さり気なく白三空の死亡フラグが立っているようで心配です。
さて、そんな密談が行われていたとも知らず山荘に帰ってきたのは、主人公の一人なのに前回出番のなかった白宝玉。仏堂に詣でた彼は、隠れていた木郎に早速気付いて誰何するのですが、さすがに木郎は口が回る。
以前に父とともに山荘を訪れ、白三空に稽古をつけてもらったなどとでまかせを並べて、宝玉を信用させたかに見えたのですが――
しかしそこに何を感じ取ったか、その後木郎と飲み明かした宝玉は、木郎としてもいない約束をしたと言って彼に同行しようとするのですが、さてこれがどう事態に絡むのか。
冒頭に述べたように、正派と魔教の戦いは一端終わったように見えますが、しかし残り三分の一で何が描かれるのか…主人公側のキャラクターは敗北の末に全員散り散りとなり、物語の先は全く見えませんが、しかしそれだからこそ楽しみな状況ではあります。
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