「BRAVE10S」第5巻 開戦、運命の大戦!
まさかまさかの十勇士交代に新十勇士がまた意外な人物、さらにそれがきっかけとなって十勇士のうちの二人までもが出奔という、波乱に次ぐ波乱の「BRAVE10S」。そんな十勇士集結以来初めての大ピンチの中、ついに歴史は大きく動き出すことになるのですが…
そんな中でも冒頭のエピソードはなんと水着回。リーダーとして気の休まらない時を過ごしていた才蔵にとってはそれなりに気の休まる時だったかもしれませんが、しかしもちろん、その中に出奔した二人の勇士はいません。
己がアナの心の隙間を埋める存在になれないことに苛立つ甚八。イライラが頂点に達していた才蔵に絡んだばかりに本気で半殺しにされた鎌之介――後者はどう考えても自業自得ですが、それはともかく作中では時まさに1600年。そう、直江兼続の挑発により徳川軍がついに動き出して関ヶ原の戦へと、時代はなだれ込んでいくことになるのです。
そして関ヶ原で真田幸村と言えば、言うまでもなく彼の事績の中で燦然と輝く第二次上田城合戦があるわけですが…その相手といえば、徳川秀忠。
本作では初登場となる秀忠が、何というか単なる外道な若造キャラなのは――武将キャラの薄さは今に始まったことではないとはいえ――大いに興ざめでありますが、ある意味十勇士(マイナス2)、そして何よりも弁丸改めて真田大助にとっては、遠慮なしにやれる相手といえるかもしれません。
かくて戦場と化した上田城下で繰り広げられるのは、軍師としての才を見せ始めた大助の数々の策と、その先鋒となって動く新勇士・服部半蔵と、その配下たち!
かつて戦った相手が味方に、というのは大いに盛り上がる展開、半蔵はともかく、その配下まで現れるとは予想していなかったので大いに盛り上がります、が…
しかし、こういう形で再登場したキャラクターがかませ犬となりやすいのもまた事実。そして彼らを襲う新たなる敵とは――
いやはや、ここでこのキャラクターが、こういう形で登場するとは夢にも思わなかった相手なのであります。
詳細を伏せた上で語るのはなかなか難しいのですが、意外でありつつも、その片割れが物語で重要な位置を占めていることを思えば、むしろ登場は必然とも言えるかもしれない存在。
しかしそれを、まさか幸村史でも大きな位置を占めるこの上田城合戦で物語に投入してくるとは…
この2、3巻の間、次から次へと繰り出される意外な展開に驚かされてばかりなのですが、本作の場合は、そんな定石を外した大暴れこそが真骨頂と言うべきでありましょう。
何だかんだと憎まれ口を叩きつつも、やはり先が気になって仕方ない作品なのであります。
(ただ、やっぱり才蔵の新しい髪型はまだ見慣れませんが…)
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