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2014.05.25

「妻は、くノ一 最終章」第1回 彦星の涙

 いつの日か…そう信じてきた想いがついに叶う日が来ました。TVドラマ版「妻は、くノ一」の続編、最終章の放送開始でます。しかしいきなり主人公カップルの前途は多難、原作ファンでも予想のつかない、いや、原作ファンだからこそ仰天の展開が、第一回からいきなり飛び出すことになります。

 天体の知識だけが取り柄の冴えない平戸藩士・雙星彦馬のもとにやって来た美しい妻・織江。しかし彼女は平戸藩を探りに来た御庭番のくノ一、たった数ヶ月の新婚生活の後、彼女は姿を消してしまい…

 が、それでも彦馬は織江をあきらめず、江戸に出てきて彼女を捜すことに。そして織江も彦馬を忘れられず、やがて御庭番としての自分に疑問を抱くことに。
 物語は、平戸前藩主・松浦静山の大望と、それを阻まんとする幕府の暗闘を背景に展開し、そして母の命を犠牲に、ついに織江は御庭番を抜けることになるのですが…

 というのが前作のあらすじ。御庭番を抜けたものの、監視の目の前に彦馬に近づくことができない織江。静山の密命を受け、海の向こうに旅立つこととなった彦馬。相変わらず離ればなれの二人ですが、彦馬は海の向こうに織江を連れて行くことを決意します。
 が、出航までは残すところ三ヶ月。その間に彦馬は織江を見つけ出し、彼女を伴って平戸まで行かなければならないのであります。

 が、相変わらず、いやこれまで以上に二人の行方は前途多難。これまで彦馬の頼もしい(?)守り手だった養子の雁二郎(ほとんど台詞での描写だったとはいえ、原作でのシーボルトとの人を食ったやり取りがこちらでも描かれたのが嬉しい)がここでいきなり…
 と、前作で原作とは違った展開には馴れたつもりでも、さすがに少々――どころではなく驚かされる展開が、初めから待ち受けているのであります。

 この辺り、原作ファンには賛否あるのではないかと思いますが(個人的にはかなり残念な展開ではあります)、これから先、二人を待つものはいわば国法との対決と言うべきもの。これはまだまだ序の口と言うべきでしょうか。

 それにしても今回少々驚かされたのは、アクションの充実ぶり。
 織江と御庭番たち、雁二郎と御庭番たちと敵の不気味な刺客・白瓜の寒三郎(原作では呪術師寒三郎。演じるは瀬川亮)、そしてラストの織江と寒三郎と、様々なシチュエーションで忍者同士の対決を見せてくれたのには、素直に感心いたしました。
 その中には時代劇版パルクールとも言うべきものもあり…いやはや、まだまだ見せ方次第で様々なことができるものだと大いに感心したところです。


 ちなみにちょっと驚かされたのは、まさかの(?)姫は三十一、静湖姫の登場でしょうか。
 設定の方は原作同様なので、どうにもシビアな展開のこのドラマ版のコメディリリーフ的な存在になりそうですが…さて。


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