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2015.10.18

『牙狼 紅蓮ノ月』 第2話「縁刀」

 東の番犬所の依頼で魔戒騎士見習い・葛城久頼を預けられた雷吼。魔戒騎士であった父の鎧を受け継ぐことを願う久頼だが、その父は謀反を疑われて出奔、消息を絶っていた。その頃、京では侍の刀を奪う火羅が出没、その魔手は雷吼が持つ刀にも及ぶ。果たして火羅の狙いは、正体は……

 第1話ラストで現れた顔面傷だらけの男・芦屋道満。火羅を識別できるらしい金時によれば火羅ではないようですが、さてここは文字通り顔出しのみで終わります。
 一方、都を騒がしていたのは、侍の刀を次々と奪う物の怪。この物の怪と相対すると、刀が鞘から自然に抜けて宙を舞い、よりふさわしい者――すなわちこの物の怪の手に渡ってしまうのですが……

 そんな中、雷吼と星明が呼び出されたのは、魔戒騎士たちを束ねる東の番犬所所(西ではないのか……という気もしますが)。現代ではケルベロスを思わせる名の三神官がいた場所ですが、平安時代はそれが三狐神なのが面白いところです。
 そこで二人に依頼されたのは、火羅退治ではなく、魔戒騎士見習いの青年・葛城久頼の面倒を見ること。父も魔戒騎士であったという久頼は、久々に登場したという黄金の魔戒騎士である雷吼を見習いたいと、なかなかに殊勝な面持ちであります。

 雷吼が真面目に任務を果たそうとしている一方で、久頼に違和感を覚えた星明は、ゴシップ屋的な存在である和泉式部(! ある意味納得)のもとを訪れます。
 そこで聞いたのは、久頼の父・千晴は謀反の疑いを受けて久頼を連れて都を離れ、魔物に襲われて死んだという噂……

 その頃、雷吼の家では、彼の刀に手を出す怪しい影が。見とがめられて逃げ出したその正体は、やはりと言うべきか久頼。刀狩りの火羅だった久頼は、雷吼が自分の父の刀を奪ったと言うのですが――そこで雷吼の心にも疑念が生まれます。彼自身も、何故刀を手にしているか記憶がないと。

 ここで語られるのは雷吼と星明・金時の出会い。母ともども都を追放された子を探しに行った星明と金時が出会ったのは、巨大な火羅――と見まごうほど、無数の火羅にまとわりつかれた何者かの姿。そして火羅が剥がれた下から現れたのは、現れたのはガロの黄金の鎧……
 命の危機に、無意識のうちに鎧を召喚した少年雷吼。本来であれば魔戒騎士の鎧は、現世では装着時間に限界があり、それを超えれば鎧に食われるはずですが、しかし無傷であった雷吼を、星明は自分の魔戒騎士として育てたのであります。

 が、それを聞いて晴れない雷吼の心。父を失い、火羅に囲まれ、火羅になるしかなかった久頼。それはかつての自分自身と重なる姿だったのですから……その心の隙を突いたように、冒頭の描写同様、宙に舞う刀。その刀は雷吼に襲いかかるかに見えたのですが――血を流しながらそれを受け止めたのは雷吼の手。

 自分はかつて闇の中にいたからこそ、誰よりも強く光を求め、護りたいと思う――その想いに答えて彼を主と迎えた刀を手に黄金騎士の鎧をまとい、一太刀の下に火羅を断つ雷吼。そして現れた久頼の手にあったのは、父の髑髏……千春を殺し、食らったのは久頼だったのでありました。


 というわけで、前回に引き続きキャラクター・設定紹介をしつつ、より主人公たる雷吼の精神・姿勢とも言うべきものに踏み込んだ今回。
 特に印象に残るのは、自分自身と火羅と化した相手を対比――というよりそうであったかもしれない自分として受け止めつつ、それでも、それだから戦いたいという雷吼の姿であります。

 そこに描かれているのは、実に脚本の會川昇らしいヒーロー精神であるとともに、「闇に生まれ闇に忍び闇を切り裂く」牙狼らしい主人公像でありましょう。
 その一方で、久頼が火羅であると知りつつ、雷吼たちに始末させようという番犬所の在り方など、いかにも不穏でこれもまた牙狼らしい……という印象です。

 そしてラスト、道満に語りかける謎の老人が語るのは、雷吼の真の名が源頼光という事実。しかし雷吼が頼光であるということは、星明は……(というところで公式サイトを見てしまったのは大失敗)



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関連サイト
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