『変身忍者嵐』 第5話「恐怖! ネコマンダラ!!」
空飛ぶロケット爆弾・飛竜星の開発を目論む血車党は、設計者・留吉を脅すため、息子・小太郎を誘拐せんとする。それを一度は阻止したハヤテ一行だが、ネコマンダラの襲撃の前に小太郎を奪われ、ついに小太郎と留吉を乗せた飛竜星が打ち上げられてしまう。ハヤテは二人を救い出すことができるか?
ロケット爆弾……というより有人誘導(人間がしがみついてコントロールする)ミサイルという頭のおかしい兵器を開発する血車党。そんなものが当然うまくいくはずもなく、試作機は墜落、それを通りかかったハヤテ一行に目撃されてしまうという体たらく。しかも、設計者の留吉を脅すために彼の息子・小太郎を誘拐してきた下忍たちが、ハヤテたちの目の前を通りかかるのでした。
……というわけでまたもや血車党安定の泥縄ぶりで始まる今回。もちろん悪事を止めようとするハヤテたちと、やたらニャーニャー声を上げる(のでだんだんノラネコぐんだんのように見えてくる)下忍の乱闘が始まり、ハヤテが小太郎を取り返す一方で、タツマキとカスミは逃げた下忍を追います。
と、そこに現れる自称・残酷忍者ネコマンダラ。猫のフェイスに女物っぽい着物をまとった怪人ですが、後に月ノ輪はおろか主人公の声を当てる市川治がその美声でニャーニャーいう凄い奴であります。そして今回もあっさり捕まるタツマキ父娘。
一方、タツマキたちを追ってきたハヤテたちも、怪しげな霧の中で下忍たちに襲われた末、声をかけてきた留吉――実はネコマンダラに小太郎とツムジが捕まってしまいます。鎖鎌の分銅の代わりの爪を相手に巻き付け、引き寄せる「爪返し」、爪を投げつけてくる「投げ爪」、忽然と二本の槍を取り出して投げつけてくる「隠し槍」と、多彩な血車忍法を使うネコマンダラに押され気味のハヤテは一度撤退、まずはツムジを取り返すのでした。
なおも執拗に迫る(タツマキ父娘に似せた人形で誘き寄せてしょぼい爆発を起こすなど)ネコマンダラと下忍と攻防を繰り返しながら小太郎を追うハヤテとツムジ。その一方で縛られていた鎖をあっさり焼き切るというベテランの技を見せたタツマキとカスミは飛竜星の実験場に潜入。留吉を救い出したものの、小太郎は取り戻せず、乱闘している間にまた留吉は囚われる羽目になります。
そして小太郎を飛竜星に縛り付け、この砂時計の砂が落ちきるまでに完成させろと無茶苦茶をいう骸骨丸。焦らせるもんだからもちろん完成するはずもなく飛竜星は発射、子供だけを行かせまいと留吉もしがみつき、飛竜星は空へ――(開発者を殺してどうするというのか)
ここでカスミが笛で急を告げたのに応え、ハヤブサオーで駆けつけた嵐は大ジャンプで飛竜星の上から留吉と小太郎を助けて着地。飛竜星は狙ったようにピンポイントで血車党の秘密基地に落下、大爆発……! そして下忍を蹴散らした嵐はネコマンダラを秘剣影写しで崖から叩き落として勝利宣言。留吉たちの感謝の声を背中に去って行くのでした。
秘密兵器開発を強要される科学者という定番のパターンであった今回、しかしそれが何だかおかしな方向に転がっていくのが序盤の嵐テイストと言うべきでしょうか。明らかに失策の連続の血車党ですが、今回は怪人も下忍もニャーニャーというかけ声なのが、絶妙に脱力させてくれます。
しかしその一方でネコマンダラはなかなか芸達者で、嵐との戦いではきっちりとしたチャンバラを見せてくれるのが(そしてもう一つ、怪人の造形が結構良いのが)、本作のユニークさというか何というかを感じさせてくれるところであります。
今回の化身忍者
ネコマンダラ
残酷忍者を自称する猫の化身忍者。刀と鎖鎌を武器とし、鎖鎌の爪を相手に投げつける投げ爪など多彩な血車忍法を操る。ヒゲは手裏剣として使用可能。飛竜星開発のために暗躍したが、全て嵐に阻止された上、秘剣影うつしに敗れる。
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