『変身忍者嵐』 第17話「忍者屋敷! 怪人ドクダヌキ!!」
江戸征服のため子どもたちを攫い、少年忍者に仕立てようとする血車党のドクダヌキ。少年忍者たちに襲われ辛くも逃れたツムジは、逆にドクダヌキの少年忍者教室に潜入したものの、正体が露見して窮地に陥る。駆け付けたハヤテは忍者屋敷の仕掛けに苦戦しつつもドクダヌキの陰謀を粉砕するのだった。
江戸の子供たちの前に現れた怪しげな唐人姿の人形使い。演じるのは変身忍者嵐と血車魔神斎の対決、これを見た子供たちは大喜び――って、そんなに嵐も血車党も子供たちにとってメジャーな存在なのか。昔のヒーローものによくあったメタな描写ですが、しかしどうにもすっきりしない描写ではあります。
うるさいマニアは置いておくとして、嵐に会わせてあげようというあからさまに怪しい人形使いについていった子供たちは、とある寺に導かれるのですが――その中で人形使いはドクダヌキの正体を現します。逃げ出そうとした子供たちを、木の葉で文字通り口を封じたドクダヌキは、催眠術で子供たちを操り、忍法教室を始めます(わざわざ九字の切り方を真面目に教えるのがオカシイ)。
これぞ今回の血車党の作戦、これで江戸は血車党のものになったも同然と嘯く骸骨丸ですが、将軍のお膝元で公儀隠密は何をやっているのか。と、その公儀隠密タツマキ一家とハヤテが江戸にやってくるのですが、ドクダヌキは骸骨丸に血車少年忍者隊の力を見せるというと、唐人人形使いの姿でツムジを誘き寄せます。自分が人形劇の題材となって能天気に喜ぶツムジですが、周囲の子供たちが少年忍者隊の正体を現して襲いかかってくるともちろん大慌てであります。
そこに駆け付けたタツマキは最初は子供の喧嘩かと呑気なことを言っていましたが、子供たちが刀を抜いて襲いかかってくれば笑い事では済まされません。ハヤテは一目で人形使いが怪しいと見抜き――って屋根の上から様子を伺っていたから当然ですが――その後を追い、タツマキとツムジもその場を逃れますが、その前に現れる骸骨丸に追い詰められることに……
そして人形使いを追ったハヤテも、正体を現したドクダヌキの忍法五輪固めで五つの輪を輪投げの要領で投げつけられ、体の自由を封じられてしまいます。でもまあ輪投げなので何とか振りほどいて嵐見参。徳利の中の液体を飲んで炎を吐く忍法火炎霧をものともせず、嵐旋風斬り一閃! あれ、早いと思ったら、そこに倒れていたのは信楽焼のタヌキ。そりゃタヌキですが……何はともあれ、タツマキたちのピンチを知ったハヤテは勝負を預けてその場を去るのでした。
(そして嵐を見るとさっさと逃げる骸骨丸)
さて、このままにしてはおけないと、自分が忍法教室に潜入することを決意するツムジ。眼帯をつけたゴミ拾いというあからさまに怪しい姿で人形使いについていきますが、もちろん正体はバレバレで、残る片目をドクダヌキの葉っぱに封じられて苦しむ羽目になります。そして手足を縛られて手裏剣の的にされそうになるツムジですが――もちろんそこに嵐が駆け付けます。
タツマキが投じた爆薬の大きな音で正気に戻った子供たちを残し、ドクダヌキとの対決に臨む嵐。しかし後を追って寺に飛び込んでみれば、そこは落とし穴やら壁から槍が飛び出してくるやら、サブタイトルどおりの忍者屋敷であります。そしてドクダヌキを追ううちに天井が下がってくる小部屋に閉じ込められた嵐は、最後の手段だとでっかい爆雷を取り出して……
そして起きる寺を木っ端微塵に吹っ飛ばす大爆発! 大喜びするドクダヌキですが、生きていた理由とか全く説明抜きで嵐見参! これはひどい! そしてまたもや信楽焼の変わり身で凌ごうとするドクダヌキですが、大ジャンプから錐揉み回転、頭上から大斬りを食らわす嵐稲妻落としが炸裂! さしものドクダヌキも倒されるのでした。
子供を洗脳したくらいで江戸を征服できるかなあ……と思いつつも、今見てみるとちょっと嫌な気分になる悪の組織の子供洗脳話。
それはさておき、今回のドクダヌキは、半身が腐って骨や肉がむき出しとなった姿というなかなか強烈なデザインで、今の技術で再現されたらさぞかし怖かろうと思います。ふざけたデザインながら様々な忍法を使い、嵐を追い詰める意外な強豪ぶりも印象的であります。何かと腹鼓をシュールな姿も……
今回の化身忍者
ドクダヌキ
半身が腐ったような姿のタヌキの化身忍者。口から炎を吐き出す火炎霧、木の葉をばらまいて姿を消す木の葉隠れ、五つの輪で相手の動きを封じる五輪固めなどの多彩な技を使い、信楽焼のタヌキに化ける変わり身の術を使う。唐人姿の人形使いに化け、子供たちを洗脳して血車少年忍者隊を作ろうとしたが、嵐の稲妻落としに倒される。
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