週刊朝日「2018年歴史・時代小説ベスト10」に参加しました
毎年師走に楽しみなのは様々なジャンルの小説等のランキング、ベスト10ですが、今週発売の「週刊朝日」2019年1月4-11日合併号に掲載の「歴史・時代小説ベスト10」に、ありがたいことに今年も参加させていただきました。
今年で記念すべき10回目を数えるこのランキングは、芸評論家や書評家、新聞や雑誌の書評担当者、編集者、書店員ら「本読みのプロ」たちに対するアンケートによって選ばれたもの。
対象となるのは2017年11月から2018年10月まで刊行された歴史・時代小説、その中から三作品に投票することになります。
さて、三つという決して多くない作品数の中で何を選ぶのか、これが考えどころ。もちろん自分の琴線に触れた作品を選ぶのがベストではありますが、それでは三つでは到底収まりません。単純に売れた作品というのも選択肢かと思いますが、少なくとも私がそれをやる意味はない……
などと色々と悩んだ末に、私の中で一つのテーマを決めて投票させていただきました。
それは作品の中で、主人公をはじめとする登場人物たちが、一個の人間として時代に向き合う様を描いていたか、それをどう描いたか――時代や社会の不安定性がいよいよ増している昨今だからこそ、歴史・時代小説においては内容の面白さや豊かさだけでなく、我々読者の生き方にも重なるであろう、こうした点を評価したいと考えたのであります。
さてその結果については――投票した作品の一つにコメントを掲載していただけた、と述べるにとどめましょう。私の大好きな作品、これぞと認めた作品がランクインして、そこにコメントが掲載されたというのは、まことにありがたいお話です。
それにしてもランキングという形で、色々な方々の考え方を、客観的に拝見できるというのは実に面白い機会であります(私はこの世界に関しては極めて主観的に生きているだけになおさら……)。
ランクインした作品を見てみると、なるほど、と感心させられることあり、えっ、と驚かされることあり、実に興味深いことこの上ありません。
今年一年の締めくくりとして、そして新しい一年の始まりに、ぜひご覧いただければと思います。
と、もう一度振り返ってみると、私が投票した三作品は、このブログではいずれも一回では収まりきらず、二回に分けて掲載しておりました。やはりそれだけ印象に残った、そして語るべきものが多い作品だったのだなあ――と今更ながらに気付きました。全くの蛇足ですが……
「週刊朝日」2019年1月4-11日合併号(朝日新聞出版) Amazon
| 固定リンク